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……とは言ったものの、どうしよう。
家に引き取るって言っても、ジェフリーの許可が下りるかどうか……。いや、そんなことよりもあの小さな家にスネークマンと大きな犬はなかなか厳しい。
私が貴族だったら、「うちにいらっしゃい、部屋はいくらでもあるわ」なんて男前お嬢様なセリフを言えたりしたのかな~~。
王都に帰る途中で捕まえた荷馬車の荷台の上で揺られながら、私は険しい表情を浮かべていた。
私の隣にはクリフ、そして目の前にはミミとレイが並んで座っている。
「あの、ケイト様にとって私は必要ないですか?」
突然の耳の言葉に私は固まってしまう。
……ミミが必要かどうか?
そんなの私にも分からない。私は強い。誰かに守ってもらう必要はない。……ただ、悪くない旅だったんだよね。レイやミミ、クリフのおかげで楽しめたのは本当。
今回は、クリフの件以外が雑魚依頼だったから私一人で対処できたけど、もっと強敵と戦うとなった時に頼れる相手がいた方がいいのかもしれない。
私は少しして口を開いた。
「貴女を手放したいとは思わないけど……住ませてあげれる場所がないの」
「そ、そんなの! 床で寝ます! ケイト様の生活の邪魔にならないように普段は気配を消して」
「ダメ。ちゃんとベッドの上に寝て」
「ですが、私はケイト様と一緒にいたいわけで……」
「今の家を増築するか……」
私がボソッと呟いた独り言にミミがパッと表情を明るくさせた。それと共に、レイが意外そうな顔で私を見ていた。
「何?」
私は思わずレイにそう聞いた。
「いや、まさかお前にそんな発想があるなんて思わなかった」
「逆に、私にどんな発想があると思っていたの……」
「……殿下に頼るとか?」
「私が誰かを頼る方法を知っているとでも?」
まぁ、ジェフリーにはいつも頼ってるんだけど……。
レイは私の言葉に少し申し訳なさそうにする。そんなレイを見て、私は心の中でニヤリと微笑んでいた。
フフッ、これで若干失礼気味だったレイを黙らせることができたわ。
「あ、てか、結局なんでレイは私のところに来たの?」
この聞き方だと、レイが無能だった言い方みたいになっちゃうかも……。まぁ、いっか、レイだし。
一応、誤解のないように付け足しておく。
「アヴィン王子の意図がまだ分からないんだよね」
レイはサポートとして有能だった。今回は出番がなかっただけで、彼は本当に使える男なのだと思う。状況を見極める力を持っているし、機転も効く。それに身体能力も高い。
そんな中、今回わざわざレイを預けられた理由がいまだにピンと来ない。
私が王族に対して反抗してばっかりだから嫌がらせとしてレイが送られてきた、が今のところ一番しっくりくる。……が、あの王子はそんなことをしなさそうなんだよね。
嫌がらせするとしても、こんな回りくどいことはしないだろうし……。
「殿下は……俺にあの戦争の真実を知ってほしかったのだろう」
私の初陣について、か。…………レイは嘘は言っていない。……が、まだ隠していることがありそう。
あの王子がそれだけのためにレイを私の元へ派遣なんてさせないだろう。今レイに言及しても答えないだろうし、深堀しないでおいてあげよう。なんたって私は大人だからねッ!
私は「ふ~~ん」と相槌を打ちながら、話題を変えた。
「そういえば、王子の婚約者ってどんな方なの?」
私の発言にレイは目を見開いた。
……あれ~? 思ってた反応と違うんだけど~!
普段ジェフリーとしか話していないせいで、『友達とする会話』みたいなのが一切分からない。これでも、盛り上がりそうな話題を絞り出した方なのに……。
てか、なんでこんな怪訝な表情を向けられてるの? 和気あいあいとした会話は? ……いや、レイとはそんな会話を求めてないんだけど。
「お前、殿下のこと、狙っているのか?」




