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魔女っ娘珍道中  作者: NT
ワールド2
17/20

ヒドイやつらもいるもんだ 後編

あらすじ


「話を聞く」仕事を始めたリンスだったが・・・

噂は瞬く間に広まった。


なんでも言える"ロバの耳"として。

リンスは客の話をただただ聞き続け、まれに相槌を打つ「人によっては楽な仕事」をこなしていた。



このまま収入を得続けられたら「危険とは無縁な生活」が送れるのだろうが、本作のタイトルが"珍道中"である以上そろそろ大きなイベントが始まるのだ。





ことの発端は客の一人が放った一言である。


「私、実は 近年騒がれている差別問題について活動しているんです。」


「はあ・・・ それはまたご立派で。 で、差別というとどういった?」


「はい。 人間の動物に対する差別です。」






ついに来てしまった。





リンスは"動物差別をなくさなければ犯罪者となってしまう"ので、この客の言う活動に首を突っ込まなければいけないのだ。




リンスは今、猛烈に後悔していた。


わかっていた。

昨日の時点で、権利がどうこう言うような人が客であったのだ。

いつかこのテの話が来るのは予測できたはずだ。





・・・と、そんな背景など知らずに客は話し続ける。




「あなたも魔女という"弱者"である以上、同じ弱者の気持ちがわかるはずです。」



なんてことだ。アタシは弱者だったのか!




「我々アルバトロス産業はそんな弱者を救済すべく! ラフ・ヤード計画を立ち上げたのです!」



ん? 何か聞き覚えのある単語が・・・ でも、何だっけ?



「あなたも協力してくれませんか!? この活動に!」


「ええ・・・ あの、勧誘とかは・・・うち・・・」



「何ですか!? あなた、かわいそうだと思わないんですか!?」


「ですから・・・勧誘とかは・・・」



「勧誘ではありません! かわいそうな弱者を救うという"正義"の行いです!」

「手を差し伸べるのです! 私たちのように幸せになれるよう!」

「虐げられてきた弱者に希望を与えるのです!」






「ふざけんなああああああああああああ!!!!!!!」


ワン公が叫んだ。




「ひえっ!?」

突然の展開に客は話を止め、苦笑いを浮かべた。



「黙って聞いてりゃ弱者弱者と! 人を勝手に決めつけやがって!」

ワン公は牙をむき出しにし、"正義"に迫っていった。




「ですから! 我々はあなた達のような人の為に・・・」


「うぉぁああああああ!!!!」


「うわぁっ 勘弁しろよ!」


客は逃げて行った。












「ああいう差別主義者が正義である以上、差別なんかなくなるわけねえんだ。」


「・・・」


「俺達がかわいそうだと? ふざけんじゃねえ。」

「勝手な"常識"を押し付けやがって・・・」


「・・・落ち着きなさい。」


「・・・すまん リンス。   ・・・その、一つ頼みがあるんだが。」


「いいわよ。」


「これは動物の代表とかそんなんじゃない、"俺"個人からの頼みだ。」








「さっきの奴ら、ぶっ壊してくれ。」









「・・・まかせて。」




二人は静かな怒りに燃えていた。

何かの代表ではない、リンスとワン公二人の怒りで燃えていた。

つづく

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