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魔女っ娘珍道中  作者: NT
ワールド2
16/20

ヒドイやつらもいるもんだ 前編

キャラクター


・リンス:本作の主人公で魔女。差別をなくすために旅をしている。

・ワン公:リンスのお供で犬。会話ができる。

・パンプキンパンツ:自称「美少女怪盗」のイタいやつ。


======================================================================


あらすじ


リンスは、パンプキンパンツと別れ、街に繰り出しました。

「悪人の敵が正義だとは思わないことね」


リンスたちの去り際、パンプキンパンツはそう言い残した。


彼女なりに言いたいことはあるのだろうが、リンスにとっては関係ない話だった。









ぐうぅぅぅぅぅ・・・


町に繰り立った二人に空腹が襲い掛かる。


当然である。カジノで所持金を全額溶かしてから早3日。その間、食事と呼べるものはなかった。

意識のない時間こそあれど、それなりに脳ミソを使ったこの期間で、彼女らはエネルギーを消費しきっていた。


「な・・・なにか食わせろ・・・」


「おなか・・・すいた・・・」



[働かざる者食うべからず]という言葉があるが、まさに今、二人はそれを体現していた。


そもそも、すべての原因は[手持ち不如意]からなるものであるため、金さえあればお腹の閑古鳥も黙るはずである。



二人は働くことにした。











・・・といっても、仕事なんかは簡単には見つからないものである。


根無し草のじゃりン娘と犬。

それも、世間的に嫌われ者である"魔法使い"の服を好き好んで着ている変人。


"真っ当な所"は雇わない、いわく付き物件であった。




ちなみに、本作は全年齢対象のため、"夜の街でエキセントリックに荒稼ぎをするリンス"という展開になることはない。


なら、残った道は"自営業"である。

他にもあるかもしれないが、所詮14歳と犬の脳ミソで思いつくのはその程度である。





リンスたちは占い師をやってみることにした。

しかし、リンスに占いの知識はなかった。


・・・どうせ日銭稼ぎなので、適当に求められている答えを言ってあげることにした。





値段は二人の食事一回分。

ギリギリ諦めのつく金額である。


しかし、理想通りにはいかなかった。




見るからに素人。それに設備らしきものもない。

若い女の子との会話代と考えても、人目に付きすぎる立地。


面倒な輩が何人か来たが、自分勝手なリンスが"お客様は神様"精神を持っているはずもなく・・・




=====================パターン1=====================

「僕は占いなんて信じていない。」


「さいですか。」


「君の言うことは全てデタラメだ。」


「よくご存じで。」


=====================パターン2=====================

「アンタ、自分のことカワイイと思ってるでしょ?」


「ええ もちろん。」


「クスクス・・・ 自意識過剰にも程があるでしょ」


「ええ そうですね。」


=====================パターン3=====================

「貴方は"女"を売り物にしている!恥じなさい!」


「・・・そうですか。」


「"犬"にだって人権があるのに、奴隷扱いして!」


「ですね。」





・・・といった、クソみたいな塩対応をかましていた。

だがこれが、意外な需要にこたえていた。



言葉の暴力用の"殴られ屋"。

全く反論をしない(空腹で頭が回らない)ため、鬱憤晴らしには最適であった。


そして、このテの輩は恥もクソもないので、最悪な立地も関係なかった。



嫌われ者。つまり"悪人"に好き放題言える。

金さえもらえればいいリンスにとって、この需要と供給は幸運であった。


マトモな人間なら病むだろうが、今のリンスに病めるだけの余裕はなかった。






こうして、数食分の食費を稼いだリンスたちは、数日ぶりのマトモな食事を楽しんだ。



「・・・リンス。」


「なに?」


「その・・・なんだ。 お前は実際カワイイ。気を落とすなよ。」


「そりゃそうよ。 アナタの美的感覚は調整済みだもの。」


「へ?」


「冗談よ。 ・・・ありがと。」




脳みそが生き返った今、今回みたいなことはもうできない。


明日はまともな客以外追い返そう。

リンスはそう決心して眠りについた。

つづく

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