お昼のワイドを騒がせる女
前回のあらすじ
リンスたちは、謎の女怪盗・パンプキンパンツに持ち物を盗まれてしまった。
「さて続いては、最近話題の謎の人物。 怪盗・パンプキンパンツについてです。」
「あ~、その子ねぇ・・・なんなの?最近の若い子はみんなああなの?」
「なんでも、被害にあった人物や企業が全てアルバトロス産業との関りがあったため、一部では、関係者などの私怨による犯行ではないかとの声も上がっています。」
「こういうのはねえ! 政府が悪いんですよ! 今の政治に不満を持つ若者がだねえ!」
「あの痛々しい恰好! 低俗なアニメはやはり青少年に悪影響を及ぼすんです!」
リンスたちは、電気屋のテレビでワイドショーを見ていた。
ワン公の言う通り、あの妙な輩が話題の人物であるならば、テレビで何かしらの情報が得られると踏んだのだ。
しかし・・・
「何よコレ。 完全内輪向けで、内容なんて皆無じゃない。」
「娯楽としては良いんだろ。 やっぱり"足"を使って調べなきゃな。」
「・・・で、何してるのよ。」
「っぱ、時代は"ネットDE真実"よ! まあそれももう終わりそうだがな。」
ワン公は店内PCで何かを調べながら、かっちょつけたことを言っていた。
「見つけた!ここだ!」
「何かあったの?」
「ああ!俺たちがあいつの恨みを買ったとしたら、十中八九原因はあの金だ!
つまりあの金はあいつの物か、違うにしろ、あいつが狙ってた何かに関りがあるんだ!」
「うん。 ・・・で?」
「テレビでもやっていたように、あいつが狙うのはアルバトロス産業のやつだ!
で、あの付近にアルバトロス産業のやつがいないか調べた結果!」
「ボギー・べインズという、アルバトロス産業の重役が、最近この辺りによく来てるんだ!」
「きゃー! キーヌが! キーヌが! 目の前に! アタシを抱いて! 屋上に落として!」
リンスは聞いていなかった。
ワン公は、店内体験用のVRヘッドセットをリンスから引き剥がした。
「あー! アタシの! アタシのキーヌが!」
「いつお前のになった! 形だけでも真面目に聞け!」
「・・・ごめんなさい。」
リンスが申し訳なさそうにすると、ワン公は話をつづけた。
「こいつのこのつぶやきを見るとだな。」
『投稿:一日前
バーディのやつと映画館なう
(映画館のロビーで3Dメガネをかけた男二人がポップコーンを持っている写真が添付されている)』
「・・・古いわね。」
「俺たちには言われたくないだろうさ。 で、こいつの言う映画館だがな・・・」
「四日前に潰れてるんだ。」
「・・・」
「それにだ、その映画館、どこにあったと思う?」
「あのスーツケースがあったとこ?」
「正解。 怪しいだろう。」
「・・・何かしらつながりがある可能性は否定できないわね。」
「そうだ。 で、奇遇にもこいつは今、ここの向かいの定食屋にいるんだ。」
リンスは出入り口の方を見た。
「まだ・・・間に合いそうね・・・。」
「・・・行くか?リンス。」
「当然!」
二人は定食屋に向けて走り出した。
二人が到着すると、ちょうど店から例の男が出てきた。
持ち物を色々盗まれたリンスは、使える魔法が大幅に減っていた。
そのため、脳内を覗くことができず、アナログな手を使うことにした。
大胆かつ無謀な手・・・
二人は男に例のケースを見せた。
「これ、忘れ物ですよ。」
「あん? 何を言って・・・」
男は二人が持つケースを見ると、形相が変わった。
「てめえ!何故それを!」
ビンゴだ。関係大ありだ。露骨だ。
慌てた男は脚を絡ませた。
普段から運動をしていないのだろう。
男はバランスを崩し、頭から地面に激突した。
男は気絶した。
予想以上の反応に言葉を失う二人だったが、男の胸元から飛び出した写真を見て、リンスはさらに絶句した。
そこに映っていたのは、リンスの親友の父親であった。
どういうことだ?
親友の父親は探偵である。
そして、彼の探偵事務所はここからさほど遠くはない。
二人はとりあえず行ってみることにした。
事務所につくと、留守であった。
いくら娘の親友と言えど、勝手に入るのは倫理に反する。
玄関で行き詰っていると、思いもよらぬ出会いがあった。
「ただいま~ そっちは大丈夫だった?」
来た。
例の女怪盗が来た。
あの妙な格好ではないが、同一人物であることは間違いなかった。
リンスたちはとっさに隠れると、パンプキンパンツが玄関の扉を開けた。
「「今だーーーーーーー!!!!!!!!!!」」
二人はパンプキンパンツに飛び掛かった。
「きゃあ!? 誰!? 何!?」
「ロープがあった!縛れ!」
「任せて!」
あっ!という間に亀甲縛りにされた女怪盗ができた。
「・・・何事?」
パンプキンパンツの理解は追いつかなかった。
つづく




