第62話俺と期末テスト
62話です。
「さてもうすぐ夏休みですわ」
会長がそう言う。
桃さんが通う事になり一週間が過ぎようとしていた。
「そうですねでも何で、改めて言うんですか?」
「優さん夏休みまえには何がありますか?」
「期末テストですね………あっ!」
私は千代とメアリーを見る。
「優………何よ?」
「優さん私は大丈夫ネ!」
「メアリー私まだ何も言ってないよ」
「うっ!」
確かこの二人中間テストの点数が、赤点ギリギリだったな。
「優さんは学年トップの成績だったので、問題無いですわ………しかし千代さん! メアリーさん! 貴女方は問題ありですわ!」
会長がそう言うと二人は目をそらす。
「千代、メアリー、常日頃から勉強しないと駄目じゃん」
「「優 (さん)が真面目過ぎるんだよ (ヨ)!」」
そうか? 予習復習は当たり前だと思うが。
「という事で私の家で勉強会ですわよ二人とも!」
「「え~」」
千代とメアリーは嫌そうな声を出す。
「え~ではありません! 行きますわよ二人とも!」
「「助けて、優 (さん)!」」
二人は会長に連れてかれた。
「………仕方ない」
私は携帯を取り出し、文美さんに電話をした。
□□□
「良しどこもおかしくないな」
俺は今神宮寺さんの家の前にいる。
ちなみにここまでは、文美さんに送ってもらった。
「んじゃ行くか」
俺はインターフォンを押す。
「はい、どちら………」
メイドさんが固まった。
「どうも坂本雄一です。妹から、神宮寺さんの助っ人に向かってほしいと言われ来ました」
「しょ、しょ、しょ、少々お待ち下さい!?」
メイドさんはそう言うとインターフォンを切り、直ぐ玄関を開けてくれた。
「ど、どうぞ! お嬢様の部屋の場所は分かりますか!」
「いえこの前来たときは、入らなかったので知らないです」
「では案内します!」
メイドさんは何故か、俺の手をつかみ神宮寺さんの部屋へ向かった。
「だからここでXを使うんですわ!」
廊下を歩いていくと、神宮寺さんの声がしてきた。
どうやら数学をしているようだ。
「こ、こちらです!」
「案内して頂きありがとうございます」
俺が笑顔でそう言うと、メイドさんは顔を赤くして立ち去った。
「さてと入りますか」
俺は扉を叩く。
「何ですか!? 今忙しいですのよ!?」
「雄一です。助っ人に来ました」
「「「ゆ、ゆ、ゆ、雄一さん!?」」」
部屋で勉強をしていた三人は驚いたようだ。
直ぐに扉が開けられる。
「雄一さん。今日はどのような御用件で?」
「言った通りですよ神宮寺さん貴女の助っ人に来ました優から、聞いたんです神宮寺さんの家で勉強会をしてるって」
「「「優 (さん)グッジョブ!」」」
三人はめちゃくちゃ喜んでいた。
「えーと今は数学ですか?」
「はい! そうです雄一さん是非私からお願いします!」
「あっ! ずるいですよ千代さん! 雄一さん私から教えてほしいネ!」
二人は睨み合う。
「じゃんけんをしてください」
「「最初は、グー、ジャンケン!」」
□□□
「では雄一お願いネ!」
ち、近い。
じゃんけんの結果最初は、太刀川さんを教える事になった。
「「じ~」」
二人の視線が怖い。
「さてと何処が分からない?」
「全部ですネ!」
なるほどなら全部説明するか。
俺は因数分解を最初から丁寧に教えた。
「説明はこんな感じかな、じゃあ実際解いてみよう」
俺は持ってきた問題集を太刀川さんに渡す。
「了解ですヨ!」
□□□
「出来ましたね!」
「じゃあ確認するね」
俺は確認する。
「あれ?」
「雄一さんどうしたんですカ?」
「全部正解だよ」
「「「えっ!?」」」
太刀川さんだけでは無く聞いていた藤森さん、神宮寺さんから驚きの声が上がる。
「雄一さん見せてください」
神宮寺さんが、そう言ったので問題集を渡す。
「本当ですわ全部正解してる」
「えへへやっぱり雄一さんに、教えてもらったからネ!」
太刀川さんはどや顔をした。
「「イラッ!」」
「我慢してください勉強中です」
俺がそう言うと、藤森さんと神宮寺さんは渋々座った。
この後藤森さんにも丁寧に教えた所全問正解をした。
あれ? これもしかして俺が全教科教えれば、万事解決じゃね? と思い二人にテストの日まで全教科を教えた。
その結果二人は全ての教科で、90点以上を取った。
神宮寺さんからこれからも、二人の勉強を見てほしいと頼まれついでに自分も見てほしいと言われた。
俺が学年が違うから無理だと言ったらガチ泣きをしていた。
こうして期末テストは無事終了した。
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