↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安良子の表と裏-一族の繁栄と政治闘争、その陰で交錯する人々-  作者: 綿ダッコ
第2章〜順応したい〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/48

第10話 結果発表

 答案を見ていた舞子は、一向に喋りだそうとしない。


 冷や汗がさっきから止まらない。


 貧血でも起こすんじゃないかと思うぐらいには、出ている。 


 正直、「当意即妙」の「即」が出来ていたかと言われれば、微妙な時間だったと思う。


 けど、安良子さんから教わったのを元に、どうにか書き切れた。


 名前と理由が思いついたのは、未来人の特権かもしれない。


 それでもあかんのか…………?


「…………なるほど、よく出来ているわ。清見女房、どう思う?」


 清見女房が、書いた紙を受け取った。


 なんか、本物の歴史人物に自分の漢詩を見られるという、不思議な体験をしている。


「…………さっきから思っていますが、本当にあなたが考えたのですよね?」


「はい、ご子息様に合ったものを考えました」


 とは言っても、未来を知っているだけなんですけどね…………。


「…………字の綺麗さがあまりよろしくないかと」


「字の綺麗さなんて、後からどうにでもなるわよ。それよりも才能について、聞かせてほしいわ」


「…………単刀直入に申し上げますと、発想は明らかに町人の出を逸脱しております」


「私もそう思うわ。武術に関しては私も分からないけれど、漢文に関しては十分な出来栄えよ」


 舞子は、お腹をさすりながら何かを書いていた。


「そうねぇ…………、ただの門番にするには勿体ないわ」


 しばらく、沈黙が続いた。


 冷や汗が、額からだけじゃなく、全身から噴き出す。


「よし、私の私的な侍司にしましょう」


 腰が抜けそうになった。


 それぐらいのことだった。


「顔も悪くないしね」


 顔採用とかあんの…………?


 いや、漢文が良くて採用は分かるよ?未来を知ってるだけやけどさ。


 でも、顔採用をつけ足します…………?


「ま、舞子様、漢文が良かったから採用されたのですよね…………?」


 ありがとう、清見女房……さん。


 そこは俺も知りたい。


「当たり前じゃない。けれど、門番にするだけじゃあ勿体ない顔なのは本当だと思うわよ?」


 うーん…………、なんか複雑…………。


「安良子と雅道之助以外は、持ち場か部屋に戻ること。酉の刻(とりのこく)には戻ってきてね」


 その場にいた全員が頭を下げた。


 俺と安良子さん以外の人達は全員、部屋を出ていく。


「やっぱり安良子のことを信用して良かったわ」


「ありがたきお言葉でございます」


「あっ、そうそう、安良子に見てもらった漢詩も一馬帝天からすぐにお返事が来たわ。とても褒められていたわ。ありがとう、安良子」


「お役に立てて何よりでございます」


 舞子は終始、笑顔だった。


挿絵(By みてみん)


 その笑顔のまま、舞子は俺の方を見た。


 その顔はどこか、部活の先輩に似ている気がした。


「雅道之助、あなたの部屋は安良子の隣よ。詳しいことは酉の刻に言うから、あなたたちも戻りなさい」


 俺たちは、頭を下げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。