うるう年の誕生日(お題:2月29日/著者:ゆりいか)
西暦が4の倍数の時はうるう年と言う。日本を含めて太陽暦を採用している国では、2月29日がうるう年というやつだ。
暦というのは文化圏によって違うけれど、総じて多少の誤差というものが生じてしまう。常に1年が365日ではないということなので、1日余分に増やす年を作ることで調整している感じだ。2015年にはうるう秒と言って、1秒多くカウントしたこともある。
私は2000年生まれの2月29日が誕生日。ようするに、4年に1度の確率の日に生まれた、ちょっと珍しい女の子というやつだ。だが、これといって、私に特徴があるわけではない。
「誕生日って28日なの? 1日なの? それとも、4年経たないと年取らないの?」
「一応、3月1日ってことになってるけど」
毎回この質問を誕生日近くになったら聞かれるのでウンザリしてしまう。珍しいのはわかるけど。
誕生日を聞いてきたからと言って、本当に誕生日を祝ってくれるのかは半々だったりする。親しい人じゃない限り、あっさり他人の誕生日なんて覚えちゃいないもんだし。
3月1日の誕生日まで、あと1日なわけだけど。この28日と1日の間が私の誕生日と言えるのかどうか、なんとも言えない虚数空間がなされていて……私の誕生日とはいったいなんなのかと、毎年のごとく悩んでしまう。
「うるう年ってホントなんなんだよ……オリンピック以外にいいことあるの?」
なんで、こんな中途半端な日に生まれちゃったんだろうなぁと思わなくもない。生まれちゃったんだから仕方がない。
「ほんとニクいねぇ。ニクい誕生日だよ」
適当にダジャレを言ってみたけど、別に自分の誕生日を恨んでいるわけではないよ。ただ、中途半端だなって。
特殊な誕生日に生まれたのに、無個性で特徴のない私には力不足な記念日だなと思ってしまう。
「平凡な私だから、この歳に生まれたんだろう」
そうやって、自分には特徴がないから、うるう年生まれが特徴なんだと飲み込むことで毎年過ごすことにしてた。
中途半端というか、なーなーで生きている私にとって、この幻の29日はカオス空間なのだろう。というか、そうやって何も考えずにいまを生きているのが、誕生日的に向いているんだと、私は改めて思った。




