418-積雪の惑星
前回までのあらすじ。
霧の惑星に入る。
敵と交戦する。
敵と霧が消えたと思ったら青空が生まれて、閉じ込められた。
以上だ。
さて、どうするか..................。
「内部探査以外の道はないんだけど」
「既に計画は始まっています、今は入り口の調査中ですね」
「そう....」
ここは、怖い。
何かは分からないが、俺は怖く感じている。
それはオリオンの中に居ても変わらない。
暗闇に目があると錯覚するような、幼少期の感覚を思わせる恐怖がここにいると感じられた。
「外に出て、雪を見てきたぜ」
「ナスカ」
「ありゃ、雪じゃねえ。何かは分からねえが....吸い込んでいいものではないみたいだぜ」
「じゃあ、どっちにしろ宇宙服は必須か」
「ああ、ここには酸素があるらしいが、それがある限りは危険だろうな」
そして。
この惑星は、酸素で満たされていた。
辻褄が合わない。
呼吸の不要な種族にとっては、酸素は不必要な毒ガス同然の気体のはずで、魔法のような事が出来るならそんなものを惑星全体に満たす理由がない。
毒性のある酸素ではなく、ピッタリ俺たちの「人類」に合わせた酸素濃度を維持。
何の需要がある?
「ほんっとに、不気味な文明だなあ」
「全くだ、何より空の色が気に入らねー」
「私の故郷だと青なんだけどなあ」
「多くは青ですね」
「アタシの故郷は灰色だったね、灰の日は気分がよかったさ」
色々な空がある。
だというのに青。
そこも怖いな。
「まあ、とにかく現状は何もする事がないって感じだね」
「いつ帰れるかは分かりませんが.....最悪ジャンプドライブで逃げ帰る事は可能です」
「そっか、太陽の相対座標を」
「はい、ただし重力圏を通過するため、未知の領域に放り出されてしまう可能性が高いですが.....ここで干からびるよりマシ、という程度です」
ここは最悪だ。
水素燃料の補給も出来ないし、食料の確保も出来ない。
微量の水素資源を確保できる外よりもっとひどい。
資源的にも、長居は出来ない。
「リリー様、やる事がないのなら内部の探査に加わってはどうでしょうか?」
「ペルソナらしくない事言うね、危険だし、私は素人だよ」
「....そうでした」
以前も言った通り、俺は危険を冒さない。
この身は最早俺一人だけのものではないからだ。
「やる事がないなら、作るまで。ペルソナ、たまには編み物でもしたいから、教えてくれる?」
「はい!」
「俺は!?」
「ナスカは.....”雪”の粒でも数えてれば?」
「.....そうするか........」
どこかへ行ってしまったナスカを尻目に、俺はペルソナが毛糸を取りに行くのをただ待つ。
その間、ブルーノがコーヒーを淹れる音が食堂に響く。
怖いのは俺だけで、皆は概ね平常に過ごしている。
きっと誰にも分かってもらえないのだろう。
俺の錯覚なのか。
本当の恐れなのか?
「分からない.......」
俺はここが怖いのか、それとも他の何かに恐れを抱いているのか。
解明すればわかる事だ、結果を待とう。
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