413-観測を阻む霧
「行ったね」
「ああ」
探検隊が母船を離れ、調査団と地上で輸送機に合流するのを、俺たちは見届ける。
俺たちは俺たちのやるべきことを行うため、探検隊と並行して惑星の観測調査を行う。
「ドローンは今どこ?」
「オリオンの上に滞空させてるぜ」
「よし、そのまま惑星へ」
戦闘用ドローンから武装を剥がして、重要なデータを引っこ抜いた上で各種センサーを動かしている、改造型偵察ドローンとも言うべきものを、俺たちは事前に用意してある。
サボランにも相談済みで、OKを貰っている。
ドローンは惑星へと近づいていく。
「変だね」
「ああ」
だが。
迎撃が来ない.....どころか、惑星の様子が近づくにつれておかしくなる。
こちら側からは惑星の表面が分かるのに、近づけば近づくほどドローン側のカメラは霧に包まれていく。
「観測機器に異常は見られません、特有の現象と見るべきでしょう」
さっきから観測情報に目を通し、黙って居たペルソナがそう言った。
だが、これでは困るな......
「あんまり視界不良になると、ドローンが自動帰還モードに入るぞ」
「困った」
「一応コマンドを送っているのですが、ドローンに届いていないようです」
「あー、自動帰還に入った」
霧が濃くなりすぎたせいで、ドローンが戻ってきてしまう。
気になるが、オリオン単騎で惑星内部に向かう訳にはいかない。
戻ってきたドローンは、オリオンの格納庫に収容される。
「一応、付着した成分などを分析して見ます」
「お願い」
とは言っても、それで何かが分かるという訳ではないんだろうな....
そう思っていた俺だったが、少なくとも複数の情報を入手する事は出来た。
「え? 霧だけじゃない?」
「はい、あの瞬間――――カメラが霧に包まれた時、赤外線、重力、光学、気圧などのあらゆるセンサーが一律でゼロの値を示し、機能しなくなりました」
「それって.....」
「無人探査は不可能です」
ドローンが戻ってこれたのは、自動帰還モードには自分の辿ったルートを逆順に戻る機能があるからで、もし重力で軌道がずれたり、風にあおられていたら戻ってこれなかった可能性もあるという。
俺はそれを聞いて、一抹の不安を覚える。
探検隊と共にあの惑星に行ったとして、戻って来れるのか? と。
....だが、ここでやめる訳にもいかない。
「どんな理由があれ、探検隊は嵐を超えて戻らないといけない。嵐を止める手段を見つけ、それから戻る....だから」
「リリー」
その時、ナスカが俺の方を見る。
.....ああ、そうだな。
「私が知りたい。他の誰の為じゃない、私がこの場所の真相を知りたいから、そんな不安は一度置いておく」
「ご慧眼です。どのみち嵐を超えなければならないのであれば、晴らした方が安心ですしね!」
俺は窓の傍に寄る。
探検・調査隊は既に出発しており、輸送機が直ぐ近くの柱のエントリーポイントに停止しているのが見えた。
後は彼らが何を持ち帰るかに期待だな。
そして、それによっては惑星を調査することになる。
サボランは嵐をそう何度も超えられない事を知っているから、機会を逃さないだろう。
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