411-白紙の惑星
「防護フィールドが解除されます」
「分かった」
ペルソナが言う。
迎撃を全滅させた後に、探査チームがハッキングに成功したらしい。
惑星を覆っていたフィールドが、少しずつ晴れていく。
「これは...」
「凄いですね、王国にも存在しますが...」
「へぇ、物語の中だけじゃなかったんだな――――惑星を金属で覆うなんて」
白く分厚いフィールドの切れ間から見えてきたものは、真っ白い地表だった。
とはいえ、それは雪のようなものが積もっているだけで、それが無い部分は真っ白い金属で覆われている。
不気味な光景だ。
元から白い金属なのか、後から白く塗ったのか。
後者だったら嫌だな。
労力とかではなく――――そうする理由が無いからだ。
「ただ.....」
ただ。
あそこにはまだ侵入できない。
何故なら。
「多数の迎撃が想定されるから、先に都市の調査が必須だね」
「はい」
船団を襲った飛行物体群。
幸いやられた船は無かったが、突き刺さって自爆した影響で大破した護衛艦は二隻。
機首部の槍のような部分は、分厚い装甲板を容易に突き破ったそうだ。
シールドがあのゼロ時砲撃によって破壊されていたので、侵入を許してしまったらしい。
「結局あのシールドがある限り、下手に手出しできないしね」
「破る条件は比較的容易なんですけどね....」
ビームを弾いていたあの防御手段。
連打で貫通できるのは分かったし、ミサイルの連続直撃でも破れるのは分かった。
戦闘に対策が必要な以上、複数の要素が絡む状況で戦闘になるのは避けたい。
「そういえば、分析はどう?」
「ガトリングライフルの口径はもう少し小さくても大丈夫そうです、スモーク・ディスチャージャーは今回の作戦ではあまり効果を発揮しませんでしたので、SAMラックに置き換えます」
「わかった」
口径が小さくなれば、弾も小さくなり、持てる弾倉も多くなる。
通常兵器の効果があると認められたなら、対艦用の大口径弾より対戦闘機/機動兵器用の中口径弾に切り替えた方がいいと判断したのだろう。
「それから、ブルーノ様の射撃データを基にナスカ様でも使える補正システムをご用意しました」
「わりーな、役立たずで」
「ナスカは上手くやってたと思うよ」
俺は笑ってそう言った。
この――――都市。
そう、都市だった。
この柱のようなもの全てが、住居の跡だった。
スペース・コロニーのような規模の、巨大な居住空間。
その名を.....コルゴ・オミシア。
ハッキングによって得られた情報データは、未だ解読中だ。
だからそれを読むことができる俺だけが、この都市の名を知っている。
「既に探査計画の立案が始まっています」
「だよね、私は行かないけど」
「もったいねえな、文字読めるのに」
「素人が現場に入って、良い事は何一つないからね....」
俺は今回、輸送任務で来ている。
仮に俺がそれらの文字を解読できたとして、危険な現場の探査に素人として加わるのは必要も無ければ、彼等に無駄なリソースを使わせてしまう事になる。
報酬の殆どが遺物の現物支給である以上は、座して待つ方が楽だ。
何にせよ戦いは一度終わった。
ゆっくり休もう。
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