410-対空地上戦
オリオンから飛び出したランドメイルは、大地を滑走していた。
脚に装着されたスキー板を思わせる反重力ユニットにより、微弱な引力を持つ大地の上を滑るように移動しているのだ。
「敵は...確認できるだけでも62、群体を構成していますね...ですが、生物的な熱源は確認されない...おまけに、不明な防御手段を保有している...ですか」
ペルソナは状況を口頭にて整理する。
そして、冷静に引き金を引いた。
ランドメイルの両腕に接続されたガトリングライフルが、格納された専用弾を吐き出す。
外は真空であるため音は響かないが、敵はそれに反応して軌道を逸らし、艦船を無視して数機が分離、ランドメイルへ向かってくる。
「対処を開始」
ランドメイルは唐突に静止する。
そして、脚のフロートボードが格納され、地に足をつける格好となった。
ガトリングライフルを再び掃射し、手前の一機を撃つ。
リリーとペルソナの推測通り、最初の数秒は何かに弾かれたものの、すぐに攻撃が通るようになった。
手前の一機を撃墜し、ペルソナはその奥のもう一機に対しても同じように対処する。
次の一機は手前の二機の末路を見てか、両翼から光を放った。
その光が何であるかはペルソナはわからなかったが、咄嗟に飛び退く。
直後、爆発が巻き起こる。
「軌跡を確認できませんでした。......即時着弾型の武装であると推測できますね、何にせよ警戒対象です」
実際には弾速が速すぎるだけなのだが、ペルソナは柔軟な思考で敵の攻撃手段をゲームになぞらえて推測する。
すぐにフロートボードを再装着し、ランドメイルの左肩に装着されたスモークディスチャージャーを起動する。
「とにかく、艦隊から剥がさないといけませんからね」
煙幕はただ視界を妨害する意図のものではない。
赤外線などの各種センサーを撹乱する機能を持っている。
煙幕の中から断続的な射撃を続け、敵が肉薄してくる瞬間にランドメイルは煙幕から脱する。
苦戦している事を知ってか知らずか、船団を襲っていた大多数がランドメイルを追ってくる。
「ここからが勝負ですね」
ランドメイルは右肩のグレネードランチャーを展開し、後退しながらそれを撃つ。
複数の爆発が榴弾によって引き起こされ、それによって損傷を負う編隊。
ランドメイル自体は後退しながら掃射を続け、船団から離れるようにして動く。
「この動きなら、リリー様は...」
ペルソナが判断した通り、オリオンは船団を離れてランドメイルを追ってくる。
更に艦橋部を下へ回転させ、主砲の射線を取れるようにしていた。
ランドメイルを追う敵、それを上から追うオリオンといった構図になり、オリオンが砲撃をランドメイルの少し後ろへ合わせてくる。
「ナスカ様の采配でしょうか」
砲手がブルーノに代わった事を知らないペルソナは、砲撃を「置く」撃ち方に感心する。
オリオンの砲撃は賑やかしにしかなっていないが、それでも一定の効果はある。
ビームが当たれば、敵は少し下に逸れる。
推進方法が不明ではあるものの、単純な速度の低下は発生する。
「ッ」
ランドメイルは弾倉を交換し、再びスモークディスチャージャーにより撹乱する。
だが今度は、敵の砲撃で煙幕が吹き飛ばされてしまった。
一気に高度を下げて襲って来る敵を、ランドメイルはクイックブーストと呼ばれる技術で回避する。
そこにシールドミサイルが飛んできて、ランドメイルと敵を分断する。
「いいアシストです、ナスカ様!」
壁を破ろうとする敵の真上に回り込み、グレネードを叩き込む。
それで二機を撃墜し、フロートユニットを起動したランドメイルは接地と同時に横移動し、地面近くに固まった敵を掃討していく。
「いい調子です。...それにしても、動きがやたらと生物的ですね...」
ランドメイルが撃ち、オリオンがそれを支援し、敵を追い詰める。
それを三度繰り返し、ようやく敵は全滅したのであった。
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