409-船団を守れ
戦闘が始まってからの沈黙を破るように、ペルソナが警告する。
「リリー様、変です」
「なにが?」
「砲撃がまるで効いてねえぞ」
「えっ?」
ナスカが続けて警告してくる。
すぐに映像が転送されてきた。
ビームが直撃したにも関わらず、傷ひとつない。
この距離とあの小ささに直撃させるペルソナも凄いが、この防御手段は...?
「攻撃続行、分析続けて」
「はい!」
「...いや、待って。墜ちてるのもいない?」
「...そうですね、確認しました。機影が少しずつ消えています、どこの攻撃か特定しますね」
レーダーを見ると、無数に映る機影の中で何機か消えているのが見えた。
だから俺はペルソナにそれを調べさせる。
そのついでに、敵を見る。
「なんだ、コレ...」
不鮮明な映像を処理すると、敵の全体像が詳らかになる。
全翼機のような形状に、先端に衝角...いや、槍? のようなものが付いたもの。
翼部分は黒く、それ以外は紫か、白...この空間の光に当たっているのかもしれない。
砲身のようなものは見当たらないが...
「特定しました、護衛艦のうちの一隻、パルスレーザー装備型です。同時に、撃墜を確認、パルスレーザーなどの連打攻撃に弱いようです」
「...じゃあ、ペルソナ」
「はい、ランドメイルで出撃します」
ペルソナが席を立つ。
俺はナスカの方を向く。
「おう、俺がバッチリサポートするぜ!」
「よろしく」
スカイメイルとランドメイルはセットで購入したが、あれに有効そうなガトリング砲を扱えるのはランドメイルだけだ。
もともと準備はしていたらしく、格納庫が開いている通知が俺のモニターに飛んで来た。
『ランドメイル、2式武装で出撃します!』
「了解、近接射程内クリア。発進せよ」
『発進します!』
オリオンの下部から、何かが飛び出していくのが見えた。
ここからでは見えないが、対面すれば巨躯に見えるんだろうな。
「こっちは何もできないけど...やる事はやろう。ナスカ、ペルソナ居ないから砲は預けるよ!」
「がってん! 収束して連打で叩き割るぜ!」
マルチロックがナスカによって解除され、単一の対象を追随するようになる。
光の束が敵へと追いすがり、そして逸れる。
やはり人間の操作では偏差撃ちは無理か。
「ナスカ、勘で撃ったほうがいいと思う」
「勘で撃ってるぜ?」
「......じゃあ、補正はオンにして」
違った、ノーコンなだけか。
考えてみればなんか戦闘機に乗ったりしているが、ちょっと前まで素人だった人間だ。
俺と同じように、高精度の戦闘はこなせないのだろう。
「待ちな、ブルーノを上げればいいさ!」
「シアラさん、どうして?」
「あいつは細かい操作が巧いんだ、この間自慢してた」
「...ありがとう」
俺はブルーノをブリッジに招集する。
彼はコーヒースタンドを持ったまま現れ、何も言わずにナスカの席を奪った。
途端に当たるようになる砲。
「ブルーノさん、ありがとうございます」
「いいって事よ」
「ナスカは...バックアップお願い」
「...おう!」
ナスカはドローン操作という役目もあるからな。
俺は舵を握りつつ、敵の集結しつつある群れから距離を取った。
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