408-迫りくる脅威
俺はブリッジに上がる。
と言っても、今日は日常ではなく、警戒シフトの中での勤務だが。
「ペルソナ、状況報告」
「はい、探検隊が都市の管理システム中枢への経路を開放、現在機材の搬入中です」
「ハッキングまでは何時間くらいかかる?」
「分かりませんが、まずはアクセス端子を探る所からでしょうね...5時間は必要かもしれません」
ついに、遺跡の管理中枢を発見したらしい探検隊は、調査隊と共にメインコンピューターのようなものへ攻撃を仕掛け、情報の奪取及び防護フィールドの解除を試みるそうだ。
だが、その際に遺跡の侵入者排除システムが作動、あるいは復活する可能性を想定して、俺たち戦闘可能な戦力は備えているというわけだ。
「探検隊から連絡です、接続端子を発見したそうですので、コレより接続作業を開始すると通達がありました」
「分かった」
俺はキーボードを叩きつつ、仮に戦闘が起きた場合の行動を戦闘コンピューターとコマンドライン上で直接ブリーフィングしていた。
ペルソナは独立したユニットなので、ペルソナと戦闘コンピューター両方の指示を得られればより多彩な行動が可能になる...というのが今の俺の考えだ。
まあこういうのは、学校にテロリストが...みたいな妄想の一環に付き合ってもらっているに過ぎない。
「端子ってどうやって作るんだろうね?」
「専用の制作ツールがあるはずですよ」
「そういう事か」
俺はマグカップを手に取り、お茶を啜る。
やはり、敵がいたとしてそれが何なのか分からない以上は、戦闘コンピューターも答えあぐねている。
想像を元に空論を重ねられるペルソナとは違い、戦闘コンピューターはひたすらに堅物だからな...
「探検隊がアクセスを開始しました、完了には約十...」
「ぐあっ!?」
「なっ!?」
ペルソナが言いかけた瞬間。
猛烈な嫌な予感が俺の背筋を走り抜けて、直後にナスカが叫んだ。
何だ、そう思う暇もなく、頭蓋の中を直接弄られるような激痛が襲った。
それは一瞬で収まり、俺の耳...いや、どこから聞こえる?
男、女。
子供、老人。
様々な呻き声が、あたり一面...いや、俺の脳の内側から響いてくる。
「ペル...ソナ...これ、ヤバ...」
「遺跡内部から無数の飛行物体を確認、迎撃態勢に移行します」
ペルソナの行動は早かった。
それなら、この声や激痛は生物にしか効果がないのか。
俺は急いで起き上がる。
ブリッジは赤色灯が点灯していて、コンソールはシミュレーションが強制終了して戦闘画面が表示されている。
俺はコンソールを操作して情報を得るために動き出す。
「なんだ、この数...」
「既に迎撃は始まっています、艦長、指示を!」
「...うん、ペルソナ! オリオンも攻撃を開始せよ」
「了解です」
オリオンが砲撃を開始する。
呻き声は未だ続いているが、気にしている暇はない。
窓の外を見れば、オリオンと同じ高度に位置している戦闘艦が弾幕を張っているのが見えた。
飛行物体は小さ過ぎて見えないが...遠距離攻撃手段を持っているようで、巡洋艦が被弾しているように見えた。
あまり長時間の戦闘は難しいか。
撤退か、継戦か...判断が難しい。
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