270-地下迷宮
「俺は、どうしてこんな所に......」
翌日、俺は迷っていた。
何故そんなことになったのかというと、シラルドが呼んでいると使用人から伝えられたため、帝城の地下へ向かったのだが.....突然扉が閉まってしまい、外部に連絡も出来なくなってしまった。
大体、何なんだここはと。
まあ、どこかに出口があるだろうと壁伝いに進んでいた所、迷ってしまった。
「(通信が遮断されているのは気になるな...)」
俺は携帯端末を見る。
通信が切れていて、どうにもならない。
よくよく考えれば、あの扉の近くで休んでいればよかった。
奥へと進んでしまった以上、後悔しても戻れないのだが。
この暗闇の中で敵に襲われたら終わりだな。
「寒い...」
今日の格好は薄手のワンピースだ。
インナーを着込んでいるとは言え、寒い。
地下は地上とは違って、寒々しく暗かった。
「何のための施設なんだろう」
俺は呟く。
仕方ないので地下へ地下へと降りていっているが、何も無い。
ただ壁が永遠に続いているだけだ。
壁の材質は不明だが、金属では無い。
携帯で光を当ててみたが、真っ白い壁が永遠と続いている。
まるで迷路だ。
「もう地下10階か」
だが、何も無い。
電波が繋がりやすいポイントを探しているが、やはり何もなかった。
携帯端末の予備バッテリーボックスに隠しておいた携帯食料で軽く栄養を補給し、俺は次の階へ降りる。
吸い寄せられるように。
「...何だこれ?」
そして、俺は行き止まりに辿り着く。
地下十六階、そこで道は無くなって、壁があった。
壁にはめ込まれるように存在していたそれは扉のように思えた。
だが、タッチパネルも何も付いていない。
ここで行き止まりなら、帰るしかないな...
『触れて』
「...文字?」
その時、一瞬だけ扉に文字が浮かんだ気がした。
触れる?
周囲には何も居ない。
何の文字だったかも分からない。
「触れるってこうか?」
俺は扉に手を伸ばし、指先で触れた。
直後、扉が光った。
「開く...!?」
扉自体がタッチパネル?
変わった仕組みだなと俺が思った時。
扉の全体に、意味不明な文字のようなものが浮かんだ。
そして、俺の体が引っ張られる。
...扉という壁の方へ。
「何だこれ...!?」
顔が扉に吸い込まれた瞬間、視界を光が塗りつぶした。
俺は思わず目を瞑る。
光が収まった瞬間、俺が目を開けると。
先ほどの暗い回廊とは全く異なる、明るい回廊があった。
それに、
「材質が違う...?」
壁や天井は金属のように思える。
全く継ぎ目がないが、この辺は別に王国なら当然だ。
...帝国では当然ではない技術だが。
歩くと、床は金属っぽくない音だ。
後ろを振り向くと、扉ではなく壁があった。
「...まあ、進むしかないだろうな」
電源が生きているなら、どこかから外部に連絡出来るかもしれない。
俺は足を前へと進める。
...帰国前に、変な事に巻き込まれなければいいが。
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