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顔面凶器の一般兵、死に際の美青年騎士団長に弟と指名され王国最強へ強制成り上がり!  作者: マサッチ
第1章 絶望の転生・顔面凶器の産声編

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1-5 最強騎士団長(仮)、恐怖で王都を制圧する

いつも応援ありがとうございます!

いよいよ第1章の完結となる第5話です。


前回、美剣士にお迎えされてしまったバルド。

向かった先は、もちろんプライド高きエリート美形騎士たちが集う

「王国最強の騎士団」の本部でした。


スラム出身の一般兵、しかも最凶の顔面を持つ男がトップに立つなど、

当然彼らが認めるはずもありません。

大ブーイングと殺気の嵐の中で絶体絶命のピンチに陥ったバルドですが……

彼が恐怖のあまり「無意識」に起こしたある行動が、

エリート騎士たちを震え上がらせる最大の勘違いを生むことになります。


不本意すぎる最凶伝説が王都で確固たるものになってしまう第1章完結編。

どうぞお楽しみください!

「お迎えに上がりました、新たなる主君」


目の前で片膝をつく、白銀の鎧を纏った絶世の美剣士。

その美しい顔は微かに紅潮し、俺(瀬戸蓮)の「殺戮の悦びを隠しきれない(ように見える)顔面」をうっとりと見つめている。


「……あの、人違いじゃないですかね。

 俺、ただの泥にまみれた一般兵なんですけど」


俺は引きつった顔で後ずさった。

ただでさえ三白眼で傷だらけの怖い顔が、恐怖と引きつりによって「今すぐお前を八つ裂きにするぞ」という凶悪な笑みに変換されていることなど、俺自身は知る由もない。


「ふふっ……ご謙遜を。

 亡きアルベルト前団長から直々に遺言を預かっております。

 私は王宮近衛騎士団・副団長のルシアン。

 あなたのその『底知れぬ深淵の闇』……ゾクゾクしますね。

 さあ、共に王都へ参りましょう」


有無を言わさぬ圧で腕を掴まれ、

俺はそのままズルズルと王都行きの馬車に押し込まれてしまった。


道中、馬車から飛び降りて逃げようと何度も試みたが、

その度にルシアンが「なんと! 走行中の馬車から飛び降りて足腰を鍛錬されるとは。並の狂気ではありませんね!」とキラキラした目で感銘を受けてしまうため、

結局逃げるタイミングを完全に失ってしまった。


——そして数日後。王都、騎士団本部・大広間。


大理石でできた荘厳な広間に、王国が誇る数百人のエリート美形騎士たちが整列していた。

その最前列、一段高い壇上に引きずり出された俺は、全身の毛穴から冷や汗を吹き出しながらガタガタと震えていた。


『……ふざけるなッ!』


広間の静寂を破り、最前列にいた金髪の古参騎士が剣の柄に手をかけて怒鳴り声を上げた。


『太陽と称されたアルベルト団長の後継者が、よりにもよってこのような……

 スラムのならず者よりも酷い、血の匂いに塗れた化け物だと言うのか!

 私は絶対に認めんぞ!』


『そうだ! 王国最強の威信に関わる!』


『今すぐその汚い顔をここから消せ!』


次々と上がる怒号と殺気。


ほら見ろ! 言わんこっちゃない!

プライドの高い美形エリートたちが、こんな顔面凶器の一般兵をトップとして認めるわけがないのだ。

絶対にここで切り刻まれて死ぬ。

俺の平穏な第二の人生、終了のお知らせである。


「あ、あの……俺もそう思います。辞退させていただき……ひっ!?」


あまりの恐怖に足がもつれ、俺は壇上から転げ落ちそうになった。

咄嗟に踏み止まろうと、重厚な軍靴で大理石の床を思い切り踏みしめた——


その瞬間。


バキィィィィィンッ!!


戦場を生き抜くために無意識に強化されていた身体能力と、

重い軍靴の硬さが最悪の噛み合い方を見せ、大理石の床が蜘蛛の巣状にド派手に砕け散ったのだ。


「「「…………ッ!?」」」


広間が、水を打ったように静まり返った。

足元に広がるクレーターのような惨状。

そして、その中心で「やばい、弁償とか無理だぞ」と顔面を青ざめさせ、

絶望のあまり虚空を睨みつける三白眼の男。


その姿は、彼らの目にどう映ったか。


『言葉など不要。我の力に平伏せよ——』という、絶対的強者による無言の圧倒的な威圧である。


「ひぃっ……!」


先ほどまで威勢よく怒鳴っていた金髪の古参騎士が、そのあまりの凶悪なプレッシャーに耐えきれず、顔面を蒼白にしてその場に崩れ落ちた。


「お、お分かりいただけたでしょうか?」


ルシアンが冷や汗を拭いながら、しかしどこか誇らしげに前に出た。


「我が新たなる主君は、言葉よりも『力』で語る御方。

 ……先ほどの暴言、これ以上続くようであれば、

 次に砕け散るのはこの床ではなく、貴殿らの頭蓋骨かと」


「ち、ちが……!」


俺が否定しようと一歩前に出た瞬間、数百人のエリート騎士たちが「命だけは!」と言わんばかりに、一斉にガシャァァン!と甲冑の音を響かせ、一糸乱れぬ動作で片膝をついて深く頭を垂れた。

それは、騎士が主君に対してのみ行う絶対の臣下の礼(最敬礼)だった。


『……我ら一同、バルド団長に絶対の忠誠を誓います……ッ!!』


彼らの震える声が広間に木霊する。

ルシアンが満足げに微笑み、俺の背中にそっと手を添えた。


かくして。

戦場でひっそり生き延びたかっただけの俺は、王国最強にして最もプライドの高いエリート騎士団を、「ただ大理石をうっかり踏み抜いた」という武力と顔面の恐怖だけで完全制圧してしまったのである。


神様、どうしてこうなったんですか。

俺の、俺の平穏なスローライフはどこにいったああああああッ!!



(第1章:絶望の転生・顔面凶器の産声編 完)

第1章完結!エリート騎士団を顔面と勘違いで完全制圧!?


いつも応援ありがとうございます!

本日、第1章の完結編となる第5話を更新いたしました。


逃げ出したい一心だったバルドですが、ルシアンの華麗な勘違いアシストと、

うっかり発動した床砕きにより、最強騎士団を「恐怖」で従えてしまうという

最悪(最高?)のデビューを飾ってしまいました。


ここから先は第2章!

彼がいかにして「最凶の団長」としてのプレッシャーに耐えながら、

ボロを出さずに(出てる気もしますが)王都の陰謀に巻き込まれていくのか。

さらなる個性豊かな騎士たちも続々登場予定です!


第1章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

引き続き、バルドの胃痛が加速する第2章もよろしくお願いいたします!

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