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顔面凶器の一般兵、死に際の美青年騎士団長に弟と指名され王国最強へ強制成り上がり!  作者: マサッチ
第6章 魔王軍の右腕編~不審者(刺客)の襲来と元PMの緊急インシデント対応~

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6 - 1 魔王クラウスの苛立ちと「挨拶」の命令

新章「魔王軍の右腕編」開幕です!


魔物たちの集落が「ホワイト化&劇的な生産性向上」を果たした報告は、ついに魔王城のトップにも届くことに。

前世のバルドと同じ顔を持つ超絶美男子・魔王クラウスと、その右腕である凄腕将軍ヴァルガ・ザルツがいよいよ登場します!

現場のカイゼンが、魔王軍トップにどう受け取られてしまったのか……!?


ぜひお楽しみください!


魔王城、最奥に位置する謁見の間。


黒磁の玉座に深く腰を下ろし、一通の報告書を眺めていた男は、不機嫌そうに美しい眉をひそめた。


魔王、クラウス・ヴァルハイト。


流れるような銀髪に、吸い込まれそうな紫紺の瞳。神が作り上げた最高の芸術品のごとき超絶美貌の持ち主であり、かつ圧倒的な魔力で魔族の頂点に君臨する男である。


「……何だ、この報告書は」


クラウスの低く甘い声が、冷ややかな謁見の間に響く。

彼の手にあるのは、辺境の魔物(ゴブリン・オーク)集落から届いた定期報告書だった。


『WBS導入による工程遅延の完全解消』

『交代制(シフト制)および味噌汁給食による傷病率の大幅低下』

『生産性以前の三百パーセントを達成。近々、王国への味噌および一次産品の定期デプロイを開始』


「工程管理……? 味噌デプロイ……? 奴らは我が魔王軍の尖兵たる凶暴な魔物のはずだ。なぜ人間どものような『事業報告書』を寄越してくる?」


クラウスは苛立ちを隠さずに報告書を叩きつけた。

魔族の価値観とは「力と恐怖」である。

掠奪と破壊を繰り広げているはずの末端組織が、いつの間にか「健全経営の優良企業」のようなホワイト化を遂げているなど、狂気の沙汰としか思えなかった。


「報告によれば、人間どもの騎士団に属する『バルド』とかいう男が、一切の血を流さず集落を掌握したとのこと……」


玉座の脇に控えていた巨漢が、重々しく口を開いた。


魔王軍最強の一角と称され、クラウスの右腕として数々の戦場を灰燼に帰してきた将軍——ヴァルガ・ザルツである。


全身を漆黒の重鎧で包み、背には巨大な大剣を背負ったヴァルガは、冷酷な眼光を走らせた。


「無血での掌握……。恐らくは高度な精神汚染、あるいは恐るべき呪詛の類いを用いて、魔物どもの精神を折り、奴隷として労働させているのでしょう」


「……フン、下らん。我が領地で勝手な真似をされては不愉快だ」


クラウスは頬杖をつき、冷徹な笑みを浮かべた。


「ヴァルガ。お前が直々に『挨拶』に行ってこい。そのバルドとかいう人間の男のツラを拝み、我が軍の力を少し見せつけてやれ。……調子に乗った羽虫を叩き潰すのになんの遠慮も要らん」


「御意、クラウス様。我が大剣にて、その不遜な人間の首を屠ってまいります」


ヴァルガは深く胸に手を当て、深く頭を下げた。


♢


魔王軍最強の右腕が動き出したことを、バルドはまだ知らない。

ただの「現場カイゼン」と「コンディション管理」の成果が、魔王城の最高幹部を呼び寄せる大インシデントへと発展しようとしていた。


お読みいただきありがとうございました!


ついに魔王クラウスと右腕のヴァルガが動きました!

現場のホワイト化と味噌汁を「恐ろしい精神汚染と強制労働」と解釈されてしまう悲しきすれ違い……(笑)。


次回、魔王軍最強の将軍ヴァルガが、バルドの守る魔物集落へと降り立ちます!

不審者の接近に気づいたバルドの緊急インシデント対応とは!?


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