5-6 最強の一次産業拠点(業務改善コンプリート)
いつも温かい応援、本当にありがとうございます!
第5章の第6話をお届けします!
WBSによる工程管理と味噌汁による栄養改善により、劇的な復活を遂げた魔物たちの集落。
今回はついに「魔物国家の業務改善プロジェクト」が完了を迎えます!
現場の劇的な変化に満足し、胃痛から解放されたバルドでしたが……仲間たちによる「成果報告」によって、またしても恐ろしい勘違いが爆発することに!?
第5章の締めくくりとなるエピソード6、ぜひお楽しみください!
WBSの導入と
「味噌」の配給から数週間。
無計画な工事と怒号が飛び交っていた魔物たちの集落は、劇的な変貌を遂げていた。
「第一班、資材調達完了! 予定通り10時に作業着手するぞ!」
「第二班、整地完了! 検品を要請する!」
規律正しく声が行き交い、整然と区画整理された美しい木造建築が立ち並んでいる。
無理な徹夜作業は完全に廃止され、適切な交代制
(シフト制)
が導入されたことで、魔物たちの表情には健康的な活気があふれていた。
休憩スペースでは、オークとゴブリンたちが笑顔で温かい味噌汁をすすり、体力を回復させている。
(……完璧だ)
集落を見下ろす高台で、バルドはそっと胃のあたりを撫で下ろしながら呟いた。
(工程管理の徹底と、コンディション管理の最適化。これによって手戻りはゼロになり、生産性は以前の三倍以上に跳ね上がった。まさに理想的な一次産業拠点だな)
「バルド様ぁぁっ!」
村長のゴルダが、感動に涙を濡らしながら駆け寄ってきた。
「おかげさまで、第一期工事が予定期日通りに完了いたしました! さらに大豆の栽培と味噌の量産体制も整いました! これもすべて、バルド様の神のごときご指導のおかげでございます!」
「うむ。よくやった、ゴルダ」
バルドは重厚に頷いた。
(これでフェルグランツ王国の補給ルートは完璧に確保できた。美男子魔王との遭遇リスクを避けつつ、王国の安全保障にも貢献できたわけだ。我ながら完璧なリスク管理だな)
胃の痛みが引き、久々に晴れやかな気持ちになるバルド。
しかし、隣に立つマヤとジークの会話が耳に入ってきた。
「信じられないわ……一切の血を流さずに、あの凶暴な魔物国家を完全に服属させて、王国の『一大供給拠点』に作り替えてしまうなんて……」
「マジっすね! バルド先輩の精神威圧と超絶マインドコントロールスキル、マジでラスボス級っすよ! 王国に報告したら大騒ぎになるっすね!」
(……ん? 服属? マインドコントロール……?)
バルドの顔色がサッと青ざめた。
(待て。俺はただ、現場の工程表を書いて、味噌汁を配っただけなんだが……!?)
「さっそく王都へ報告書を魔法で送っておいたわ! 『バルド隊長、血を流すことなく魔物国家を完全征服し、我が国の属国化に成功』ってね!」
(やめろぉぉぉぉっ!! なんでそう極端な成果報告になるんだ!!)
またしても発生した凄まじい風評被害に、バルドの腹の奥で、再び激痛が走るのだった。
こうして、バルドによる
「魔物国家の業務改善プロジェクト」
は、王国の歴史に刻まれる大勝利
(大勘違い)
と共に幕を閉じたのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
これにて「第5章:魔物国家編」が完結となります!
ただ現場の業務改善と食生活改善(味噌デプロイ)を行っただけのバルドでしたが、王国側からは「血を流さずに魔物国家を完全征服した伝説の英雄」として扱われることになってしまいました(笑)。
次回からは新章がスタートいたします!
王都での評価がさらに跳ね上がり、胃痛が加速するバルドの奮闘にぜひご期待ください!
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