5-5 コンディション管理と味噌デプロイ
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第5章の第5話をお届けします!
WBSとガントチャートを導入し、デスマーチ状態だった建設現場の交通整理に成功したバルド。
しかし、現場のパフォーマンスを真に引き上げるためには、作業員の「コンディション管理」が不可欠です。
過労と劣悪な栄養状態に喘ぐ魔物たちを救うため、バルドが次に着手したのは――まさかの「食生活改善と味噌の導入」でした!
元PMの現場マネジメントが光る第5話、ぜひお楽しみください!
WBSの導入により、建設現場の手戻りは激減した。
だが、バルドの胃痛が消え去ることはなかった。
「ハァ……ハァ……。資材……運ぶ……」
「目が……霞んで……力が入らねぇ……」
現場のオークやゴブリンたちは、相変わらず虚ろな目でフラフラと作業を行っていた。
タスクが整理されたとはいえ、これまでの連続勤務と劣悪な食事による「疲弊」が限界に達していたのだ。
(……業務プロセスを最適化しても、実行リソース(人間)のパフォーマンスが落ちていてはプロジェクトは完遂できない。リソースのコンディション管理もまた、PMの重大な責務だ)
バルドは固く腹を押さえ、村長のゴルダを呼び寄せた。
「ゴルダ。作業員たちの食生活はどうなっている」
「へ、へい……。日頃は干し肉の端切れと、雑草を煮込んだ汁物に塩を振っただけのものを……」
(タンパク質もビタミンも無ければ、塩分と塩分の過剰摂取で腎臓が壊れるレベルだな……)
バルd……いや、元営業PMとしての血が騒ぐ。
現場の健康状態を怠った現場がどうなるか、前世で嫌というほど見てきたのだ。
「マヤ、ジーク。以前王宮倉庫から回収した『大豆』と『塩』、そして『麹菌』のストックを出せ」
「えっ? あの謎の豆? 何に使うのよ?」
「へへっ、まさか料理大会っすか!?」
バルドは黙って腕を組み、三白眼を厳しく光らせた。
「これより、現場の栄養状態改善およびパフォーマンス向上のため、高たんぱくかつ整腸作用に優れた万能発酵調味料——『味噌』の配給とデプロイ(配備)を行う」
バルドの指示のもと、マヤの生活魔法(時間経過・温度調整)をフル活用し、熟成させた味噌を大鍋の湯に溶かし込んでいく。
そこへ、集落の周辺で採れた可食用の野草や大豆の絞りカス、干し肉をふんだんに投入した。
香ばしい、濃厚な味噌汁の香りが集落全体に漂い始める。
「な、なんだこの香りは……! 腹の底から力が湧いてくるような……!」
「全員、一列に並べ。一人一杯ずつだ」
鬼の面をしたバルドから温かい味噌汁を受け取ったオークたちは、恐る恐るそれを口に含んだ。
「——っ!? う、うまぁぁぁぁいっ!!」
「体が……温かい! 腹の奥から元気が湧き出てくるぞぉぉっ!」
発酵食品による腸内環境の改善、そしてバランスの取れた栄養と十分な塩分。
干からびていた魔物たちの肌にハリが戻り、落ち窪んでいた目に力強い光が宿っていく。
「バルドさん……すごいです! 作業効率の低下原因が『栄養不足』にあると見抜いて、的確なソリューションを提示するなんて……!」
「へへっ、体力が一気に全回復する最高バフアイテムっすね!」
歓声に包まれる現場を見つめながら、バルドはそっと自分の腹を撫で下ろした。
(よし……これでリソースのパフォーマンスは劇的に改善するはずだ。胃の痛みが少し引いてきたな……)
自分を刺殺した犯人の顔を持つ「救世主」に、魔物たちは涙を流して深く平伏するのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
第5章のエピソード5でした!
作業効率化の次は、作業員のコンディション管理(食生活改善)に着手したバルド。
大豆から作られた「味噌」のデプロイにより、魔物たちの作業パフォーマンスは爆発的に向上しました(笑)。
次回、万全の態勢となった魔物国家で、ついに「一次産業の爆速改善」が完了します!
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