↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
顔面凶器の一般兵、死に際の美青年騎士団長に弟と指名され王国最強へ強制成り上がり!  作者: マサッチ
第5章 魔物国家(ゴブリン・オーク)編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/33

5-4 現場監督の招集(WBSの導入)

いつも温かい応援、本当にありがとうございます!


第5章の第4話をお届けします!

魔物たちの集落で繰り広げられていた惨憺たる「デスマーチ現場」。

前世の記憶と激しい胃痛を刺激されたバルドが、ついに現場改善の第一歩として「責任者」を呼び出します。


現れたのは、過労で今にも倒れそうなオークの村長。

元営業PMの管理術が、魔物たちの労働環境をどう変えていくのかご期待ください!


「ひ、ひえぇぇ……っ! お許しくだせえ、お代官様ぁぁっ!」


バルドの「責任者は誰だ」という怒号に引きずり出されてきたのは、巨大な体躯を極限まで丸めた、老齢のオークだった。

目の下には凄まじい隈が刻まれ、膝はガクガクと震えている。


「あ、私が……この集落を取り仕切る村長のゴルダでごぜーます……っ。魔王様からの相次ぐ改修指示に対応できず、お目汚しを……っ!」


村長はバルドの凄惨な傷跡と鋭い三白眼を見上げるなり、失禁寸前で地面に額をこすりつけた。


(……なんだ、この疲弊しきった顔は。完全に限界を迎えているじゃないか)


バルドは腹の奥の激痛に耐えながら、大きく溜め息をついた。


(責めるべきは、現場で必死に汗を流すこの男ではない。無計画な仕様変更を上から押し付け、適切なリソース管理も行わない上層部だ……!)


「頭を上げろ、ゴルダ」


バルドは意識して声を抑え、低く静かな声で告げた。


「責めに来たわけではない。今の作業工程を整理し、無駄な手戻りをなくすために来た」


「……へ? 作業の……整理……?」


ポカンとするゴルダと魔物たちをよそに、バルドは近くの平らな岩壁へと歩み寄った。

そして、腰の小刀を抜くと、岩肌へガリガリと勢いよく線を刻み始めた。

縦と横の直線。

そこに細かく書き込まれていく項目。


「マヤ、魔法でこの表を複製し、現場の班長全員に配れ」


「えっ……? うん、分かったわ!」


マヤが魔法で岩壁の文字を写し取り、羊皮紙へ転写していく。

「ジーク、お前は現場の資材在庫をすべてカウントしろ。余剰分と不足分を明確にする」


「了解っす、バルd……先輩! 要するにインベントリのチェックっすね!」


バルドは出来上がった表——WBS(作業分解構成案)と簡易的なガントチャートを指差し、村長ゴルダに向き直った。


「ゴルダ、いいか。まず全体タスクを『整地』『資材調達』『建築』『検品』の四つの工程に分解しろ。前の工程が完了するまで、次の作業に着手することは禁止だ」


「た、作業の分解……!? 前の工程が終わるまで次をやらない……!?」


「そうだ。上からの仕様変更が入った場合も、私を通せ。現場へダイレクトに指示を落とすことは金蜜……いや、厳禁とする」


村長ゴルダは、手渡された羊皮紙を震える手でじっと見つめた。

今まで「とにかく作れ」「やっぱり壊して直せ」と闇雲に命令され、混乱を極めていた現場。

それが、たった一枚の表によって、いつ・誰が・何をすべきか完璧に視覚化されていたのだ。


「こ、これは……なんという神の書……! これなら、何をすればいいのか一目でわかる……っ!」


ゴルダの目から、ボロボロと大きな涙が溢れ出した。


「神様……! あなた様は、俺たちを見捨てなかった救世主様だぁぁっ!!」


「「「救世主様だぁぁぁっ!!」」」


集落中に、オークとゴブリンたちの歓喜の叫びが響き渡った。

当のバルドは、再び襲ってきた胃の激痛に耐えながら、静かに目を閉じていた。


(ふぅ……これで少しは現場のバグと手戻りが減るはずだ。次は……労働者のスタミナ回復と、衛生環境の改善(味噌の導入)だな)


こうして、バルドによる魔物国家の業務改善プロジェクトが、本格的に動き出したのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


第5章のエピソード4でした!

無計画なデスマーチに苦しむ魔物たちへ、WBSとガントチャートを授けたバルド。

現場の混乱を交通整理したことで、一気に「救世主」として崇められることになりました(笑)。


次回は、作業効率を跳ね上げるための「食生活改善(味噌の導入)」へと着手します!


面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ぜひブックマーク登録やページ下部の評価(★★★★★)をいただけますと大変励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。