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顔面凶器の一般兵、死に際の美青年騎士団長に弟と指名され王国最強へ強制成り上がり!  作者: マサッチ
第5章 魔物国家(ゴブリン・オーク)編

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5-2 顔面凶器VS魔物たち(一瞬の平定)

いつも温かい応援、本当にありがとうございます!


第5章の第2話をお届けします!

美男子魔王(前世の自分の顔)との遭遇と、それに伴う最悪の風評被害を避けるため、リスクヘッジとして魔物国家の現地調査へ向かったバルドたち。

しかし、足を踏み入れた先で待ち受けていたのは、血生臭い気配を漂わせるオークやゴブリンの群れでした。

言葉すら通じるか怪しい凶暴な魔物たちを前に、バルドの「顔面凶器」が真価を発揮(?)します!


フェルグランツ王国と魔物国家の境に位置する、不気味な暗雲が立ち込める山岳地帯。

ゴツゴツとした岩肌が続く険しい山道を、バルド、ジーク、マヤの三人は進んでいた。


「ヒエッ……気味が悪い場所ね。空気が重くて、魔法の巡りも最悪だわ」


マヤが分厚い眼鏡の位置を直しながら、腕をさする。


「へへっ、いつでもいけるっすよ! 雑魚モンスターが何匹出ようが、俺のスキルで一瞬で蹴散らしてやるっす!」


ジークは大剣の柄に手をかけ、ゲーマー特有の軽いノリで周囲を警戒していた。


(……頼むから、無駄な戦闘を起こして大事にするなよ?)


バルドは胃のあたりを軽く撫でながら、三白眼を厳しく光らせた。

今のバルドの目的は、あくまで事前調査とリスク管理だ。

自分を刺殺した殺人犯の凶悪な顔で魔物と大立ち回りを演じ、余計な噂が立つのは避けたい。


その時だった。


「グガアァァァッ!!」

「ウギャギャギャッ!!」


突如として、背の高い岩陰から地響きと共に巨大な影が飛び出してきた。

身の丈二メートルを超える筋骨隆々のオーク数頭と、下品な笑みを浮かべたゴブリンの群れ――総勢三十匹以上の魔物たちが、武器を振り上げて襲いかかってきたのだ。


「で、出たっす! レベル上げの雑魚狩りタイムっすね!」


「ちょっとジーク、前衛のタスク分担はどうなってんのよ!」


ジークとマヤが臨戦態勢をとろうとした、その瞬間。


「——静かにしろ」


地底から響くような、重く低い声が木霊した。

声を発したのは、一行の先頭に立つバルドだった。

バルドは襲いかかってくる魔物たちの群れに対し、心底うんざりした表情で振り返った。


連日の胃痛、前世の自分


(イケメン魔王)


に対する激しい理不尽さ、そして無計画に襲いかかってくる魔物へのイラ立ち。

それらの感情が混ざり合い、彼の顔面はヤクザも泡を吹いて倒れるレベルの鬼の面へと変貌していた。

凶悪すぎる三白眼が魔物たちを射抜き、頬の凄惨な傷跡が怒りでピクピクと跳ねる。

元営業PMとして培った、修羅場をくぐり抜けた者だけが纏う


「圧倒的な圧迫感」


が、無意識のうちに全開で放出されていた。


「グ……ガ……?」


先頭を走っていた巨大なオークが、ピタリと足を止めた。

棍棒を振り上げた姿勢のまま、全身の毛穴から冷や汗が吹き出す。


(な……なんだ……この男は……!?)


魔物たちの本能が、激しい警鐘を鳴らし狂っていた。

そこに立っていたのは、人間ではない。

自分たちの主である魔王など比較にならないほど恐ろしい、殺戮と死を司る真の悪魔の姿だったのだ。


「ヒッ……ヒギャァァァッ!?」


小柄なゴブリンの一匹が、バルドと目が合った瞬間に失禁し、その場にへたり込んだ。


「グガッ……グガァァッ!!」

(申し訳ありませんでしたぁぁっ!!)


巨大なオークのリーダーが、ガクガクと膝を震わせると、地面に激しく頭をこすりつけた。

土下座である。

それに続くように、三十匹以上の魔物全員が、武器を投げ捨てて一斉に地面に平伏した。


「……え?」


剣を抜こうとしていたジークの手が止まる。


「え……な、なんすかこれ? 降参のアニメーションっすか?」


マヤも呆然と口を開けていた。


「嘘でしょ……一切の攻撃魔法も使わずに、威圧だけで魔物の群れを完封した……!? バルドさん、どんだけ精神攻撃のステータスが高いのよ……!?」


当のバルドは、土下座する魔物たちを見下ろしながら、ポカンと首を傾げていた。


(……ん? どうしたんだこいつら。急に腹痛でも起こしたのか?)


自分の「顔」


がどれほど恐しいかをイマイチ自覚していないバルドは、魔物たちが急に静かになったことに首をかしげつつ、そっと安堵の息をつくのだった。


(まあいい。言葉が通じるかは怪しいが、戦わずに済むならそれに越したことはない……胃の負担が減って助かった)


こうして、バルドの凶悪すぎる顔面によって、魔物国家の入口はわずか数秒で平定されたのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


第5章のエピソード2でした!

前世で自分を刺殺した犯人の顔を持つバルド。その威圧感は、凶暴なオークやゴブリンの群れすら一瞬で土下座させるほどでした(笑)。

次回は、平定した魔物たちの集落へと足を踏み入れたバルドたちが目撃する「最悪の現場環境」に迫ります!


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