↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
顔面凶器の一般兵、死に際の美青年騎士団長に弟と指名され王国最強へ強制成り上がり!  作者: マサッチ
第4章 魔法国家ドゥブロニア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/33

4-3 地下室のデスマーチ(試行錯誤の醤油醸造)

いつも温かい応援、

本当にありがとうございます!


さて、第4章第3話の更新です!

前回、使い魔(遠隔端末)を王宮地下へ潜入させた魔法国家の天才魔導師マヤ。


今回、彼女が目撃するのは、割烹着(防護服)に身を包み、

血眼になって「醤油作り」に励むバルドとジークの姿でした。


社畜特有の徹底した品質管理が、理系エンジニアの目にはどう映るのか……!?

勘違いのデスマーチが加速する第3話。

どうぞお楽しみください!


王宮地下の最深部。


厳重な結界に守られた密室の中に、一匹の小さなネズミ――マヤの使い魔が音もなく忍び込んでいた。


遠く離れた魔法国家の研究所で、マヤは生唾を飲み込みながら魔力スクリーンを注視する。


(さあ……見せて戴くわ。あなたが一体どんな恐ろしい暗黒兵器を練成しようとしているのか――)


スクリーンに映し出されたのは、あまりにも異常な光景だった。


そこには、白い割烹着(マヤの目には『高次元防護服』に見えている)を身に纏ったバルドと、頭に手ぬぐいを巻いたジークの姿があった。

二人の前には、蒸気と怪しげな熱気を上げる巨大な木樽。


「ジーク! 室(むろ)の温度が32度を超えているぞ!

 麹菌(システム)が熱暴走を起こす!

 すぐに空気を入れて攪拌(かくはん)しろ!」


「了解っす先輩! うおーっ、熱い!

 でもここで日よけの手を抜いたら、カビ(バグ)が発生して一発アウトっすね!」


「当たり前だ!

 雑菌の混入はエラー率(不良品率)の上昇に直結する!

 前世の工場監査(品質管理)を思い出せ!

 髪の毛一本、塵ひとつ落とすな!!」


バルドの三白眼が、鋭く温度計(魔法測温計)を睨みつける。

前世の社畜営業マン時代、

納期遅れと品質クレームで地獄を見たバルドの「タスク管理能力」と

「危機管理能力」が、異世界の醤油作りでフル駆動していた。


スクリーンの向こうで、マヤの全身に鳥肌が立った。


(な、何なのあの鬼気迫るタスクコントロールは……!?)


マヤの理系脳が、目の前の光景を独自の用語で猛烈に変換していく。


(温度の僅かなブレすら監視し、リアルタイムで環境変数(湿度と空気)を書き換えている……! それに、あの衛生管理(セキュリティ)の徹底ぶり! 異物(バグ)の混入を極限まで削ぎ落とす、完璧なテスト駆動開発(TDD)じゃない……!!)


『ジーク、塩分の濃度計算はどうなっている!?』


『バッチリっす! 飽和食塩水の計算は算数レベルなんで、俺のゲーマー脳で弾き出しました! 誤差0.1%以内っす!』


『よし! これで仕込み(ビルド)は完了だ。

 あとは熟成期間のスケジュール調整だな。

 毎日欠かさずログ(観察日記)を取れ!』


バルドがバインダーに挟んだ紙に、凄まじい筆圧で文字を書き込んでいく。

その顔は完全に、「明日が納期の炎上案件を力技で鎮圧しようとしている伝説のプロジェクトマネージャー」そのものだった。


(凄すぎる……。あの男、すべてのプロセスを視覚化(可視化)して、タスクの進捗(スプリント)を完璧に回している……!)


マヤは恐怖を忘れ、プログラマーとしての感動に震えていた。


魔法国家の魔法使いどもは、いつも「感覚」や「気合い」という曖昧な仕様書で魔法を行使し、結果として事故や暴走を多発させていた。

だが、バルドのやっていることは真逆だ。

徹底的な数値管理、エラーの事前排除、そして無駄のない役割分担。


(あの冷徹な顔……妥協を一切許さないあの三白眼は、幾多のデスマーチを乗り越えてきた者だけが持つ『プロマネの眼光』よ……! バルド・コーウェン、あなたは暗黒兵器を作っているんじゃない。魔法という概念そのものを『最適化』しようとしているのね……!)


その時、地下室でバルドがフッと凶悪な笑みを浮かべた。


「ふっ……よし。最初の試験醸造(テストラン)の絞り出しは、明日決行する。上手くいけば、ついに『本物の味』が手に入るぞ……!」

「うひょー! 先輩、刺身の準備しておきますね!!」


二人がハイタッチを交わす。


だが、モニター越しにそれを見たマヤは、重大な結論に達していた。


(明日……明日ついに、あの究極のシステムがコンパイル(完成)される……! 遠隔モニタリングじゃ限界があるわ。……こうなったら、私が直接乗り込んで、あのプロマネに直談判(コードレビュー)を申し込むしかない!!)


魔法国家の天才魔導師は、拳を強く握りしめ、王都への直接乗り込みを決意したのだった。


――なお、地下倉庫の外で警備していたルシアンは、

扉の隙間から漏れ出す発酵臭と「デスマーチだ」「バグを殺せ」という怒声を聞き、


(バルド様が……悪魔(バグ)を殺せと叫んでおられる……!

一体どんな恐ろしい儀式なのだ……!)と、本日も順調に胃を痛めていた。


第4章エピソード3をお読みいただき、ありがとうございました!


バルドとジークの熱い(?)醤油作りが、

マヤの目には「完璧なタスク管理によるテスト駆動開発」に見えてしまいました(笑)。

社畜特有の「納期を守る」「品質チェックを徹底する」という行動が、

プログラマーのマヤには伝説のプロマネの覇気として刺さりまくっています。


そして、外で聞いていたルシアンも

「悪魔(バグ)を殺せ」という物騒な言葉を拾って順調に恐怖を深めております!


次回、エピソード4『バグを許さぬ伝説のプロマネへ、天才は直談判する』!

ついに醤油の絞り出し(テストラン)の瞬間、マヤが地下室へ突入!

お互いが転生者だと気づく衝撃の接触回となります。

どうぞお楽しみに!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。