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夢のステージへの思い  作者: あいぼ
第2章 初舞台編
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第47話:見え始めた課題

初舞台を終えてから、美咲の練習への向き合い方は少しずつ変わっていた。


以前の美咲は、鏡の前に立つと、とにかく振り付けを間違えないことばかり考えていた。


手の位置。

足の角度。

タイミング。


覚えた通りに動くことができれば、それで成長していると思っていた。


でも、舞台を経験した今は違った。


同じ動きをしているはずなのに、なぜ玲奈の踊りは心に残るのか。


なぜ自分の踊りは、どこか物足りなく感じるのか。


その答えを探すように、美咲は練習を続けていた。


「また少し変わったね」


練習中、玲奈がふと声をかけた。


美咲は驚いて振り返る。


「え? 何が?」


「前は、振りを合わせようとしてた。でも今は、自分で確認しながら踊ってる」


玲奈の言葉を聞いて、美咲は少し考えた。


自分では気づいていなかった。


ただ必死にやっているだけだと思っていた。


でも、以前とは違う部分が少しずつ増えていた。


「まだ全然できないけど……」


美咲が苦笑すると、玲奈は首を横に振った。


「できないところが分かるのは大事だよ」


その言葉は、前にも聞いたことがある気がした。


続けること。


考えること。


その積み重ねが、少しずつ自分を変えていく。


美咲は鏡に映る自分を見る。


まだ玲奈のような表現力はない。


まだ自信を持って踊れているわけでもない。


でも、初めて舞台に立った時の自分とは違う。


悔しさを感じたからこそ、次に向かう理由ができた。


その日の夜。


家で練習していると、母が部屋の前を通った。


以前なら、「まだやっているの?」と言われることが多かった。


でも今日は、少し違った。


「最近、毎日頑張ってるね」


その一言に、美咲は手を止めた。


母からそんな言葉をかけられるとは思っていなかった。


「うん……まだ足りないから」


そう答えると、母は少し複雑そうな顔をした。


「無理してない?」


心配していることが伝わってくる。


美咲は少しだけ迷った。


前なら、「大丈夫」とだけ答えて終わらせていた。


でも今は、自分の気持ちを言葉にしたかった。


「大変だけど……楽しいんだ」


母は黙って美咲を見る。


その表情から、まだ不安が消えたわけではないことが分かった。


それでも、美咲の言葉を否定しなかった。


「そう……」


短い返事。


けれど、美咲にはそれだけで少し前進したように感じた。


翌日の練習。


美咲は新しい課題を見つけようとしていた。


次の舞台では、ただ踊るだけではなく、自分が何を伝えたいのかを考えたい。


そのためには、もっと自分自身を知らなければならない。


玲奈との差を埋めることだけではなく、自分だけの踊りを探すこと。


それが、次の目標になる。


しかし、まだ美咲には気づいていなかった。


次のステージへ進むためには、技術だけではなく、仲間との向き合い方も試されることになる――。

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