↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の彼方  作者: yukko
PR
15/43

就活

妊娠中なのにハローワークで就活をしていた私。

最初にハローワークに出向いたが、聞くとオンラインで求職登録が出来ると教えて貰った。

悪阻のこともあったからオンラインで就活をすることにした。

ハローワークに行った最初の日に、ハローワークでアカウント登録を行った。

登録をした後は、開設された求職者マイページからオンラインでの求人情報の検索が出来る。

それだけではなく、オンラインでハローワークから職業紹介を受けられた。

おかげで「花屋」を紹介して貰えたのだ。

早速、求職者マイページから、その「花屋」にメッセージを送った。

勿論、妊娠していることも未婚であることも包み隠さずに……。

「花屋」から返信が届いた。

「面接する」との連絡だった。

指定の日時に私は《《無理で元々の気持ち》》で「花屋」の面接に行った。

「花屋」の名称は、【fleuristeこもれび】。

店に着くと、代表である若い女性が店の奥に案内してくれた。

そして「どうぞ、お座り下さい。」と着席を勧められた。

私は「失礼致します」と頭を下げて座った。

私は背筋を伸ばしてゆっくり深呼吸をした。


「この店は支店です。それも初めての支店です。

 経営者は兄夫婦です。

 兄夫婦とネットで繋がっておりますこと御承知おきください。」

「はい、分かりました。」

「さて、貴女のことは未婚で妊娠中と伺っております。

 その経緯を教えて下さいませんか?」

「大切なことでしょうか?」

「ええ、私どもにとりまして……お話し頂けませんか?

 花屋って、大変なんですよ。体力が必要です。

 妊娠していてプライベートで貴女をサポートする人が居るかどうか……。

 そういう環境かどうかを知りたいのです。

 妊娠して出産しても、貴女一人なら何時から働けますか?

 夫が居たら、夫も育児休暇を取得できますよね。

 でも、一人での子育てなら、そういう支えがありません。

 ご理解頂いて、お話し下さい。」

「………分かりました。

 私は婚約しておりました。

 その婚約者に挙式が近づいた頃、婚約解消を告げられました。

 彼は私の妹と結婚しました。

 婚約解消された時に、私は妊娠していることに気付きました。

 中絶することは子どもの命を奪うことなので出来ませんでした。

 今は叔母の養女になり、叔母が私の妊娠出産、子育てを支えてくれます。

 これが私の妊娠の経緯です。」

「そうですか……お話し下さり感謝申し上げます。」

「……こちらで働かせて頂けるようになったら、何時か………。

 何処かのタイミングでお伝えせねばならないことです。」

「そう言って頂けると助かります。

 社長、社長から何かありますか?」

「伺いたいことは一つです。

 どうして今までの職種と全く違う花屋を選んだのですか?」

「私は子どもの頃から、お花が大好きでした。

 ただ、好きを仕事に繋げるような考えを持っておりませんでした。

 親が望むような東証一部上場の企業への就職がBESTだと思っておりました。

 でも、新しい暮しを始める時に好きなこと、好きな物は何かを考えました。

 一つだけ好きな物が見つかりました。

 それが、お花でした。

 それで、お花に関する仕事を求職しておりました。

 御社から面接を受けさせて頂けるとのご連絡を頂戴しました。

 心から感謝申し上げます。

 今日はこのようにお時間を割いて下さったこと感謝申し上げます。

 ありがとうございました。」


私は立ち上がり頭を深く下げて「ありがとうございました。」と言うと、ノートパソコンから声が聞こえた。


「では、何時から働けますか?」

「えっ?」

「採用させて頂きます。それで、何時から働けますか?」

「あの……宜しいのでしょうか?」

「勿論です。こちらこそお願いします。

 貴女の誠実さは、好きな花のことを、しっかり学んでくれると思います。」


ノートパソコンから女性の声がした。


「初めまして。私は社長の妻で一応専務という肩書です。

 妊娠中と出産後のことは、これから話し合いましょう。

 是非とも一日も早く働いて下さい。

 学ばねばならないことが多いですからね。」


私は泣いていた。

涙声で「明日からでも宜しければ働かせて頂きます。よろしくお願い致します。」と伝えた。

こうして私の【fleuristeこもれび】への就職が決まった。

養母。真由子は喜んでくれて就職祝いのパーティを開いてくれた。

そこには前の会社の同期、大学の友達、そして高校の友達が招かれた。

賑やかで楽しい一時だった。

そして、その場で私が叔母である加納真由子の養女になった事を発表した。

聞かされていない友達もいたから、その友達たちは驚きつつも「良かったね。」と言ってくれた。

私は前を向いて生きるんだ!と叫びたい気持ちでお腹を優しく撫でた。

「お父さんが居なくても、お母さんが居るからね。お母さん、頑張るからね。お父さんの分まで愛してるよ。」とお腹の子に話し掛けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。