03-赤い奴の素顔
「俺は負けないっ!!!」
「甘い………」
「ごふっ………!!」
なんか、赤い奴が、突っ込んで来たので、適当に、足蹴りを喰らわせて、吹っ飛ばした。
変身が解けているっていうのに、解けていない私に突っ込むとか、アホなのか?
それにしても、弱過ぎるこいつら……。
力の使い方も間違っているし………。
なんか、段々と、馬鹿らしくなってきたな………。
「俺は………」
あっ………!?
赤いのが、生き返った。
他の奴らも、まだ、立ちあがろうとしてるし……。
もうこいつら、アンデットとか、そんな系統の魔物じゃないのか?
いっそ、浄化してみる?
「俺達は負けない………!! 負ける訳にはいかないんだ………!!」
《マジック・ブラスター》
なんか、また、変身したと思ったら、妙なものを出して来た。
見たところ、中距離系の射撃武器って感じだな………。
あれは、最近、発見された《銃器》って類の武器じゃないか?
しかも、発射口辺りに、極小の魔法陣が展開している事から、魔法系だ。
「喰らえ!!」
《フレイム・シュート》
撃ってきた。
成程、あの先端に魔法陣を展開して、長細く、高速化した火球を連続して、放てるのか。
でも、形成された魔力がブレブレで、薄っす!!
まるで、紙切れだなぁ~。
そんな攻撃じゃ、きっと---------
「なっ!? 効かないだと!?」
やっぱり、傷はつけられないか。
もうこんな子供の茶番、早く終わらそ………。
私は、静かに、驚愕したまま硬直している赤い馬鹿の前に立った。
立って、拳をそっと上げて一言---------
「出直して来て………」
「ぶっ!!!」
顔面をぶん殴って、沈めた。
とりあえず、近場の壁に激突して、そのまま、地面に倒れ込んだ赤い奴は、全身が淡く光輝き出して、人の姿に戻った。
どうやら、また、変身が解けたようだ………な………!?
「レッド!!!」
他の連中が、赤い奴の周りに集まって来たその時、あまり気にしていなかった赤い奴の素顔がはっきりと見えた。
というか、気付いてしまった。
血だらけだが、仲間に支えられ、身体を起こされた時の奴の素顔は、私がとっても、見知っている奴と瓜二つだった。
まさか、あいつ………!!
これはヤバい!!!
非常にヤバい!!!
さっさと逃げ---------
「そこまでだ!!!」
あ………遅かった。
聞き覚えのあるこの声---------
もう間違いない。
振り返ると、そこには、護衛の近衛騎士団を引き連れた第三王子の姿が………。
あの赤いの---------あいつの弟だったのか!?
「っ!? 君が例の………」
《ダイアモンド・バースト》
あいつが、私を見るなり、何か、言い掛けようとしていたが---------私は魔力を練り上げると、地面に向けて、威力を極小に弱めた魔法砲撃を放った。
そして、砲撃の影響で、砂煙を巻き上げながら、一目散に逃走した。
あいつに関わるなんて、真っ平御免だ!!
「待ってくれ!!!」
うっさい!!!
《ダイアモンド・バースト》
「殿下っ!!!」
逃走しながら、お土産がわりに、私は、奴に向けて、お得意の魔法砲撃を放った。
今度は、手加減なしで---------
声からして、いつもの如く、近衛騎士に守られているのだかろうが---------
まぁ、あいつの事だ。
私が、何故、攻撃したのか、その理由を理解している事だろう。
唯一無二の敵対者であるあいつなら………。




