02-始めの頃は………
そう、あれは、確か、この《変身アイテム》のスキルが発現してから、数日が経った日の頃だったっけ?
大切な人を失って、悲しみに暮れていたが、何とか、心の整理が付き始めた時に、このスキル《変身アイテム》を再び、使って見る事にした。
その時は、近くにあった川の水面に映る自分を見つめて、絶望に打ちひしがれたものだ。
いや、普通はそうだろ?
まだ、十代前半だとはいえ、今まで、男として生きて来たんだよ?
それが何? 女になってんの?
というか---------
「何で、ヒロインなのよ!! 普通は、ヒーロー側の方でしょうが!!」
---------と叫ばずにはいられなかった。
このスキル《変身アイテム》の噂や伝承は、私も色々と調べて終えてはいた。
当然、その時は、それなりの子供だったので、調べている際は、英雄に対する憧れのようなものも抱いてはいた。
なのに、この姿は、どうしても可笑しいでしょうが!!!
もう一度、川に映し出される自分を凝視する。
うん。美人だ。
それも、可愛い系の小柄な少女の顔だ。
服装も、まるで、ドレスのようなヒラヒラのフリル付き戦闘服で落ち着かない。
正直、見ているだけで、かなりきつかった。
色んな意味で---------
だが、前向きに、これはこれで、素性を隠すのには、便利なのでは? と考えた。
まぁ、性別が違う時点で、まず、私の正体が分からない事もあるが、その上で、魔力の性質も変わっている事に気付いた。
どうやら、私の魔力には、《破邪の力》が宿っているようだ。
《破邪の力》
それは、簡潔に言えば《浄化能力》の事だ。
この力は、かつて、異世界から召喚された勇者が《魔王》を討ち取る為に生み出したとされる希少な能力で---------伝承によれば、魔物に変えられた人を元の姿に戻したとさえ言われている。
私も、昔に一度だけ、《破邪の力》が使われているのを目にした事がある。
今、私に宿っている独特な魔力の光り方は、その時見た光と同じものだった。
丁度、近くで、噂になっていたアンデット系の魔物が湧き出る墓所があったので、確信を得る為に、この力を使ってみた。
アンデット系の魔物には、《破邪の力》はかなり有効なので、無事浄化出来れば、もう確定だ。
《ダイアモンド・バースト》
結果は、予想通り、墓所にいたアンデットの大群が浄化されて塵になっていった。
思わず、引いてしまう程、威力が段違いで綺麗さっぱり、成仏した。
いや、あの時はほんと、驚いた。
そして、その過程で、アンデット達と戦っていて、自身の戦闘能力の異常性にも気付いた。
どうやら、この魔力の性質は、人を元の姿に戻すだけではなく、身体能力や身体機能、身体強度を信じられないくらい底上げしてしまうようだった。
力加減を間違えれば、自分の何倍もの大きさの巨岩を拳一つで粉砕出来る上に、毒や麻痺などの状態異常は無効化される。
例え、どれだけ、強靭で、頑丈な剣で斬られようと、剣の方があっさりと砕け散り、身体に傷一つ付かない。
現に、アンデット達の武器も、私の肌に触れた瞬間に、粉々になっていった。
私の手にしたスキルは、それ程、優秀で、かつ敵にしたら、恐ろしいものはない。
故に、そんな強大な力を正しく使いこなす為に、私は日々、努力し続けた。
もう何も失わない為に、この力の使い方を知る為に………。
故に敢えて言おう。
こんな、軟弱で、他人の力に頼り過ぎている連中になんか、負ける訳がない。
特に、リーダー気取りの赤い奴は特にだ。




