01-なんか、やって来た
「燃えたぎる熱血の炎!! ドラゴン・レッド!!」
「凍てつく神秘の水!! ドルフィン・ブルー!!」
「舞い上がる緑の風!! グリフォン・グリーン!!」
「轟く大地!! コング・イエロー!!」
「駆け抜ける光!! タイガー・ホワイト!!」
『我ら、騎士道戦隊ナイト・ファイブ!』
「………………」
何これ?
思わず、遠い目をしたくなるような幼稚なポーズを取る五人組の連中?
騎士道戦隊?
ナイト・ファイブ?
知らんがな………。
「そこの可憐な少女!! 俺達と一緒に、世界を救う為に戦わないか!!?」
「………………………」
なんか、五人組の中心にいる赤い奴が、何か、ナンパ? みたいな軽々しい感じで、熱く語っている。
え? お断りです。
そして、そのまま、その場を立ち去ろうとして---------
「まぁ、待ちたまえ」
振り返ると、先程まで、赤い奴の隣にいた青い奴が、何か、ムカつくポーズで、先回りしていた。
「うるさい………」
とりあえず、殴っておく。
なんか、ムカつくし………。
「ほんと、せっかちなお嬢さ---------」
《ダイアモンド・バースト》
『ブルー!!!!』
これで、邪魔者は消えた。
さっさと、帰ろう。
「だから、待ちたまえよ」
なんか、肩を掴まれた、
というか、何で生きてんの?
「少しは話を聞いて---------」
「消す………」
そこから、私と訳の分からない連中との戦闘は開始された。
《ダイアモンド・バースト》
《スラッシュ・カリバー》
なに?
私の技が、かき消された。
なんか、変わった形状の剣が、手元に現れたと思ったが、あれは………。
「やれやれ、こうなりますか」
「仕方がない。少し手荒になるが………」
「話は、あなたを無力化してからという事で」
よく見ると、私の周りを取り囲むようにして、他の連中も、例の剣を構えていた。
この連中の能力は、もしかしなくても、私と同じ---------
「掛かれ!!」
どうやら、考える暇を与えてくれなさそうだ。
一斉に、私に襲い掛かって来る五人組。
私に勝てる気でいるようだけれど………甘い!!
「なにっ!?」
赤い奴は、とりあえず、剣の刃を掴んで、そのまま、地面に沈める。
「………は?」
緑は、その手にある剣を奪って、放り投げる。
「嘘でしょ!?」
そんで、白いのは、奪った剣で、白い奴の剣を受け止めた瞬間に、絡め取って、適当な場所にでも飛ばしておこう。
「ごほっ!!!」
青いのは………………腹パン加えてから、追撃で、思いっきり、手加減なしで、蹴り上げておこう。
ムカついたし!!!
「貴様、よくも!!!」
黄色いのは、まずは、あっさりと剣をかわして、ストレートパンチ!
おおっ!?
よく飛ぶなぁ~。
「ば、ばかな………こんなに、あっさりと………」
「覚悟しておいてね?」
私は、足元にいる赤い馬鹿に、にっこりと微笑み掛ける。
容赦はしない。
そういう意味合いを含めた上で---------
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あれから、何分?
いや、何時間か?
こいつら、しつこいにも程がある。
「まだ………まだだ………!!」
「俺達は、絶対に諦めない………!!」
うっざ!!
もうへとへとで、ボロボロ---------肩で息をしてる癖して、なんで、そこまで、鬱陶しく出来る訳?
しつこい男は嫌われがちだよ?
少しは学んだら?
あ、馬鹿だから無理なのか。
「………………」
私の近くで倒れている一人、赤い奴の腕---------右手首の辺りに、私は視線を移す。
その腕には、変わった形のブレスレットのようなものがあり、恐らく、これが、こいつらの力の源。
変わった格好をしているから、そんな気はしてたけれど、こいつらの力は、間違いなく私と同じものだと思っても良さそうだ。
スキル《変身アイテム》
人を《変身ヒーロー》と呼ばれる《英雄》に生まれ変わらせる特殊スキル。
勇者顔負けの力を手にする事の出来る危険で、最強の力。
だというのに、当のこいつらの戦闘能力と来たら………………。
「ぐっ………く………」
赤色だけじゃなく、他の連中も一瞥してみたが、完全に虫の息だ。
「弱過ぎ………」
おっと、思わず、本音が口から出た。
でも、仕方ないでしょ?
本当に弱いんだから!!
スタミナも、もう尽き掛けているみたいだし、話にならない。
あ、変身が解けた。
「くそ………時間切れか………」
「だが、苦労した甲斐があったぞ」
「私達の変身が解けたという事は、彼女の変身も解け………て………ない!?」
いや、そんなに驚かれてもなぁ~。
まぁ、鍛え方が違うから、お前達とは格が違う。
余裕綽々だ。
変身時間なんて、まだ、普通に維持出来る。
ん?
待てよ。
この驚き様………まさか………。
「あなた達………さては、スキルが発現してから、まだ、日が浅い………?」
『!?』
「やっぱり………」
なるほど、弱い訳だ。
思わず、大きなため息が出た。
もちろん、今、目の前で、無様に転がっているこいつらに対してだ。
特殊スキルである《変身アイテム》は、はっきり言って、人が簡単に扱える程、生易しいものではない。
寧ろ、その逆だ。
かなり、緻密で、繊細で、膨大な魔力のコントロールが必要不可欠。
魔力が少なければ、変身する事は出来やしないし、制御を誤れば、命の危険性もある。
私も最初の頃は、苦労した。
変身したとしても、5分と持たずして、何度も意識を失ったものだ。
思い返せば、あれから、どれだけの時が経ったか。




