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50チュン目

 いつも読んで頂きありがとうございます!気が付けばもう50話になりました。

 と言う訳で、領主になりました。ミコです。爵位はまだ無い。

 領主と言ってもわたしはお飾りの領主。実質の運営はシャーリーさんに丸投げです。

 彼女はこれから使えそうな部下となる人材を集めるそうです。


 3日後、その候補地を視察しに来ました。

 ペタルスフロウと言う街です。

 名前の由来は、春になると川に花弁が大量に流れるのだとか。

 大きな川……いや、河だね。とても川幅が広い。小さな漁船が浮かび漁をしたり、荷物を載せた船が行き交っている。


「……ねぇ、これもしかして主要運河とかじゃない?」


「そうね。ここは3本のある大運河の1つよ」


 事も無げに言ってのけるシャーリーさん。


「……大丈夫なの?」


「大丈夫よ?」


 むしろ何が心配なのか分からないといった様子。


「……では、お任せします」


「ええ。腕が鳴るわね!」


 楽しそうで何よりです。


 領主館へ向かう途中、街中を見て回る。

 意外と小ざっぱりしていた。

 運河そのものは大きいけど、大抵は素通りしてしまうので人が多い街と言う事ではなかった。

 主に運河の通行料や管理で成り立っており、次に漁業と手工業らしい。

 綺麗に整備されており治安の良い街並みから、貴族の旅行先としても利用されるとか。

 比較的重要だけど失ってもあまり痛くない環境。察するに都合の良い領地だった。

 ざっと見た所、特に不満無し。他の候補地も見るか聞かれたけど断りました。



「ミコ様、お味はいかがですか?」


「うん。バッチリだよシェリルちゃん!」


 領主館で休憩中。

 実際に領主になるのはもう少し先だけど、わたしの部屋は用意済み。

 シェリルちゃんもこちらに居ました。

 ちなみにこの領主館。わたしが領主になると言う事でひとつだけ改装されています。

 それはダンスフロア。何故かわたしの趣味がダンスだと広まっています。まぁ中庭でほぼ毎日踊っていたからね……。

 魔法の在るこの世界だとリフォームも3日程で終わるようで。勿論、王族の権力で腕利きがやったのだけど。

 それなりに豪華な夕食の後、ベランダからペタルス河を眺めている。

 とても立派な河川なのだけど、最初に見てから何か違和感があり、暇があればずっと観察している。


「ミコ様?どうかしました?」


「……何か違和感があって……気になって仕方ないのだけど」


「?ここ数年は氾濫もなく、船の事故が数件ある程度ですよ?」


「うーん……何だろう?」


「考えすぎではないのですか?浴室も作らせましたし、ご入浴されては?」


「……うん。そうさせてもらうね」


 どうやら改修は2ヵ所だったらしい。いや、もしかしたらもっとあるかも?


「ふぃー」


 浴室は地下だったが、大きく立派な湯舟だった。思わず声が出ちゃうのは仕方ないよね?

 お湯に浸かりながら違和感について考える。

 ふと、換気口が目に入る。


「これだ!」


 こんなに大量の水が有るのに駄位精霊が来てない!


 翌日、早朝。わたしは1人で川辺に。


「おーい!駄位要請出てこーい!」


 ただ出てこないのか、出られないのか確認しなければならない。

 釣りをしながら待つこと半日。昼食にお呼びがかかるまで待っても現れず……これは黒だな。

 ちなみに成果は0でした。解せぬ。


 昼食後、主要メンバーを会議室に集める。


「集まってもらったのは、たぶん緊急の件になります」


 そう前置きして、大精霊の出現可能条件と魔物の勢力分布の話を皆にする。


「……と言う訳で、このエリアにボスがいます」


 そう。所在不明のボスがこうして発見されたのだった。

 勿論、こう言った未発見のボスはまだまだいそうだ。これらを調査しなければならない。これはリリィやエドを通して2国にも協力してもらおう。

 わたしはここのボスを倒さないと!


 先ず街全体に避難勧告を発令。

 次に運河の上流と下流の街で一時的に輸送船の通行を停止。

 そしてわたしが潜って仕留める!

 ところで今更なんだけど、釣りしている時にうっかり釣り上げなくて良かったよ。大パニックになっただろうなぁ……。


 そして避難勧告発令から2日後。運河が完全封鎖され、逃げ遅れが無い事の確認も取れた。

 いよいよわたしの出番だ。

 お見送り?に集まった皆に手を振った。


「とう!」


 行くぜ!華麗なる3回転半飛び込み!

 水中も慣れたものでフィールドを利用してスイスイ進む。

 魔力アクティブソナー……パルススキャンの方が良いのかな?周辺を探知しながら進んでいく。

 もっとも駄位精霊に聞いた話によれば向こうから来てくれるはず。

 ペタルス河は幅だけでなく深さもかなりあった。

 水中のボスは大物ばっかりだったからちょっと心配だ。


「!」


 パルスに反応有り!大きいぞ!と言っても海のボス達よりはよっぽど小さいがわたしよりは大きい。

 しかもかなり高速で接近してくる。

 接敵まで後4、3、2、1……あ、あれは!?

 ……え?これマジ?


 全長10mの白いウナギだった……。

 じゅるり。

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