27チュン目
わたしはいつもの様に庭で踊っていた。
くるりくるりを回ります。
こうしていないと考えすぎちゃっていけない。
「あ」
「危ない!」
考え事して気が疎かになってステップを踏み間違え転ぶ。
誰かが走りこんでくるがもう無理だろう。
ドサ
「もーなんでシェリルちゃんまで飛び込んでくるのー?」
「え、えーっと……ごきげんよう?」
「もーこのー愛いやつめー」
「きゃ!?み、ミコ様ー!?わー!?」
2人でコロコロ芝生の上を転がります。
「あははは!今日は大丈夫?熱ない?」
「はい!元気いっぱいです!」
はーシェリルちゃんマジ癒し。心のオアシス。お持ち帰りしたい。
こうして元気なら無理に治す必要はないんじゃないかな?
でも、あの書物によれば短命……。
「ミコ様?どうかしましたか?」
「なんでもないよ?」
シェリルちゃんはわたしの前に座りなおすとそっと抱きしめ背中を撫でます。
「熱が出て、すごく苦しくて、もう死んじゃうのかもって怖くなると、いつもお母様がこうして抱きしめてくれるんです。そうして、大丈夫だよ。私が居るよって言ってくれて、安心すると楽になるんです」
「シェリルちゃん……」
「シャーリーお姉様もエドワード義兄様もリリーナ様も心配して下さいます。シェリルは幸せものです」
「わたしも心配するよ」
「はい!だからわたしもミコ様が心配なのです!」
この子良い子過ぎるやろ……マジ、天使。
ならやっぱり不安要素は取り除きたい。
「……治したい?」
「……できるのなら、治したいです。でも、お医者様は原因が分らないって。それに、あまり長くは無いそうです……」
シェリルちゃんの顔はわたし顔の真横で表情は見えない。でも明るい表情ではないだろうな。
微かな震えを感じる。誰だって死ぬのは怖いよ。
「大丈夫。わたしも居るよ。皆居る。だから怖くないよ」
もらったものを返す。分けられないなら、与え合えばいい。
シェリルちゃんが落ち着いたところで仕事に戻らないと!と慌てだしたので見送る事に。
「それじゃまた明日?かな?」
「はい!失礼しま――」
「シェリルちゃん!」
倒れたシェリルちゃんを滑り込んでキャッチ。
うわ!?すごい熱!
こんな急に出るの!?
「誰か!誰か居ませんかー!」
大声を出して人を呼ぶ。
しかし遠巻きに見るだけで誰も動こうとしない……なんで!?
熱はドンドン上がり玉のような汗が噴出している。このままだと熱だけでなく脱水症も起こしてしまう。 なんだこれ!落ち着けーわたしが落ち着かないと……。
額の汗を拭ってあげていると、シェリルちゃんの体内の魔力が暴れているような感覚。
これが原因か!?くっそーこんなの吸いとってやる!
左手で左胸に触れ集中する。魔力魔力……今だ!
ずるりと何かを引き抜く感覚。あまり気持ちのいいものではなかった。
シェリルちゃんの様子を見ると呼吸は浅いが、熱は下りだしていた。もしかして効果あった?
「シェリル様ー!」
ズザザァ!
「ミコ様!シェリル様は!?」
「シャーリーさん、ちょ、落ち着いてぇ」
2人でシェリルちゃんを部屋へ運び。様子を話します。
今は薬も飲ませ。呼吸も落ち着いているみたいで静かに眠っています。
「こんなに穏やかに眠っているのを見るのは久しぶりだわ」
と言うのは第二王女様。つまりシャーリーさんの母親でシェリルちゃんの母親と言うことになっている人。
「この子、いつも不安そうに寝るのよ?このまま眠ったらもう起きられないのではないかって」
「説明してもらえます?わたしもまだ事実だと確証が無いので」
つい、言葉が強くなってしまう。大人の陰謀に子どもをましてや産まれる前の子どもになんて。
結局、わたし達のたどり着いた答えとほぼ同じだった。多少の違いは誤差。
わたしが助けを呼んでも大人が誰も動かなかったのはそのように命令されていたから。死人に口無し。始めからシェリルちゃんを見殺しにするつもりだったのだ。
ふっふふ……久しぶりにわたしキレてしまいましてよ?
「あの……ミコ様?」
「ごめん。シャーリーさんはシェリルちゃんが助かればいいって言ったけど、わたしが許せそうにないわ」




