25チュン目
本日2話目
思わず勢いで捉まえてしまった小さなメイドさんと並んで座る。
逃げられるとつい追いたくなる野生児、ミコです。
「わたしはミコ。あなたお名前は?」
「しぇ、シェリルと申します。ミコ様」
「よろしくね。シェリル」
「はわわわ」
両手をそっと包むと真っ赤になってる慌てている。かわゆす。
聞けばシェリルちゃんは新人メイド。雑用をして仕事を覚えている最中でした。わたしと変わらないぐらいでもう仕事しているんだね。貴族と平民では結構違うのだろうか?
「わ、わたしも貴族なんでしゅ」
噛んだ。かわいい。
こいつはわたしを萌え殺す気か?
「そうなの?」
聞けば王城勤めの下働きは皆貴族の3番目以降、要するに跡継ぎじゃない子達が就く仕事だとか。
なので男子は補佐官や兵士に、女子はメイドになりたい子が多いんだって。
わたしは何になるのやら?貴族でもないんだよな。
「でもさ、それだったらあまり上下気にしないでよ」
「そそ、そう言う訳にはっ」
「大丈夫、大丈夫。お友達になりましょう?それなら対等」
「ほえーええええ!?」
何かリアクションが新鮮だー。お堅い感じしなくて良いわ。
よしよし頭撫でちゃおう。ついでにはぐー。
「わ、わぁー!?」
「おや?ミコじゃないか。どうしたんだい?こんな所で」
ギクッ
「なんだ、エドか」
「なんだとは挨拶だね……こちらはってシェリルじゃないか」
「ご、ごきげんよう……エドワード義兄様」
「うん?」
「あぁ、異母方の末っ子だよ」
「なるほど?」
うーん、結局全員に会うんかな?後3人だっけ?まぁ王城にいるから仕方ないか。
「シェリル、もう働いても良いのかい?」
「は、はい。症状は落ち着いてますから」
「何かあるの?」
「あぁ……いや、ミコは気にしないで」
「……そう言うことなら」
よく有るお家騒動では異母兄弟って仲悪かったりするけど、エドの様子を見るとそんな事ないらしい。
気にするなと言われても、顔や名前を知ったら気になっちゃうのがお節介の性。特に病気となるとね。
「ねぇシェリル。何か困った事があったらわたしに相談して?お友達だから頼っていいんだよ」
「ミコ……全く、君は……」
「お人好しじゃなかったら世界救済の旅なんてしませんよーだ」
結局、シェリルは生まれつき体が弱く時々熱が出て寝込む事を教えてくれた。
生まれつきの病気ではわたしは力になれそうも無い……期待させてごめんよ。
「それにしても、ボクの方が先に友達になったのに、悩み相談はシェリルに先を越されてしまったな」
「何ちっちゃいこと言ってるの?男の子でしょ?」
「そうは言ってもね……ボクだって執務の事とか勉強の事とか色々相談したいのに」
「それは指導役にしてよ。わたしこの国の生まれじゃないし」
「そうだよね。分っているよ」
「日常のことだったら応えれるかもしれないけど、そう言うの無いの?」
「日常?いや、特には」
「エドってもしかしてワーホリ?」
「ワーホリ?なんだいそれは?」
「ワーカーホリック。んーっと働いてないと落ち着かない人」
「別にそんな事はないと思うけど。それだったらシェリルの方がそうじゃないかい?」
「シェリルは病気なのだから無理しないでね?」
「そ、そう言う訳には……いっぱいお仕事して、たくさん覚えないとお城で働かせてもらえないから」
何だか難しいなぁ。
「そう言えばエドとシェリルは同じぐらい?」
「そうだよ。よく分ったね。ボクらは同じ日に産まれたんだ」
「同じ日?歳も同じで同じ日?」
「流石に時間は違ったそうだけどね」
「ふ、双子じゃないですよ?義兄様の方が少し早かったそうです」
同じ年の同じ日って……何か違和感を感じる。本当にただの偶然かな?
そう聞くと似ているのも片親同じだからじゃない様な気がしてくる。
でもきっと突っ込んじゃいけない問題なんだろうな。隠した事で平和になることも有るし。




