19チュン目
本日1話目
開けた窓から入ってくる風はまだ少し肌寒く、まだ夏は少し先なのだなと思う日の出前。
皆様。おはようございます。
わたしは読書灯の明かりで銃のメンテナンスをしています。
丁寧に分解し、汚れをふき取り、グリスを塗っては組み立てていきます。
工具は精製。グリスは流石は工業都市って事ですかね。用意してもらいました。
中の構造はトイガンからすっかり変わっていて、なんだか得体の知れないものになっていました。細かい事は気にしない。
早朝メンテは銃を見られたくない以外にも理由が有ります。
リリィに吸われないから。これ重要。
あの後、結局同室になりました。実は昨日の朝、居なくなったと大騒ぎだったらしいです。
婚約者の所行けよと思ったんですが婚約者でも男女一緒にはまずいということでわたしと同室です。
なので今朝もナイトドレスを握り締めたリリィから逃げるべくもそもそしてたら、脱げました。なるほど、ここをこうしてこすると脱げるのか……よし、覚えた。
リリィはそのままドレスを抱きしめて寝ていたのでわたしはこうして作業しています。
パンイチで床に胡坐をかき銃を整備する幼女。シュールだなぁ。
スク水サイハイパーカーは精霊の魔法鎧と言う認識が広まってしまい普段は着ていません。バッグにしまっています。まぁ実際、一週間以上も森を駆け回っても破れなかったし魔法的なものはあるでしょう。
整備し終わってまだ時間が有ったのでスマホを確認。一応、今日準備して明日出発する事を連絡しておきました。どれぐらいかかるかなぁ?次に行くのって、山と谷なんだよなぁ。
何だかんだで日は過ぎていきます。準備と言っても部隊を編成したり、案内の冒険者を雇ったり、物資を揃えたり。これは大人がやってくれています。
と言うか準備自体はわたしがウィンダムに向かう事が決まった時から始まってます。実質、確認だけ。
わたしの役目は目的地に着いたらボスを浄化もとい吸収するだけです。楽チン。
本音は1人で行かせてくれって感じですが。
暇になったわたしはお庭でくるりくるりと回ります。
昨日踊ったダンスが意外と楽しくて……。
メロディを口ずさみながらステップを踏みます。と言っても正しくは知らないからそれっぽい感じに。
すると視線を感じます。
そちらを見ると若いというか幼い?メイドさんが呆けた顔で見ています。
目が合ったので微笑んで手を振ったら。頬を染めて走り去ってしまいました。何だったんだろう?
準備そのものは問題なく終わり、なんならまきで出発しようか?なんて話しが出た所で少し問題が発生。
エドとリリィは連れて行くか?
目的地は険しい山と谷。そして魔物の出る地。
普通であれば安全な城にいるべきである。
が、大精霊様の要望で連れて行かなければならない。上層部は大分揉めたそうです。
結果連れて行くことに。決め手はエリザベート后の一言でした。やっぱり力持ってるんだなぁ。
わたしは兎も角、幼い2人をあんな険しい場所にどうやって連れて行くのかと思ったら背負子が用意された。言い換えるとおんぶ紐。山に慣れた地元の騎士さんが背負っていくらしい。背負子は3つ。え、わたしも!?
結局、予定を早めて今日出発。背負子に乗せられ城を出ます。いや待って、城から背負われていく必要なくね?何この羞恥プレイ。
リリィとエドは何か楽しそうです。それはようございました。
「ドナドナド~ナ~♪」
「……失礼ですが、ミコ様……その歌は一体」
背負ってくれている騎士さんに聞かれてしまいました。何故かそんな気分だったんだもの。
山道の手前で休憩。そして山に入る前の注意事項や荷物の確認。これ大事。
空は晴れており雨はなさそう?山の天気は変わりやすいから油断禁物。
わたしもスク水サイハイパーカーを装備。ライフル、よし!鞄、よし!準備万端。さー何がつまめるかなー?ワクワク。
「ミコ、流石にはしたないわよ?」
「何が?」
涎でも垂れてたかな?ごしごし。
「その、着替えるならメイドを呼んでちょうだい」
「もう1人でできるよ?」
やっと覚えたんですよ、ドレスの構造。
「そうではなくて、人目を気にして?」
「あぁ!」
あぁ!……あああああ!?やっちまったー!?突如始まる幼女のストリップ!?いや、誰も得しねぇだろ!?
誰か止めてよ!え?何かの儀式だと思った?
リリィに淑女らしくしろと説教された。解せぬ。
なにはともあれ、これから険しい山登りの始まりです。本当に大丈夫かな?




