17チュン目
ここから数回2話構成です。
本日1話目
こっそりと影移動を使ってもらってベッドの下へ。
時間はまだ夜明け前だった。良かった、まだ誰も気がついてないみたい。
皆様。おはようございます。夜遊びしちゃいました。
もそもそとベッドの下から這い出す。念の為ベッドの下に出してもらったけどそもそも今日は一部屋。こそこそする必要も無い。
と、這い出した所で視線を感じる。ベッドの上?
「っ!?」
思わず叫びそうになって手で口を押さえる。
なんとそこにはリリィが目をかっぴらいて座っていた。ホラーかよ!?
えっ?何で?鍵掛けたんだけど?
「……どこ、行ってたの?」
ギクッ
「え?どこって?」
「ベッドの下……居なかった」
「そんな事ないよぉ?暗くて見えなかったんじゃないかなぁ?」
「……」
無言こわっ。
「ってか何で居るの?」
「……」
えぇ……どうしろと。
スッ
リリィは両手をこちらに伸ばして言った。
「夜這いに来たの」
「婚約者のとこ行けよっ!」
心の底からからそう思った。思わず叫ぶぐらいには。てかどこで覚えて来るんだよ!
リリィに淑女とはなんたるかを懇々と語ってやろうと思ったら、わたしの叫びに何だ何だとメイドさんと警備の兵士さんが来てしまったので事情を説明。
あの程度の叫び声で聞こえるってこの部屋の壁は防音じゃないの?何?薄いの?
とりあえず起床時間まで多少の時間は有るようで少し眠る事にした。勿論、リリィと一緒に。
「リリィはなんでこんなにわたしと一緒に寝たいの?」
まさか乳を狙ってるんじゃないだろうな。このまま吸われ続けたら本当に出るかもしれん。
「何故かお母様と一緒に居るような気がしてしまって」
「王妃様と?」
どこがだろう?別に体格も正確も似てないと思うけど。確かにわたしも脳筋だけど別にロリコン(風評被害)じゃないしなぁ。
「よく分らないのだけどそんな気がするわ。しいて言えば……」
「しいて言えば?」
「……臭い?」
「臭い」
臭い。スンスン。臭いのかな?王妃様臭くなかったから違うか。
同じところ、同じところ……うん、分らん!聞かなかった事にしよう。
「リリィはきっと寂しいんだよ。一緒に居てあげるからもう少し寝よう?」
と何とか寝かしつけた。
わたしは送ってもらうついでに夜食をつまんだ(吸収した)ので寝なくても平気。
……臭いか……スンスン。
気がつけばカーテンの隙間から明かりが挿してきて、鳥の鳴き声が聞こえてきました。朝です。
わたしはずっと悶々としながらリリィを羽交い絞めにしていました。
やっぱりこいつ乳を狙ってやがる……驚いたことに寝ながら狙ってきてやがる。
この平地とあの山脈の一体どこに共通点が有るんだろう?メイドさーん!助けてー!襲われてますよー!
「おはよう。2人共。よく寝れたかい?」
エドは自分の部屋で寝れたからか、女装しなくて済んだからかとても元気そうです。
このやろう……こっちは誘拐されたり、夜這いされたりで大変だったんだぞ!
案の定、リリィと一緒にウィンダムの王族の方々と朝食です。もう最初から気にしない。わたしは無垢な子どもよ?
こちらは男ばかりの3兄弟。なんとエドには小さな弟が居ました。
エドが言うには側室が2人居て、ここには居ない兄弟が5人いるとか。まぁわたしと接点は無いだろう。
ヨチヨチと一生懸命動き回るちびっ子。何このかわいい生き物……。
エドもリリィも表情がゆるんでいます。
「わたくしも弟や妹が欲しいわ」
チラッとこっちを見ないでください。知りません。わたしではなく国王様と王妃様に頼んで下さい。
「兄貴はまだ現役だろう?」
「父上、あちらはエリザベート伯母様に問題が……」
「ちょっと!貴方達、子ども達の前で何て事を言ってるの!?」
バン!ガタガタ
国王様と兄王子様の会話に王妃様が突っ込んでいる。どうやらそう言う事情らしいです。
リリィとエドの頭の上にはハテナマーク。君達はまだ分らなくていいよ。
ウィンダムは職人の国だからかリバーダムよりも何だか雰囲気も緩そうです。
農業と工業だったら農業の方が緩そう?と思うのですが、あちらは交通の要でもあり人の出入りも多いから固めらしいです。王族は兎も角、国民性の話。
食後に簡単に本日の予定の話。
形式上の謁見やら何やらをやって、夜はパーティーらしいです。えぇ、早く仕事終らせたいんだけど……。
こういうのやらないと示しがつかないらしい。貴族って大変だなぁ。




