141.ファーマーさん、勝負
翌日―
ブタ祭!!イベントの四日目――
「一杯やろうブヒ、お嬢ちゃん、ぶひっく」
「黙れ酔っ払い豚」
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飼育数9/10
●サワヤカ系
サワヤカ・オーク レベル:35 ランクK 雄
ホロヨイ・オーク レベル:35 ランクK 雄
●ゴウワン系
カラテ・オーク レベル:35 ランクK 雄
●ヤワラカ系
フワフワ・オーク レベル:37 ランクL 雄
フワフワ・オーク レベル:37 ランクL 雌
ポニョ・オーク レベル:35 ランクK 雌
プニプニ・オーク レベル:32 ランクJ 雌
●フックラ系
ユッタリ・オーク レベル:37 ランクL 雌
コエコエ・オーク レベル:35 ランクK 雌
(三日目朝時点との差分)
Out
なし
In
サワヤカ系 ホロヨイ・オーク レベル:35 ランクK 雄
ヤワラカ系 フワフワ・オーク レベル:37 ランクL 雄
ヤワラカ系 フワフワ・オーク レベル:37 ランクL 雌
ヤワラカ系 プニプニ・オーク レベル:32 ランクJ 雌
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四日目もジサンとサラは五~六匹のオークを飼育小屋に送っていたが、その日、テイムできたオークはヤワラカ系に偏っていた。
「なかなか同ランクで指定分類の雌雄を揃えるのって難しいわね……なんとか生まれた新しいランクLのフワフワ・オーク二匹が最大の収穫かな」
サイカは飼育小屋を訪れたジサンにそのように報告をする。
「なるほどです……」
「おいっ、また馴れ馴れしい豚が増えているぞ!」
先程から酔っ払い風のオークに絡まれているサラがサイカに物申す。
「ご、ごめんなさい……」
「豚のおじさんからは間引いた方がよいと言われたのだろう?」
「そ、そうなのだけど……やっぱりちょっと覚悟ができなくて……そのせいで警告されていた通り勝手に交配されてしまって……しかもなぜかこの森のレギュレーションでもサワヤカだけは親も消滅していないし……」
この森では通常、オークの交配時に親が消滅するようになっている。
(厄介だな…………)
「でも……なぜか雌のオークの方が余っているし……ゴウワンのカラテ・オークも雄だからサワヤカ雄×ゴウワン雌の交配でニクショクが生まれることも今のところないし、えーと……」
(確かに要らないからと何の価値も見出せずに間引くのは……少し気が引ける……)
ゲーム開始前、社会から間引かれていたジサンはそのように思うのであった。
「別に勝ちにこだわる必要はないです」
「えっ……?」
「えーと、茂木さんのやりたいようにしてください……」
「……! あ、ありがとう……」
サイカはほっとするような表情を見せる。
サラもジサンの言うことには口出ししなかった。
◇
翌日―
ブタ祭!!イベントの五日目――
ジサンは飼育小屋を訪れる。
そして、メニューから生産対象を確認する。
(昨晩からそんなに変わりはないが……えーと……)
「また、うざ豚が増えているような……」
「た、確かに……」
サラの言うように、昨晩、確認した時からの差分として、ヤワラカ系の”プニプニ・オーク レベル:32 ランクJ 雌”がいなくなり、代わりに”サワヤカ・オーク レベル:35 ランクK 雄”が一体増えていた。
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飼育数9/10
●サワヤカ系
ニッコリ・オーク レベル:37 ランクL 雄
サワヤカ・オーク レベル:35 ランクK 雄 ×2
ホロヨイ・オーク レベル:35 ランクK 雄
●ゴウワン系
カラテ・オーク レベル:35 ランクK 雄
●ヤワラカ系
フワフワ・オーク レベル:37 ランクL 雄
フワフワ・オーク レベル:37 ランクL 雌
●フックラ系
ユッタリ・オーク レベル:37 ランクL 雌
コエコエ・オーク レベル:35 ランクK 雌
(前回との差分)
Out
ヤワラカ系 プニプニ・オーク レベル:32 ランクJ 雌
In
サワヤカ系 サワヤカ・オーク レベル:35 ランクK 雄
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と、その時、ちょうどメッセージが来る。
それは二回目の中間発表であったため、ジサンは内容を確認する。
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【ブタ祭!!イベント中間発表】
①パーティ名:トンダ牧場
┗シッカリ・オーク(ランクM)
②パーティ名:ぶたのしっぽ
┗フクヨカ・オーク(ランクM)
③パーティ名:リリース・リバティF
┗トロトロ・オーク(ランクM)
イベントも終盤、本日含めて残り三日ですが、引き続きイベントをお楽しみください。
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「えっ!?」
(……!)
近くから驚きの声が聞こえた。
「あ、小嶋くん、来てたんだ!」
(お……)
驚きの声は同じように中間発表を確認していたサイカであった。自然と中間発表の話題となる。
「トンダさん、流石だなー。シッカリ系、ランクMのシッカリ・オークか……」
「そうですね……」
トンダによるとシッカリ系オークは味において、ヤワラカ系、フックラ系の一つ上のランクより評価が高いらしく、二位のチームがフックラ系であることから、現状、一つ飛び出している形であった。
「それより、びっくりしたのは……三位の……」
「はい……」
リリース・リバティが三位に食い込んでいたのだ。どうやら森での魔物寄せ作戦が一定の成果を上げているようであった。
「でも、トンダさんが言ってたけど、シッカリ系オークは野生では見かけたことがないらしいから、現状はトンダさんの有利は変わらなそうだね……」
「そうですね……」
「……ということで」
(……?)
「交配のインターバルも明けたことだし……ここらで私も勝負に出ようと思うの……!」
サイカはごくりと息をのむ。
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フワフワ・オーク レベル:37 ランクL 雄(ヤワラカ系)
×
ユッタリ・オーク レベル:37 ランクL 雌(フックラ系)
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サイカの提示した配合組合せである。
「やるんですね……」
「うん……!」
この組合せはトンダから教わったシッカリ系オークを狙うための黄金配合である。
同ランクのヤワラカ系の雄とフックラ系の雌。
雌雄が逆でも上手くいかないらしく、今回のレギュレーションではなかなかに難しい組み合わせである。
上手くいけばランクLのシッカリ系の生成に成功し、ランクMのヤワラカ系やフックラ系よりもより評価が高く、一気に二位に踊り出ることができる。しかし、リスクもある……
「いきます……!」
「はい……」
サイカはメニューから交配の組合せを決定する。
二匹のオークにハートエフェクトが発生し、光エフェクトに変わり、一匹のオークへと姿を変えていく。そして普段より少し強い光を放つ。
(こ、これはランクアップエフェクト……!)
元々、配合おじさんであるジサンがワクワクしないはずもなく……




