140.おじさん、品種改良の法則
ジサンはメニューから生産対象を確認する。
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飼育数6/10
●サワヤカ系
サワヤカ・オーク レベル:35 ランクK 雄
●ゴウワン系
カラテ・オーク レベル:35 ランクK 雄
●ヤワラカ系
ポニョ・オーク レベル:35 ランクK 雌
ヤンワリ・オーク レベル:30 ランクI 雄
●フックラ系
ユッタリ・オーク レベル:37 ランクL 雌
コエコエ・オーク レベル:35 ランクK 雌
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見ると、オークにはサワヤカ系、ゴウワン系、ヤワラカ系、フックラ系という分類がされていた。
どうやらサイカがグルーピングを行ったようであった。
「昨日、小嶋くんがテイムしてくれたフックラ系ランクKのファッティ・オークとコエコエ・オークを交配したら、無事にランクLのユッタリ・オークが生まれたの!」
「おぉ……!」
「残念ながらヤワラカ系のランクIヤンワリ・オーク二体の交配では、同じヤンワリ・オークができちゃったんだけど……」
「なるほどです」
とはいえ、この森に来てからジサンらにとっては初のランクLを入手できたのであれば、上出来と言えるだろう。
オークの分類、そして掛け合わせのコツはトンダによるアドバイスによるものであった。
◆
昨日の出来事――
「まずオークには分類がある」
トンダの話をサイカはメモを取りながら、真剣に聞く。
「大きく分けて、ヤワラカ系、フックラ系、サワヤカ系、ゴウワン系、そしてシッカリ系だ」
その後、トンダは各分類の特徴を教えてくれる。
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ヤワラカ系
┗触感がやわらかい
フックラ系
┗サシの入った脂身
シッカリ系
┗赤味と脂身のバランスがよい。もっとも優秀。
サワヤカ系
┗知能が高いが、食用には向かない
ゴウワン系
┗筋肉質で強いが、食用には向かない
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「今、サイカさんが保有しているのはサワヤカ系とゴウワン系に分類されるわけです。彼らは正直、食用にはできないでしょう……」
「なんで私が交配するとサワヤカやゴウワンばかりが生まれてしまうのでしょう……?」
「……まぁ、運が悪い」
「え゛っ!?」
サイカがショックを受けた顔をする。
「……というのもありますが……交配の組み合わせにより、ある程度、コントロールすることができます」
「……!」
サイカがほっとした顔を見せる。
「例えば、フックラ系の同ランク同士を組み合わせればフックラ系の高ランクが生まれやすくなります。要するにフックラ系のランクKとランクKを掛け合わせるとフックラ系のランクLが生まれやすいということです。系統の組合せに加えて、同ランクでないとダメというのも重要なポイントだ」
(……モンスターの交配に似てるな)
テイムモンスターの交配も同ランクの掛け合わせによって高ランクが生まれることがあるという仕組みであった。
「同ランク同士じゃないとダメだったんですね……道理で牧場でも中々、上のランクのが生まれなかったんだ……」
その後、トンダは高ランクが生まれやすい組み合わせ(本来であれば企業秘密)を教えてくれた。サイカは一生懸命にメモを取っていた。
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ヤワラカ雄×ヤワラカ雌=ヤワラカの高ランク
フックラ雄×フックラ雌=フックラの高ランク
ヤワラカ雄×フックラ雌=同ランクのシッカリorゴウワンの高ランク
サワヤカ×ANY=サワヤカ
上記以外の組み合わせでは高ランクは狙い辛く、分類もランダムで生まれる。
上記の組み合わせであっても必ず高ランクになるわけでなく、別の分類が生まれることもある。
ただし、サワヤカ×ANYだけはサワヤカが生まれる。
シッカリは最高級であるが、ゴウワンもそれなりに生まれるのでややハイリスク。
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「ありがとうございます……!」
サイカは深々と頭を下げる。
「いえ……私にできるのはこの程度ですが、頑張ってください……」
トンダはそんなことを言いながらも照れくさそうにしている。
「あの……これを見る限り……サワヤカ系って……」
「あぁ……畜産の観点から言って、”百害あって一利なし”だ……」
「ひゃ、百害あって一利なし……!?」
「ひどいこと言うね……」
小屋の中からサワヤカ・オークが爽やかに言う。
「小屋のスペースには限界がある。例えば、この森の小屋は十匹しか収容できない。更には厄介なことにサワヤカ系は勝手に交配を行うことすらある……特にサワヤカ雄とゴウワン雌の間に稀に生まれるニクショク系サワヤカは極めて厄介だ」
「あっ……」
「その顔は経験ありか……ならば説明は不要だな」
(つい最近な)
「まぁ、誰しも通る道だ……」
「ということはサワヤカは……」
サイカはサワヤカ・オークをチラッと見ながら、トンダに訊く。
「畜産においては間引くのが普通だ」
「っ……!!」
これには、流石のサワヤカ・オークも口をあんぐり開けて、ショックの表情を見せる。
豚を侮辱語として使用したことに激怒したトンダであったが、その実、結構、非情なのであった。




