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クリシュア救出②

 これはどう言うことなの? なんで、クリシュアがこんな事になってるの? て言うか、あたしこれ見たことあるし知ってる。確かバットエンドの時に、最後の最後殺されそうになる主人公たちをクリシュアが命を懸けて庇う時に使う魔法だよね?

 これを解く方法は…………無い。


「クリシュアがなんで、こんな中途半端な状態なのさ? まだバットエンドになってないのに、なんで?」


 思わず漏れた言葉に、オリジンたちがあたしを見る。


『バッドエンドとはどういう意味なのだ? ハク我らに話していない事があるのではないか?』

「……えっと……。うーん。まぁ、オリジンたちには話してもいいかな」

『まて、ハクここで話すな。誰に聞かれるわかんねーだろ!』


 オリジンに聞かれて話そうとしたら、ノヴァに止められた。仕方ないので帰ってから話すと約束して、どうにかしてクリシュアを助けないと……て言っても、あたしに出来る事はないけど。


「クリシュアを助ける方法かぁ~。あ! 占いバーオバの所に行けばわかるかも?」


 占いバーオバはゲームの中で、ヒロインへのお助けキャラみたいな存在だった。この世界が非常に似ている世界だからこそ、居る可能性にかけるべきかも……。


『ハク、とにかく戻るぞ。このままここにいても我らに出来る事はない。それに少し我らの方で調べたいこともあるのでな』

「うん。わかった。あたしの方でも調べてみる」


 この状態のクリシュアを置いていくのは忍びないけど、この状態じゃあ他紙に出来る事はない。だから、ごめんねって水晶の中で眠るクリシュアに謝って、オリジンの魔法で寝室に戻った。


☆ ★ ☆


 前日のオリジンたちに自白させられて夜更かしのせいか、食欲がわかなくて折角作って貰ったご飯を残してしまった。ごめんね、コックさん。

 そしていつもと違う事と言えば、オリジンが居ない。これについては昨日部屋に帰った後に、ちょっと精霊界に行くと言っていたのでそっちに行っているのだろう。


「ハク。今日はコインを集めにいこうか?」


 眩しい朝日を浴びて煌めくような姿のクルル様が、これまた輝くような笑顔であたしの部屋を訪れた。その後ろには、僅かに目が据わっているイリュス様が。

 ちょ、何があったの、イリュス様? クルル様との対比が酷いですよ?


「ハク様、おはようございます。こちらを王妃様とクリスティア様からお預かりしております」


 イリュス様の差し出した二冊の本のような分厚さの日記帳を受け取り、机の上に置く。流石に女子同士の交換日記をクルル様やイリュス様に見せる訳にはいかないよね。と考えたあたしは、夜に読むことにした。


「ありがとー。イリュス様」

「いえ、報告に行ったついでですから」

「それで、今日はどう動く?」

「あー、それなんだけど……ちょっと、探したい人が居て……今日は一人で出かけた――「なりません!」――ですよね~」


 あぁ、ダメだった。さて、どうしよう。占いバーオバを探すためには、一人で街中を歩くしかない。けど、それをするために、昨日抜けだしたことを話さないといけなくなる。

 あぁ、困ったなぁ……。もうあの手を使うしかないかな……後で超怒られるだろうけど、仕方ない。


「何故一人で動きたいんだ?」

「えっと、ちょっと探し人が居て……その人、一人じゃないと会えないんデス」

「探し人? どんなみためだ? 捜索なら、うちの者たちを使う事も出来るぞ?」

「えっと……その人、精霊との契約が無いと……」

「ほう。精霊との契約がないと会えないと言う事は……あのポーション屋と同じか?」


 あ、やべ……イリュス様の眉間に皺がっ! これ以上話すとバレる。あぁ、どうにかして話を逸らさないと!! けど、話題がない。そう、そうだコイン探しに行くってことにして着替えをするって言えば……。


「コイン取りに行くなら、南にいきましょう!」

「白様?」

「ほら、早く準備しないと時間過ぎちゃいますよ!」


「ちょ、話がっ」「白??」と言い募る二人の背中を押して部屋の外に出す。


「着替えるので少し待ってね~」


 わざとらしく「覗かないでね~」なんて言っておけば、真摯な二人は無言でスゴスゴ部屋へと引き換えしていった。


『主様。どうされますか?』

『抜け出すつもりか?』

『行くの~?』

「うん。仕方ないから、一応メアリーさんに手紙預けてからね」


 残った精霊三人の問いに頷いたあたしは、机に向かう。やっぱりクリシュアをあのままにはしておけないし、さっさとバーオバを探すしかない。バーオバの良そうな場所は、だいたい分るし、行くしかないよね!

 抜け出すことを決めたあたしは、クルル様とイリュス様二人に当てて手紙を書いた。それを何も知らないメアリーさんに、渡して来て欲しいとお願いして庭に出る。


『じゃぁ、いっくよ~!』


 庭に出た途端ニマ君を中心に魔法陣が広がり、フワフワとした風にワンピースの裾が揺れたかと思えば、私は王都アリューの中心に立っていた。

また来週よろしくお願いします!

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