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パレード

いよいよ本日は試練終了の日です。とうとうこの日がやってきました。ヴァルター様が気楽な冒険者から、皇太子に戻る日、そしてヴァルター様にとっては父親を追い落とす日です。世襲制は羨ましがられることも多いのですが、本当に真剣に取り組んでいたら、今の体制が悪いと思ったら、自らの家族ですら追い落とさなければならないという厳しいものです。もちろん良かったり、安穏としておきたいならこれほど楽なものはありませんが、それを心から封じるための試練でしょうね。


前回の試練は失敗に終わっていまして、前々回の試練を覚えている方は残っておらず、またそれほど数があったわけでもないのでやり方が分からないそうです。そのせいか、今回は帝都をあげて祭り、パレードにしたようです。最近ずっと不景気でしたから間違ってはいない選択だと思います。

パレードにはプラウドアルターも参加することになったので、わたくしやゾーグさんも最後の数ヶ月だけの臨時ですのに、わたくしたちもパレードに参加することになりました。


魔法使いの衣装は正装として認められているので、アッケンベルテさんは変化なし、クレイタさんは若干装飾が派手になったぐらいです。イプゾーシンさんは普段はつけておられない華美な重装で、レレットステウさんはいつもの装備ではなく貴族が着るような服をきておられました。ゾーグさんはいつもの豪華な全身鎧です。わたくしは魔法使いの服は持っておりませんでしたので、慌てて家からわたくしのドレス(地味め)を持ってきていただいて手直しをしていただいたものを着ています。


おめかしはしていますが、わたくしたちはおまけです。ヴァルター様は普段の鎧ではなく、特別誂えの豪奢な全身鎧をつけておられ、クァルにのって空から登場しました。

まだヴァルター様が乗るには若干小さいクァルですが、ドラゴンを見たことがなかった帝都の皆様は驚いておられます。竜害と言われるほど、竜、ドラゴンは一般的に恐れられてる存在ですから、そんなドラゴンを自由に操られるドラゴンライダーのヴァルター様は尊敬に値するということですね。


わたくしからしたら、クァルはまだフェアリードラゴンだった小さな頃からの付き合いですから、そんな風に思われること自体がびっくりなんですが、良い方向へ誘導できるならするべきでしょう。幸いクァルはこの状況を楽しんでいるようで、騎乗獣として付き合ってくれているようですし。


しばらくクァルに乗って進んでから、降りてクァルの首筋に手を当てながら、見物人でごった返している帝都の大通りを進みます。ヴァルター様が降りたのでわたくしたちもヴァルター様の近くに移動して進みます。


大通りを端まで進んでいくと、皇城がある小山に突き当たります。ここからは防衛上の都合により、皇城に用事があるものにしか近づけない関所みたいな場所があります。そこに皇城から迎えと思われる方が待っていました。


わたくしたちはここまでです。ここからはヴァルター様お一人で進むことになります。もちろん事もヴァルター様お一人で行われます。ここでわたくしたちが手を出したら反逆になりかねませんし。


ここで皆は止まって迎えの方の口上を聞きます。クァルは退屈したのか、わたくしに首を伸ばしてきましたので、軽くなでてあげます。その様子をヴァルター様が優しげな表情で見ておられました。

迎えの口上が終わったあと、ヴァルター様が一歩前へ出てわたくしたちに振り返り、最初にわたくしたちへの感謝を、次に周りにおられる見物人たちに向けて、感謝の意と挨拶を述べられました。ここではまだ皇太子に戻るだけですからね。


その後、ヴァルター様は迎えを放置して、クァルに乗って皇城へ飛んでいってしまいました。見物人からは歓声が上がります。あとでレレットステウさんが説明してくれましたが、迎えに来た方が、今の宰相、お父様から変わられた方だったらしいです。だからヴァルター様の扱いが悪かったのですね。見物人からの評判も悪かったようですし。


わたくしたちの役目はここまでです。プラウドアルター自体は残るものの、ヴァルター様は脱退ということになります。が皇太子殿下を抱えていた有名冒険者パーティーということで見物人が離れてくれません。そのまま帝都の中心部まで戻ってきたところでようやく開放されました。

皆さん離れてくれはしましたが注目は浴び続けていますので、今日はいつもの隠れ家的場所にはいかず、帝都の有名でお高い宿で待つことになりました。

皇位のことはヴァルター様に任せるしかありません。

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