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襲撃その後

寝室が荒らされてしまったため、わたくし達は別の部屋に案内されました。貴族に対するには格が落ちる部屋だけど今はこの部屋ぐらいしか用意できないとのことでしたが、わたくし達は別にベッドどころか屋根さえあれば何も言うことはなく、毛布一枚でもいいと言えばいいんですけどね。スヴェンさんはわたくしを、貴族でなくなっているはずのわたくしを今でも貴族として扱ってくれます。


その部屋には控室はついていないので、アッケンベルテさんたちプラウドアルターの女性陣と同室となりました。けどお互い寝ているところを叩き起こされて眠りが足りないところで捕まえた三人の取り扱いをしなければならないとしてイプゾーシンさんだけが護衛として部屋に戻ってきて、一つしかないベッドはわたくしたちに譲って、武器を抱えて座って寝始めました。

わたくしも当初はどこででも寝られるようになっていましたが、最近は整ったベッドで寝ることが増えたので、雑魚寝はちょっときついので、エルノとフリーダと一緒にベッドの布団に潜り込み、すぐさま寝入ってしまいました。クァルはまだ外で侵入者を探しているみたいです。


次の日の朝に皆様と改めて昨夜のことについて話し合いました。イプゾーシンさんとレレットステウさんはいませんが。

先日夜のあの後、プラウドアルターの男性陣も駆り出されて、捕縛した三人に治療をしながら尋問を行ったようです。

なんでも彼らは東の遠い地域での有名な戦略集団「ニンジア」の一員だったそうで、ヴァルター殿下のお命を狙ってのことだったようですね。はっきりと口を割ったわけではないらしいので、あくまでようだ、みたいですが。


そういえば彼らの指揮官らしき人物は確かにわたくしを見て「目標がいない」と言っていましたわね。わたくしがいる部屋に入ってきたのに……、ああ確かわたくしが寝ていたあの部屋は貴族対応の、砦で一番いい部屋だったはず。普通に考えれば帝国の殿下にあらせられるヴァルター様がお使いになられているはずの部屋ですわね。


そういったわたくしの体験と推測を説明いたしましたらアッケンベルテ様に褒められました。わたくしの言ったことはおそらくそのとおりだろう、と。ニンジアはこの世界にあるいろんな国や個人から依頼を受けて様々なことをしかける集団で、彼らに喧嘩を売った国は逆に滅ぼされたと言われる恐ろしい集団だそうです。


地理的には帝国からはかなり遠いのでめったに現れることはないらしいのですが、おそらく帝国の周辺国のどこかに雇われてきたのだろう、ということです。

敵とはいえクァルが大怪我をさせた相手なので彼らはどうなったのですか? と聞いたところ、もし彼らが本当にニンジアだったら手に負えないから、危険が及んだら見逃すように言いつつ、怪我は全てドラゴン好きな回復術師であるクレイタ様が全て治療されて、各人ばらばらに砦の地下牢へ終始目視の監視付きで今はとりあえず捕えているとのこと。そして本当に彼らがニンジアだったのなら引き取りにくると思われるので、終始監視付きではあるけど、待遇は良くしているとのことでした。


「今朝はまだ見ていないのですがクァルは帰ってきましたか?」


「はい! スピリットドラゴン殿は私の質問に身振りで答えてくれました! 直接やり取りできるなんて感激です。ニンジアは残念ながら取り逃がしてしまったようですね。お体の鱗が少々傷ついておられたので一戦闘はあったのかもしれません。ドラゴンの追手を戦って躱すなど少なくとも上級の冒険者レベルの実力があると思われますからニンジアだったと考えてもおかしくはありません。スピリットドラゴン殿は私の言葉を完全に理解されておりました。また話しかけてもいいですか? 今は食堂におられるはずです」

クレイタ様が一気に捲し立ててきました。


少し怪我してたけど無事に帰ってきているのですね、安心しました。しかしあの姿になったクァルから逃げおおせるとは確かにすごいやり手みたいですわね。このあとクァルを労いに行きましょう。


「申し訳なかった。アクレシア嬢。どうやら俺の都合に巻き込んでしまったらしい」

ヴァルター様がわたくしに頭を下げて謝ってきます。


「どうか頭をお上げください。ヴァルター殿下がなにかされてこうなったわけでもないのですから、殿下が謝る必要はありませんわ」


「そうか……。アクレシア嬢。俺は今後そうなるかもしれないが今はまだ殿下ではない。だからただのヴァルターで構わない。そう呼んでくれないか?」


「ではヴァルター様。わたくしもアクレシア嬢などと貴族のようにお呼びにならなくて構いませんわ。シアとお呼びください。最近は皆にそう呼ばれるようになってきておりますので」


「そうか、シア。今は無理だが俺があとを継げたなら、きっと君を貴族に復帰させよう」


正直、もう貴族という位はどうでもいいという気もしていますけど、もし今のままだともう貴族である両親や兄ともまともに会えないのも確かなのでありがたい申し出ではあります。それにヴァルター殿下の治世でなら貴族として頑張るのもいいものかもしれません。

「その際はつつしんで……」

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