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#37 巨大湖の底

お待たせいたしました。

 



「またこれはすごい光景だこと」


 なんて言葉をシャックスさんがつぶやくのも無理はない。両側に似通ったかなりの美形さんがいるのだから。しかも黙ったまま、睨みつけてるんでしょうかね?ちょっと鳥肌がたった。


「アシューとベリアルは昔っから仲悪いんだっけー?」

「この世界が融合する前かららしいよ。二人とも元天使、それもかなり高位だったから、何かと対立したりすることも多かったらしい。それに二人共性格があれだから」


 一人掛用のソファが2つ、それとその横に大きなソファがひとつ、アンティーク調のローテーブルを囲むように置かれている。そして一人掛用にアシュタロスさんとベリアルさん。残りの3人は大きなソファに僕ひとりが座り、あとのふたりは僕の後ろに立っている。

 そして一人掛用が向い合わせに置かれているため、必然と二人は向き合う形になってしまうわけです。


「報告書によれば、かなりのでかさらしいな。なぜ放置していた」

「勝手に決めるけるな。俺に不備があったとでも?ただでさえ、闇の狭間がこの地のいたるところに発生している中、優先順位を決め、それらを対処するのに、ほぼ丸一日消える。それではほかの仕事が滞るからと、あの使えない代理を立てた。不備があったなら、あいつだろう」

「ベリアル様……俺いるんですけど」


 俺傷つくと、顔を覆って僕にすがりついてきたシャックスさん。ううーん、これはどうすればいいのだろうか。


「それに最近、闇の狭間はこれまでにないほど、その拡大する速度が早まっている。今まで数ヶ月かかってたものが、たったの数週間でそれを上回るほどの成長を見せている。今回見つかったのはそれの中の一つだ」

「狭間の急成長……か」

「今もなお、あれは成長を続けている。早めに消してしまうのが、得策だろう」


 その言葉を聞いたアシュタロスさんは、しばらく考え込んでしまった。


「あの、その狭間は一体どれほどの大きさなんですか?」

「……アシュタロス、貴様何も言ってないのか?」

「言うより見たほうがいいと思っていた。どれだけ大きかろうと、帰ろうとなどぬかすとは思えなかったからな」

「はぁ……。まぁいい、この期に軽く打ち合わせもかねよう。今回見つかった狭間は、ここから20キロ西に行ったところにあるシャニウェ湖の、そこにある。シャニウェ湖の面積はおよそ630平方キロメートル。その湖底すべてに闇の狭間を確認している。さらに拡大は継続中であり、その大きさは今も肥大している。今はここの兵に命じて拡大をなるべく押さえ込ませてはいるが、なにせいつもの比ではない」

「シャニウェ湖はこの世界でも最大級の湖だから、その大きさはハンパないよ」


 630平方キロメートル。そんなことを聞いても、あまり想像がつかないものだ。けどとてつもなく大きいのだろうということは、ここにいる人たちの雰囲気でわかる。


「だがときは一刻を争う。いくら抑えるといっても、限度はある。浄化できるのは現状ノエルだけだ。俺は補佐に回る。早いほうがいい、明日にでもな」

「はい」

「いや、明日はダメだ」

「なぜだ?」

「予報士によると、明日の天気は曇りらしい。光分子がただでさえ少ないのに、陽光まで失っては、こちらにぶが悪いだろう?」

「なるほどな。次の晴天はいつだ?」


 ベリアルさんは近くのデスクの上にあった、書類を一枚撮り上から下に視線を落とす。


「予報が正しければ、明後日だ」

「その日の朝に最終判断だな。アモン、例の連絡は入れたか?」

「大丈夫、当日には到着するよ」


 明後日……、それまで僕は無駄に力を使わないよう、できるだけ動かないようにしよう。




シャニウェ湖は琵琶湖とほぼ同じくらいだと思ってくだされば、だいたいそのくらいでかいんだってイメージが浮かぶかなと。


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