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#31 ペットの行方

遅くなりました。



 同時刻。王宮の端にある庭。そこに僕はいた。


「ここには野花が多いんですね。少し積んでいきましょう」


 室内にいるだけでは、時間を持て余していたので、来る機会のなかった王宮の端にある小さな庭に来た。いつも行くことの多い中庭には、バラや椿、桜など木に咲く花が多いけど、ここには地から生える花々が主にあった。


 それらを数本手積みしている時だった、遠くから何か大きな音が聞こえてきたのだ。


「何の音でしょうか……。気のせい……?」




 その音の主が、迷子のペットだとは知らず、僕は花摘みを続けるのだった。











◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









 どれだけ血眼になって探そうと、見つけるのはペットではなく、ペットが破壊した王宮ばかり。


「ここも壊れてますね……。さすが、あの方のペットです。さてあと探していないのは……」


 アグレアスが、その被害に頭を抱えていたその時、割と近くで破壊音が聞こえた。今までないほどはっきり聞こえたその方角へ、視線を移す。


「あちらですね」


 彼としては早く、この事態を収束させたいのだ。このチャンスを逃すまいと、その方へと急いで駆け出した。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆











 なんですか……あれは……。







「グルルルルルル……」

「っ……」


 積んだ花がはらりと地面に落ちる。突然現れた存在に、僕は後ずさるしか出来ない。目をそらすこともできず、僕は恐る恐る足を動かす。


「うわっ!?」


 地面は自然のままで、あちこち隆起している。土の窪みに足を取られ、僕は尻餅を付く形で、転んだ。すぐに体を起こしたけど、それはすぐそばまで迫ってきていた。


 混乱するさなか、僕はさきほど聞いた音が気のせいではなく、あれのせいだったんだと悟った。


 牙を剥き出しにしてこちらに迫ってくるそれに向かって、僕は術で壁を作る。だけどそれはいとも簡単に破壊される。


「来ないでください……やだっ……」


 近づいて欲しくないその一心で、壁を作っては壊されを繰り返す。気がつけばそれは僕のすぐそばまで来ていて、鋭い爪が生えた足を僕の方につきだしていた。


「やっ――――!!?」


 為す術もなく、僕はただ両腕で自信を守ることしかできなかった。間近で見たそれは、3つの頭を持つ獣だった。


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