#31 ペットの行方
遅くなりました。
同時刻。王宮の端にある庭。そこに僕はいた。
「ここには野花が多いんですね。少し積んでいきましょう」
室内にいるだけでは、時間を持て余していたので、来る機会のなかった王宮の端にある小さな庭に来た。いつも行くことの多い中庭には、バラや椿、桜など木に咲く花が多いけど、ここには地から生える花々が主にあった。
それらを数本手積みしている時だった、遠くから何か大きな音が聞こえてきたのだ。
「何の音でしょうか……。気のせい……?」
その音の主が、迷子のペットだとは知らず、僕は花摘みを続けるのだった。
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どれだけ血眼になって探そうと、見つけるのはペットではなく、ペットが破壊した王宮ばかり。
「ここも壊れてますね……。さすが、あの方のペットです。さてあと探していないのは……」
アグレアスが、その被害に頭を抱えていたその時、割と近くで破壊音が聞こえた。今までないほどはっきり聞こえたその方角へ、視線を移す。
「あちらですね」
彼としては早く、この事態を収束させたいのだ。このチャンスを逃すまいと、その方へと急いで駆け出した。
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なんですか……あれは……。
「グルルルルルル……」
「っ……」
積んだ花がはらりと地面に落ちる。突然現れた存在に、僕は後ずさるしか出来ない。目をそらすこともできず、僕は恐る恐る足を動かす。
「うわっ!?」
地面は自然のままで、あちこち隆起している。土の窪みに足を取られ、僕は尻餅を付く形で、転んだ。すぐに体を起こしたけど、それはすぐそばまで迫ってきていた。
混乱するさなか、僕はさきほど聞いた音が気のせいではなく、あれのせいだったんだと悟った。
牙を剥き出しにしてこちらに迫ってくるそれに向かって、僕は術で壁を作る。だけどそれはいとも簡単に破壊される。
「来ないでください……やだっ……」
近づいて欲しくないその一心で、壁を作っては壊されを繰り返す。気がつけばそれは僕のすぐそばまで来ていて、鋭い爪が生えた足を僕の方につきだしていた。
「やっ――――!!?」
為す術もなく、僕はただ両腕で自信を守ることしかできなかった。間近で見たそれは、3つの頭を持つ獣だった。




