#18 商店街でお買い物
晴れているものの、気温はそんなに上がらないわけで、しっかりとコートを着込んだ。隣にアモンさんがいるから、少しは暖かいけどね。
前は馬の上からで、遠くから眺めるしかできなかった商店を、今日は間近で足を止めながらじっくり見る予定なんだ。
「あの、そういえば僕この世界のお金の価値がよくわからないんですが」
「えっとねー。価値の高さは金貨、銀貨、銅貨の順かな。で、銅貨100枚と銀貨一枚が同価値で、銀貨10枚と金貨一枚が同価値かな。大体街中だと、銅貨10枚でコーヒー一杯かな?」
「セーレさん、金貨20枚もくれたのですが……。お返しすべきですよね……」
「いいんじゃない?ノエルは頑張り屋だし」
そんなに頑張った記憶がないんだけどな……。ちょっとずつ使おう。
「あ……ちょっとあそこの店寄らせて」
「はい」
アモンさんのあとについて行くと、そこは綺麗な鉱石を扱うお店だった。店の棚には色とりどりの大小様々な鉱石が並び、いろいろなものに加工されている。アモンさんはまっすぐ、店の奥のカウンターに向かった。
「これは、これは。アモン様いらっしゃいませ」
「だから様とかいらないのにー。例のアレはどう?」
「近年はなかなか希少価値高いみたいで、あちこちに駆け寄ったところいいのが入りました。今お出ししますので、少々お待ちを」
そういって、店主の白いヒゲをはやしたおじさんは、店の奥へと消えていく。待っているのが暇なのか、商品を眺めてた僕の方にアモンさんが来た。
「綺麗でしょ。ここのは結構いいものばかりだからね。しかも王都の半値以下なんだよ。こういうの買うなら、ここがおすすめ」
「本当に綺麗ですね。アモンさんはよくこのお店に来るんですね」
「ちょっとねー。俺の趣味には欠かせないんだ」
「趣味ですか?」
「そう」
どんな趣味なのか聞きたかったけど、店主が戻ってきてアモンさんがカウンターに戻ってしまったので聞けなかった。
僕の前にはきれいに磨かれた鉱石を用いた、装飾品が並んでいる。値段を見るとやっぱりお高い。でも王都はこれ以上と言ってたから、これでもお買い得なんだろう。
そういえばアシュタロスさんにもらったこの腕輪。これもなにかの鉱石でできてるのかな。真っ白い綺麗な石で出来てる。もしかして、ものすごく高いんじゃ……。
今度おうちに行ったときに聞いてみよう。
商品を眺めるのも飽きたので、カウンターの方へと向かった。カウンターの上には大きな丸い透明な珠があった。
「これは、水晶ですか?」
「おー、そうだよー。さっすがノエルだね」
「さすがと言われるようなことは何も……。ですがとても清らかな気が、凝縮されてるのはわかります。この世界にあるなんて……」
「えぇ。ですから近年は、ほとんど残存しておりません。もしかしたら、これが最後のものかもしれませんし……」
「融合する前は、天界から仕入れればいくらでもあったんだけど。使っていくうちに精度は落ちるし……今となっては、俺もあんまり使えないんだよねー」
「先ほど言っていた趣味に……ですか?」
「そう」
その時のアモンさんの表情は、いつもとは違いどこか寂しそうで。だけどなぜか嬉しそうにも感じた。
銅貨一枚=10円
銀貨一枚=1000円
金貨一枚=10000円ってかんじです。超アバウトですみません。紙幣はありません。
まぁお金なんてほとんど出てこないだろうけど……(今後)




