#15 騎士団第一隊、隊長
3日後の朝。
僕は王宮の中庭にいた。周りにはアグレアスさんの手配で同じく北の地方に行く、王宮騎士団の第一隊の人達がいた。
今回の結界は広範囲にわたる。さらに魔獣たちが暴れてこちらに来るとも限らない。という大きな危険が伴う。北の地方にも騎士団はあるけど、多いに越したことはないということで、王宮からも騎士を派遣するとのことだ。
「んーっと黄金色の髪をした、天空のー……なんだっけ?」
そんなことを言いつつ、僕の前に現れたのは、銀髪の青年だった。銀色のツンツンしたウルフカットの髪に、赤い瞳と両耳に水色と黒のストーンピアスをしている。
「えと……」
「なーんて、君に言っても分かんないよねー。俺が勝手に考えてて、それを忘れちゃったんだもん。誰にも言ってないしー。んで、君がノエル?」
「はい」
「俺はアモン。王宮騎士団、第一隊隊長で、君の直属の護衛をするよー」
「お手数をおかけします」
「いいのいいのー。まぁ所詮魔獣だしー、ちょいちょい突いてやっつけちゃえるから。俺らは只見てるだけでもオッケー」
「え?」
なんだろう。この人の言っていることが、よくわからない。そんな感じでいいのかな。
「安心しなよ。アモン君はあれですごいから」
「そうなんですか……うわっ!?」
いつの間にか、セーレさんが僕の横にいた。本当に、いつの間に来たんだろう。
セーレさんが来たことを確認したアモンさんが、第一隊全体に招集をかけた。あらかじめ目印が四方に付けられたその内側へ、全員が入る。
どうやら、あれがなんなのか知らないのは僕だけみたい。
セーレさんとアモンさんが隣り合ってなにか話し込んでるし、騎士団の人たちもみんな知ってるって顔してる。
僕も教えて欲しいなって思ってたら、アモンさんだけ僕の方に戻ってきた。
「ほっぺぷくぅー」
「え?」
「ノエルのほっぺ、醗酵中のパン生地みたいー」
そういうと、アモンさんはその場に腰を下ろした。
「あの……いいんですか、ここにいても」
「んー?だって特に出番ないしー。居ても邪魔って言われたしね」
「何が起こるんですか?」
「見ててー。そしたらわかるよ」
「じゃあ、はじめるよ」
そう言うと、セーレさんは手を前にかざした。小声で詠唱し始める。すると騎士たちの足元に、巨大な魔法陣が出現した。次の瞬間には、そこにいた全員の姿が跡形もなく消えていた。
「え……」
「何度見てもすごいよねー」
「フゥ……流石に、これほどの人数はそう何度もできないけどね。さ、残るは僕たちだけだから、行こうか?」
僕らの方へ来たセーレさんの腕を掴む。そして僕らもまたその場から消えた。




