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測定をします

 お母さん達と一緒に来た場所はさっきまでいた闘技場ほど大きくはないけど、それなりに大きい建物だった。

「ついた-!カトリーナ、ここがマジカルランクの測定をするマジカル協会よ!」

 なるほど。ここでマジカルランクの測定をするのか。

 マジカルランクについてはここに来る途中でお母さんに教えてもらった。

 マジカルランクとはこの世界のニンゲンならどれだけ低くても一定の数値は持っていて産まれた時からすでにある程度の数値を持つことになるらしい。

 マジカルランクは日々の生活や、マモノと呼ばれるこの世界に溢れる経験値の源を倒すことで獲得できるらしい。

 ただ、日々の生活での経験値獲得は難易度が高く、その具体的な方法もわかっていないらしい。

 結局、マモノを倒すことが一番効率的でお母さんとお父さんもこの方法で強くなったらしい。

 マモノを倒すことで食料も手に入るみたいで一石二鳥らしい。

 また、マモノを倒した際の戦利品を売ることで生計を立てている組織、通称「ギルド」というものもあるらしい。

 ちなみにこの世界に「動物」と言われる生き物は存在しないらしい。ニンゲン以外は全部「マモノ」になるらしい。

 各マジカルランクの効果は・・・

 ランクE:特殊能力なし《ただし、この値は産まれた瞬間の値のため、すぐに変動、あるいは三歳までに上昇することが確実》

 ランク :D身体能力上昇《この時点で試合の出場権獲得》※個人差あり

 ランクC:五感強化※個人差あり

 ランクB:特殊能力が発現する

 ランクA:ランクB時に出た特殊能力が進化(パワーアップ)する

 ランクS:任意のタイミングで体に変化を加えられる

 とこんな感じになっているらしい。

 今私は一歳だからランクD があったらいい方みたい。

 そんなことを考えてる間についに扉の前まで来た。

 いよいよ、私の今の力がわかる!

 そして私は力強く中に入った(扉を開けたのはお母さんだから雰囲気だけ)

「ようこそ、マジカル強化へ。おや?これはこれは、クリスタル様。本日はどのようなご用件で?」

「こんにちは、司祭様。今日は娘のカトリーナのランク測定に来たの」

 お母さんがそう言うと抱っこされたままだけど私は司祭さんと対面した。

 偉い人って聞いてたから怖い感じを想像してたけど、優しそうなお兄さんって感じだ。

「カトリーナ様は今おいくつですか?」

「ついこの間一歳になったところです。」

「なるほど。となると、平均ランクはE ですね。ランクD があったら将来有望ですね」

 そう言って司祭さんは私に向かってあいさつをしてくれた。私も精一杯のあいさつを(正確には手を出すだけだが)した。

 「元気なお子さんですね。どうします?今すぐ測定も可能ですが」

 正直今すぐ測定したい気持ちもあった。だけど、この協会の入り口あたりに貼られている絵に興味があった。

「せっかくですので、娘と協会内を観てきます」

「かしこまりました。では私は奥の測定室でお待ちしております」

 そう言うと司祭さんはどこかに消えていった。

 なんだろう?あの司祭さん、最初は優しそうと思ったけどなんか危ない気がする。気のせいかな?

 そんなことを考えてるうちにお母さんは私を連れて絵がよく見える位置まで来た。

「ねぇ、カトリーナ。この世界の神様達について教えてあげるね」

 お母さんはそう言うと順番に教えてくれた。

 この世界には唯一神として崇められる神様がいてその下には唯一神の代わりにそれぞれの仕事をする精霊、通称「守護精霊」がいるらしい。この絵にかかれているのは三人の守護精霊だと教えてくれた。

 左から順番に、【ユニコーン】、【シルフィード】、【死神】。

 ユニコーンはこの世界に生きる全ての命を管理しているらしい。そして一生治らないような傷も治してくれることがあるらしい。

 シルフィードはこの世界の全てを記録しているらしい。いつから記録しているのかは伝承がないらしい。

 最後に死神は悪いことをしたら罰を与えに来る存在らしい。ただ、死神が動くほどの悪いことをできる人がいないらしい。だから過去一度も動いたことはないらしい。ちなみに死神だけ本名が不明らしい。

 ただ、精霊についてよくわからないから首を傾げていると精霊についても教えてくれた。

 この世界に生きる人々は精霊の加護で守られているらしい。加護の受けとり方はマモノから採ることのできる食材を食べる、それだけでいいらしい。また、この加護のおかげで寿命を迎えるまで命を失う心配はないらしい。

 人が誰かを殺したり、マモノが人を殺したりすることは精霊の加護があるこの世界ではできないらしい。

 ちなみに人が人を殺すことが死神が動くことになる悪いことらしい。確かにそんな悪いことは起こり得ないから死神が動かないのもわかる。

 いろいろと観て回るとついに測定室に入っていった。

 測定室に入ると部屋全体がとてもキラキラ輝いていた。

「ようこそ、測定室へ。さっ、こちらへ。」

 そして案内された先には大きな球体があった。

「では、説明いたします。こちらの球体へ手をかざしてください。そしたらあなたが今保有しているマジカルランクが表示されます。」

 説明を受けたけど手をかざす?手を伸ばせばいいのかな?

「じゃあ、お母さんが先にやってみるから後で真似してね」

 お母さんがそう言うと私を司祭さんに一旦預けて球体の前に進み出た。

 そしてお母さんは球体へ手を伸ばした。なるほど、これが手をかざすことか。

 お母さんが手をかざして球体から光が出た。その光が収束して一つの文字になった。

 お母さんのマジカルランクはC。産まれてから成長していくならそこまで高くないのかな?

「カトリーナ様、お母様のマジカルランクは平均レベルですよ」

 司祭さんはマジカルランクの平均と上昇について教えてくれた。

 上げ方はさっきお母さんに教えてもらったけど、その後の話は初めて聞いた。

 司祭さんの話を簡単にまとめると、マジカルランクの上昇は基本的に十代が終わるのと同時に止まる。マジカルランクの上昇スピードは産まれてから数年後以内のランクを基準に上昇スピードが決まるらしい。

 基準になるマジカルランクが低いほど上昇スピードは速く、逆に基準になるマジカルランクが高いほど上昇スピードは遅くなる。

 かといって、上昇スピードは必ず一定にはならない。

 倒したマモノによって得られる経験値量はバラバラで、倒したマモノの種類によって獲得できる経験値量が決まる。

 逆にマモノをあんまり倒していないと経験値はたまらない。

 お母さんはそこまでマモノを倒すことにこだわっていなかったらしい。

 だからせいぜい初期ランクから一つランクが上がった値が平均らしい。

「やっぱりあんまり上がってないわね・・・さっ!次はカトリーナよ!やり方はお母さんの動きを真似ればいいから」

 お母さんがそう言うと私を司祭さんから受け取って再び抱っこされた。

 そして私は測定をする球体の前までやって来た。

 お母さんが手を伸ばすのを観て私も手を伸ばした。

 私の手がなるほど球体に触れた瞬間、球体から光が出てそれが私の頭上に収束する。

「「えっ!?」」

 なんだろう?お母さんと司祭さんには集まった光が示す私のランクが見えてる・・・

 えっ!?私そんなにランク低いの!?

「これは・・・あり得ない。一歳でこのランク。まだ十にすらなっていないのに?」

 えっ!?驚かれてる!?どういうことだろう?

「えっとね・・・カトリーナ、あなたのマジカルランクを測定したら、平均より高いのよ」

 そう言ってお母さんは私にも光の文字が見える位置まで下がってくれた。

 そして私が見た光の文字は・・・

「ランクB!?そんなバカな!?一歳でこれだけのランク、今まで前例がない!」

 ランクB、それが私が産まれて持った力のランクみたいだった。ただ、司祭さんの話が本当ならこれから先私が上のランクに上がるのは難しそうだ。

「このランクは・・・もしかしたらカトリーナ様は将来この世界を救うことのできる英雄になれるかもしれない!」

 この世界を救う?英雄?ちょっと何を言っているかわからない。

「失礼ですが、そんな危ない真似を娘にさせる訳にはいきません。まだこの子には無限の可能性があります。世界を救いたいと言うなら私はそれを応援します。しかし、カトリーナが他にやりたいことがある場合はそちらに集中します」

「そうですか。残念です。では、気が変わったらいつでも遊びに来てください。いつでも歓迎します」

 司祭さんはそう言うと私達を外まで案内してくれた。

 ・・・やっぱりあの司祭さん、何か怪しい。何か企んでるような・・・気のせいかな?

 そして私はお母さんと家に帰ることにした。

 帰る途中、お母様が教えてくれた。この世界は滅亡の可能性があると。

 今から十二年後の五月六日、この世界は破壊されてその数時間後には全てが消えるらしい。

 あれ!?そういえば、以前にもこんな話を聞いたことがあるような・・・

 そうだ!キズナとメイがこんな話をしていた!確かキズナとメイが話していた日付も五月六日だったはず・・・

 あれ!?同じ日付?何か関係があるのかな?

 それに、私が死ぬ直前に聞いた声はなんだったんだろう?


 カトリーナという女の子が測定を終えて出てきたのを俺は協会の上から視ていた。

「あれが、あの本好きが話していたカトリーナという女の子か」

 そう、俺は彼女を・・・いや彼女たちを見守らなければいけない。

 何故見守らなければいけないのかって?俺にもわかんねー!ただ、あの本好きに彼女たちを見守れと指示を受けただけだ。

 期間は確か・・・彼女達が自分に会いに来るまで・・・だったか?

 というより、せめてあの本好きに見守らなければいけない理由を聞いとけばよかった。

 とにかく、今から十二年ぐらい彼女達を見守る、そして介入しない!それが俺に与えられた仕事だ。

「さて、そろそろ姿を隠した方がいいな」

 俺はそう考えると空を飛んで身を隠した。

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