表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
7/17

序章 7   親子会議

設定が一部ずれていました…。見かけたらお知らせくださいませ。

次の朝、念願のパウンドケーキに釘付けの大精霊を屋敷の者総出で接待し、なんとか本邸への報告書等々を準備し終えたスピカたちは庭に集まった。まだ朝の8時である。


「ペトラノーム様、お待たせいたしました。移動をお願いいたします。」 


スカイリア家の本邸は王都に程近いプレアデス領にある。イースラック領産出の銀製品やロックバード地方の魔糸織物を販売する商業都市である。ちなみにアルバークは自分の商会であるオメガ商会の店舗をここに構えている。


今は社交シーズンなので王都の館に滞在中だった父だが、ことがことなので万全を期して特急でプレアデス領まで戻ってきたようだ。


「パウンドケーキは実にうまかった。混ぜるもので味が全く変わるのじゃな!お酒の方もレモンの方も捨てがたい…」


「気に入ったのであれば、違う材料でまた作りますね。」


「うむ、楽しみにしておる。では行くぞ…」


鉱山の時と同じように手をさっと振ると一瞬で本邸の庭に立っていた。慣れるものでもないが、やはり慣れない。そして周りの反応も同じである…。そりゃあそうだよね、わかる。


「スピカ!!」


久しぶりのお父様が飛び込んできた。大精霊様を見るや、そのままスライディングで平伏する。お見事。


「そなたの娘と契約した。これから誰の目にもはっきり映るようになる。これがどういうことかそなたならわかるな?」


「は、はいっ。今後の対策も含めて詳しくお話を伺いたく...どうぞ中のお部屋に、王都のマカロンを買って参りまし」「マカロン!わかったすぐ行く。」


食い気味にペトラノームが言葉を被せる。スピカは頬を緩ませながら、お父様に感謝の視線を送った。そういえばどうしてマカロンを…アルか、アルなのか?一段落したらねぎらいのお菓子でも差し入れようかな。


プレアデス領は活気があり、スカイリア家のベラトリクス商会を起点に扇状に大小さまざまな商店が立ち並んでいる。商人の往来も多い。ベラトリクス商会の裏手高台に本邸があるが、スピカはイースラック領に籠っていたのでずいぶん久しぶりである。


ペトラノーム、スピカの父レグルス、アルバーク、スピカ、アウディーレ(睡眠中)が着席した。家令のカストルも壁際で待機しており、速やかに山盛りのマカロンが運び込まれた。


「王都で一番人気ピエーリャのマカロンです。どうぞ心行くまでお召し上がりください。」


ペトラノームは色とりどりのマカロンに夢中なのでその間にアルバークから今回の経緯、金鉱脈の発見について簡潔に説明し、スピカが補足した。お父様の視線がザクザク刺さるが、これが「認識される」ということなのかしら…?


「大精霊の御力の影響とはいえ、スピカには辛い思いをさせてしまってすまなかった…。謝って許されるものでもないが今までの分も含めスピカの未来を全力で守ると誓おう。」


「お父様、確かに1歩引く生き方をしてきたかもしれません。それでもお陰さまで貴族の責務を担うこともなく、自由に過ごさせていただきました。認識されたらどのようになるのか想像もつきませんが…」


「スピカお嬢様は貴族の駆け引きを知らずにここまで来てしまいました。今後の守りを固めないと大変なことになる未来しか見えません…。」


うん、苦労人アルの苦労は増やしたくない。スピカは18才を迎えたので成人している。社交界デビューは15才で済ませているが、認識されているかどうか怪しいし、実質これからの社交界での立ち位置を決めておかないと間違いなく権力闘争に巻き込まれる。


「いっそのこと神殿に聖女認定してもらって保護してもらうとか…」


「いや、王家に囲い込まれるのが落ちだ。」


「ぼくは石たちの側がいいなぁ〜。」


あ、アウディーレ起きたのね。すかさず小さいお皿にマカロンとミルクが運ばれてくる。うちのメイドは優秀ね。


「なるほど、ペトラノーム様はいつもどのような場所に住んでいらっしゃるのですか?」


「私はスピカの側でスピカのお菓子が食べられればそれで良い。ま、自然が豊かな方が聖力も取り込めるから都合はいいが。」


「そ、それは畏れながらスピカを嫁に、ということでしょうか…?」


「いやいや、大精霊は嫁は取らぬ。寿命も違うし人間でいうところの…祖父みたいなものか?スピカが伴侶を選ぶのを邪魔はせぬ。審査はするがな!」


あー、これは審査がめちゃくちゃ厳しいやつだわね…ま、今のところ結婚する相手もいないし後ろ楯があればしばらく引きこもれるかしら…?


「わかりました。表向き大精霊様の意向で自然豊かなイースラック領に祝福を与えた乙女を住まわせると。大精霊様の怒りを買うと王国全土、はたまた近隣の国々まで天災が起きる、という設定にしましょう。貴族である以上最低限の社交にも出ねばなりません。その時は大精霊様のにらみをお借りできればありがたいと思いますが、いかがでしょうか?」


「実際、スピカに危害を加えたら相手の領土の草木を枯らすくらい容易いからな。王都への付き添いは…」


「美味しいお菓子をたくさんご紹介しますね。」「あい、わかった。安心せよ。」


さすが食いしん坊、話が早い。近々の夜会は成人を迎えた独身貴族が集う3ヶ月後のものらしい。久しぶりに母や弟妹にも会いたいし、ちょうどいい機会かもしれない。


方針が固まったところで一旦解散とし、昼食まで父と庭で話をすることにした。

なんだかみんな食べてばかりな気がする…実は食いしん坊一家?


次の更新は金曜日の朝の予定で頑張ってます…。引き続き宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ