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領地編 2  新たな旗印の予感

自分の中だけで今週も闘っております(汗)

こつこつ金曜日の朝に更新しているのでよろしかったら息抜きにお越しくださいませ。

急いで温室に向かうスピカにオリゼとキハが並んで追いついた。


「到着早々ばたばたしてごめんなさい。昨夜私たちが身に付けたあれやこれやに問い合わせが殺到しているみたいで…。」


「これもご縁だから何でも言って?いないよりはましだと思うわよ。」


隣でキハも顔を縦に振っている。魔糸織などは移動さえできればどうにかなる、ということは…!スピカはキラキラスマイルをオリゼたちに向けた。


「オリゼ!領地に他の珍しいお菓子はある?」


「こ、今回はかなり絞り込んで持参したからまだまだあるけど…?」


「大精霊様は無類のお菓子好きなの。オリゼのお菓子を相当気に入っていたようだから、魔糸織の補充が終わったらエスエスト領でご馳走してもらえないかしら?」


ぶんぶんと頭を縦に振りながらも納得顔のオリゼがどのお菓子を出そうか考え始めた様子に、とにかく温室に急いだ。


「ペトラノーム様?」


タイミング良く、オリゼ持参の菓子を食べ終えたところで名残惜しそうに皿を眺めていたので、魔糸織などをロックバードから運びたいこと、終わったらオリゼの領地で新しいお菓子をご馳走してもらえることを手早く伝えた。


「承知!」


次の瞬間、もはや懐かしさを感じるロックバードの領主邸庭におり、先日魔糸織の切れ端を分けてもらった工房へ急いだ。


「セイダンいる?」


夜会のお披露目が終わった頃かとのんびり話をしていた工房メンバーは突然のスピカお嬢様の登場に大わらわとなった。工房長は何か不具合があったかと真っ青になっている。


「安心して?夜会はつつがなく終わったの。実は魔糸織の衣装や小物に問い合わせが殺到して収拾がつかないから、ありったけの魔糸織を運ぶよう父に言われたのだけど…」


「わかりました!今からかき集めてきますので少しお待ちくだせぇまし。」


待つ間に、オリゼに魔鳩でエスエスト領にお菓子作成の指示を飛ばしてもらい、レモンの蜂蜜漬けをシュワの実で割って配った。


「うわっ、なにこれ美味しい!」


オリゼもキハも気に入った様子を見て、後で魔の森からいくつか運んでもらおうとこっそり決意する。


「オリゼたちは魔の森に入ったことはあるの?」


「まさかまさか!エスエスト領にも魔蚕はいるから細々と家で使う布くらいは織っているし、森が広がると畑地が減るから端の木は伐採してるけどさすがに入る勇気はないわね。」


「そのシュワシュワする液体なんだけど、魔の森に生えているシュワの実の中身なのよ。たぶんエスエスト領からでも採れるはずだから後で行ってみましょう。」


オリゼとキハの首がぎぎぎっと音を立てるかのようにゆっくりスピカの方を見た。魔の森?魔の森に入るって言ったよね?という副音声が聞こえてきそうである。


「スピカお嬢様!お待たせして申し訳ございやせん!」


スピカたちがぱっと振り返ると荷車に山と積まれた魔糸織が姿を表した。


「セイダン、無理を言ってごめんなさいね。きっとこれから注文がどさっと入るだろうから、可能な限り生産をお願い。明日にでもマーガレットとオリビアは帰すからよろしくね?」


「へいっ、全力をお約束します!」


力強い工房長の宣言と荷車を受け取り、鼻息荒い大精霊様とともに、本邸の庭に戻ってきた。


「スピカ~~~!いえ、大精霊様ありがとうございます!!」


いつぞやの、みごとなスライディング土下座で当主が現れた。オリゼとキハは見ないふりをしてくれている。さすが教育が行き届いているわ、でもうん、驚くよね?


「「ねぇ~スピカ(お姉さま!)どうしたの(ですか)?」」


愛らしい声に満面の笑みで振り返ると、慌てていてお留守になったアウディーレ、ガルディの2人組と妹のメレルナがいた。あぁ、尊い…。


「昨夜アウディーレとガルディが着ていた服を覚えている?見ていた人が欲しくなって今朝からたくさんの連絡が入っているの。だから急いでロックバードに行って魔糸織を持ってきたのよ。」


「まぁ!それで屋敷が大騒ぎなのですね?学習の予定がずれたと聞いたばかりですが…お姉さま今日は一緒にいられますか?」


「まずはお母様の許可をとってね。あとは私のお友だちが良いと言ったら一緒にエスエスト領まで行きましょう。」


ばぁっと顔を輝かせて、慌ててオリゼたちに礼をとる姿も眼福である。


「メレルナ スカイリアと申します。大好きなスピカお姉さまと過ごしたいので、ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか…?」


オリゼもキハも相好が崩れている。そうでしょう、そうでしょう、私の妹は世界一可愛いのよ!


「メレルナ様、お隣エスエスト領のオリゼ サムリーです。喜んで、ご招待させていただきますね。」


「ありがとうございます!それではお母様から許可をもぎとって参ります。置いて行かないでくださいませ!」


そういうと、すすすっと邸の中に向かって見た目以上の速さで消えていった。今「もぎとって」と聞こえた気がするけど…まぁ、可愛いから気にしないことにしよう。

スイーツ大好きぶれない大精霊様。可愛いさ満開のメレルナ。でもメレルナは意外とたくましそうな気配ですね…?

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