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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第7章 ギルドバトル

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第91話 解放のその先

 フィールドに第三試合を戦う二人が入場する。

 観客席からは大声援が二人に送られる。


「……誰が相手でも私は勝つから。負けても恨まないでね」


 メリダは冷たく低い声で海夕に言い放った。

 これに海夕は違和感を感じていた。

 海夕が蓮から聞いていたメリダの印象と全然違ったからだ。

 海夕はその理由がわからないまま、バトルが始まった。


【第三試合 水海夕VSメリダ・フォン・ヴァルテンベルク バトルSTART】


「お願い、ガイア!」


「来て、ニュクス!」


 メリダの1体目はガイア。

 翼を含めて全身ゴツゴツした岩肌の竜。

 対する海夕の1体目は魔法使いのニュクス。


「ガイア、『ドラゴンフォース』」


「ニュクス、『属性調律・風』!」


 ガイアは『ドラゴンフォース』を発動したことで、赤いオーラを纏う。

 これは竜専用のスキルで全ステータスを2倍にする。

 しかも、発動する上で時間制限はない。

 このゲームにおいてバフはかなり貴重。

 普通なら、どれだけ積んでも1.5倍などが限界。

 それを超えるバフを竜はデフォで付与できる。


 ニュクスが『属性調律・風』を発動すると髪と右手に持つ杖が緑に染まる。


「ニュクス、『エレメントランス』!」


 ニュクスの杖から一本の風の槍がガイアに向けて放たれる。


「ガイア、『アースブレス』」


 メリダは淡々とガイアの指示を出す。

 ニュクスの放った風属性の『エレメントランス』はガイアの『アースブレス』に直撃し、霧散した。

 そのまま『アースブレス』によって放たれた巨石は勢いよくニュクスへ迫る。


「ニュクス、『エレメントカウンター』!」


「っ!」


 ガイアの放った『アースブレス』はニュクスの前に出現した風の障壁にぶつかる。

 直後、風に流されるように巨石はガイアへと飛んでいく。


「ガイア、『アースクロー』」


 ガイアは自身に向かって飛んできた巨石を鋭い鉤爪で引き裂いた。


「ニュクス、『黒杖解放』『多重詠唱』『エレメントショット』『エレメントブラスト』!」


 ニュクスが『黒杖解放』と『多重詠唱』を使う。

 それと同時にメリダの視線が鋭くなる。

 鬼姫のギルドマスター決定戦では、『多重詠唱』で同時に放てるのが三つだった。

 しかし、今ニュクスがガイアに放った五属性の攻撃はそれぞれ五つ。

 つまり、五属性の『エレメントショット』と『エレメントブラスト』が合計で50ほどガイアに向けて放たれた。


「ガイア、『ガイアフレーム』」


 これの攻撃に対してメリダは攻撃による相殺ではなく、防御を選択した。

 ガイアが自身の鱗の上に土塊を纏う。

 ニュクスの攻撃が当たる度に削れていき、鱗が見えそうになるが、瞬く間に修復される。

 ニュクスの猛攻で削るのが先か。

 ガイアの防御スキルで防ぎ、『黒杖解放』の時間切れが先か。


「ニュクス、『エレメントボール』『エレメントボム』!」


 ニュクスは更に追加で攻撃を放つ。

 しかし、ガイアの装甲はそれでも修復が間に合っていた。


 誰がどう見てもメリダが有利にバトルを進めている。

 海夕が圧倒的に劣勢だった。

 人類種の切り札とも言える解放スキルを早々に使った短期決戦。

 それでも、メリダのガイアには届かない。


 観客席でバトルを見ている人は早々にメリダの圧勝を予感した。

 中には海夕を応援している人もいる。

 だが、そのほとんどが諦めるなという応援だった。

 誰も海夕がここからこの状況を覆せるとは思っていない。


 解説席に座っていた一人の女性以外は。


 ニュクスの『黒杖解放』の効果が切れて、杖は元通りの形状に。

 髪も緑色に戻った。

 この状況でもなお、海夕の目は死んでいなかった。

 これに気づいたメリダは攻めなかった。


 バトルは両者共に動かない膠着状態に陥った。

 これには観客席からブーイングが飛び交う。

 だが、フィールドにいる二人に観客席の声が届くことはない。

 バトル中のプレイヤーの耳に実況席の声が入らないように。

 実況席の声をスタジアムの観客にも届くように。

 こうした配慮の結果、バトルが始まるとフィールドに観客の声は届かない。


 メリダはこの瞬間も頭をフル回転させる。

 海夕が取る可能性のある戦略。

 それに対して自分が繰り出す一手。

 ありとあらゆる可能性を視野に入れて考えた。

 それでも、海夕の繰り出す次の一手にメリダは対応できなかった。


「ニュクス、『黒杖覚醒』!」


「っ!?覚醒が使えるの!」


 ここまで終始死んだ目をしていたメリダだったが、これには目を大きく開き、驚きを隠せない。

 ニュクスが解放の先、覚醒スキルを使えるとは想像すらしていなかった。


「一気に決める。ニュクス、『精霊召喚』『精霊杖せいれいじょう』!」


 ニュクスを取り囲むように五つの魔法陣が出現する。

 そこから赤、青、緑、茶、黄の透明感ある精霊が姿を現す。

 召喚された精霊はニュクスの持つ杖に吸収される。

 直後、ニュクスの持つ杖が光り輝き、二本に分裂した。


「ニュクス、『精霊砲』!」


 ニュクスが右手と左手で持つ二本の杖の中心にエネルギーが集約される。

 覚醒の効果で今のニュクスは五属性を同時に扱える。

 更に今のニュクスは、精霊系のスキルが使えるようになっている。

 それに加えて覚醒中は全体的にステータスが向上する。

 具体的には全ステータス1.5倍。


「ガイア、『テラカタストロフ』!」


 ガイアの足元を中心に唸るような地鳴りが響く。

 直後、大地に亀裂が走った。

 割れた地面が重力を無視して、宙に浮かぶ。


 ニュクスも割れた地面を足場として、宙に浮かび上がった。

 割れて宙に浮いた地面は一斉にニュクスへ向かって放たれる。


 無数の割れた地面はニュクスへ突き刺さる。

 やがてニュクスは割れた地面に埋もれ、球体に閉じ込められた。


 フィールドに浮かぶニュクスのHPは刻一刻と削れていく。

 だが、次の瞬間、ニュクスを閉じ込めている球体にヒビが入る。

 それは徐々に広がっていき、球体は割れて霧散する。

 それと同時に白い光線がガイアへと突き進む。


 今の一撃で決まった。

 そう確信していたメリダはガイアへの指示が出せなかった。

 ガイアもまた、ニュクスをこれで倒せたと油断していた。

 そのため、回避する素振りを見せることなく、ニュクスの放った『精霊砲』はガイアを貫いた。


 覚醒状態で放たれた圧倒的破壊力の一撃は全ステータスが2倍に膨れ上がっているガイアのHPを一瞬にして削り切った。


【ガイア DOWN】

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