第122話 ソレイユVSアルマ
「決着! 準決勝第一試合、激闘の末に勝ったのは鬼灯蓮!!」
おおお――――!!
「最後、ブルーが圧勝したけど」
ステラの勝者宣言に観客席からどよめきの声と歓声が上がる。
そこに水を刺すように輝夜がブルーの圧勝という事実をボソッと付け加える。
リベリオンとのギルドバトルではサブマスター、ルーカスに判定戦の末に勝利を収めた郁斗。
その郁斗に勝った蓮。
これぞ鬼姫のギルドマスターと示す結果を残した。
郁斗は、ギルドマスター決定戦のリベンジを意気込んでいた。
残念ながら、それは叶わなかった。
だが、郁斗は意外と悔しそうじゃない。
全力で戦った結果だから後悔はない。
それにこの負けは次に活かせばいい。
この敗戦を前向きに捉えていた。
次はオリヴィアの準決勝第二試合。
相手は準々決勝で莉菜に勝った青田目。
ここで勝った方が決勝戦で蓮と戦う。
オリヴィアが勝ち上がって来たらギルドマスター決定戦の再来。
逆に青田目が勝ち上がった場合、ソレイユの防御をどう突破するのか。
これはオリヴィアにも言えることだが。
「準々決勝ではまさかまさかの新入生代表トーナメント優勝者、姫島莉菜が敗北。そうして勝ち上がって来たのは青田目朔夜!」
「莉菜さんはマリンの解放スキルでソレイユの防御を破ったけど、オリヴィアさんはどうするのか。まずはそこね」
「当然、それも厄介ですが、シグレの防御も侮れません!」
「アルマでソレイユを倒せたら、カーラの『悪魔の祝福』と『ナイトメア』で確実に削れるから。アルマがソレイユを倒せるか。それが勝敗に直結する」
ステラと輝夜の話は青田目が1体目にソレイユ。
オリヴィアは、アルマを召喚する。
それを前提に話している。
当然、裏をかいて選出を逆にする可能性もあるが、青田目がそれをする理由がない。
青田目にとって最悪は、そこでシグレを1体目に出す。
この時、オリヴィアの1体目がカーラであること。
突き詰めれば、1体目がアルマかカーラ関係なく、青田目はソレイユを出す。
それが最も安全策で無難な一手。
「これからどのような試合が繰り広げられるのか。今から楽しみです!」
【青田目朔夜VSオリヴィア・ブラウン バトルSTART】
「お願いね、ソレイユ!」
「お願いします、アルマ!」
両者ともに1体目のモンスターは準々決勝と変わらず、ソレイユとアルマ。
「ソレイユ、『日輪の舞』『巫女の祈り』『神秘の輝き』!」
「アルマ、『エネルギー充填』『デュアルショットモード』『ダブルショット』!」
オリヴィアはソレイユの防御は魔法攻撃にのみ効果を発揮すると考えている。
実際にマリンの魔法攻撃を尽くシャットアウトした。
それでも、マリンの解放スキルを使った高火力の前に突破された。
逆に言えば、そこまでしないと突破できない防御スキル。
それをまだDランクで取得しているモンスター。
なにかしらのデメリットがあってもおかしくない。
考えられるのは魔法攻撃の対極、物理攻撃には効果がない。
つまり、魔法攻撃は防げても物理攻撃は防げない。
オリヴィアは、その可能性にかけた。
もし、その仮説が合ってるいるなら、アルマの攻撃は全て物理攻撃扱いになる。
ソレイユにとって、アルマは天敵ということになる。
しかし、いざ攻撃してみると見えない障壁に阻まれてアルマの攻撃は届かない。
「ソレイユ、『灼熱の業火』!」
「アルマ、飛んでください!」
「ソレイユ、『灼熱の雨』!」
地を這うように灼熱の業火が迫って来る。
空を飛べるアルマはギリギリの所で回避に成功する。
だが、直後に上空から降り注ぐ『灼熱の雨』によってアルマは地に落ち、『灼熱の業火』に焼かれる。
「アルマ、『リペア』!」
受けたダメージを全てではないけど、回復するアルマ。
だが、オリヴィアのソレイユの防御は物理攻撃には効果を発揮しないという読みも外れた。
オリヴィアは、ここで一度作戦をリセットして、考え直す。
なぜ、物理攻撃が防がれたのか。
舞い続ける以外のデメリット無しのスキルなのか。
まだマリン、アルマと実践していないこと。
それを考えた末にオリヴィアは一つの結論に至った。
物理攻撃でなく、遠距離攻撃を全て防ぐ。
遠距離攻撃であれば、物理、魔法関係なく防げるのではないか。
「アルマ、『デュアルエッジモード』『ダブルスラッシュ』!」
「っ!? ソレイユ、『灼熱の嵐』!」
「アルマ、『エネルギーシールド展開』!」
フィールド中を吹き荒れる『灼熱の嵐』。
その中をエネルギーシールドを展開し、突っ込む。
地上付近を水平飛行していたアルマだが、灼熱の炎による嵐がアルマを近づけまいと抵抗する。
逆噴射してそれを突破しようと試みているが、拮抗した状況を崩せない。
「アルマ、後ろに『ミサイル発射』!」
自身の後方にミサイルを発射し、その爆風を利用して突破。
双剣の間合いにソレイユを捉えた。
『ダブルスラッシュ』は見えない障壁に当たることなくらソレイユを斬き裂き、『日輪の舞』は止められる。
それでも『神秘の輝き』による対遠距離攻撃用の障壁が消えたわけじゃない。
まだここで距離を取って立て直せれば、問題ない。
「アルマ、『エネルギースラッシュ』『バーストラッシュ』!」
ソレイユは、アルマと距離が取れない。
いや、取らせてもらえない。
アルマの猛攻がソレイユのHPを大きく削る。
「ソレイユ、『赫灼』からの『紅蓮華』!」
フィールド全体を光が包み込み、焼け焦がすと同時に真っ赤に染まり、灼熱の炎が吹き荒れる。
その隙にソレイユは、なんとかアルマから距離を取ることに成功する。
「ソレイユ、『日輪の祈祷』『日輪の祝福』!」
『日輪の祈祷』はソレイユに特定のスキルを強化するバフ。
『日輪の祝福』はソレイユに継続回復を付与する。
「アルマ、『ミサイル補填』『ミサイル発射』『エネルギー解放』『バーストラッシュ』!」
『ミサイル補填』からの『ミサイル発射』による爆発でソレイユの視界を奪う。
その後、『エネルギー解放』によってクールタイムをリセットした『バーストラッシュ』で追撃をする。
この瞬間、ソレイユからパリンとなにかが割れる音がする。
ソレイユを遠距離攻撃から守る障壁が消えた。
オリヴィアはそれを直感で理解した。
「アルマ、『エネルギー充填』『デュアルショットモード』『ダブルショット』『エネルギーショット』!」
アルマは『デュアルショットモード』に切り替え、一気に攻勢に出る。
「ソレイユ、『日輪峠』『月輪』!」
「まだ使っていないスキルが……!?」
アルマの放った攻撃は結果的に全てソレイユに届かなかった。
途中で全て霧散し、消えた。
ソレイユの『日輪峠』は、スキル名の通り、太陽が峠を迎えるスキル。
これだけだと意味不明の効果だが、特定のスキルを使うことでとてつもない効果を発揮する。
それが『月輪』と『日輪』。
『月輪』は、相手モンスターの既にクールタイムに入っている一部スキルのクールタイム延長させる。
ただ、『日輪峠』を使用している場合、フィールド上のモンスターが使える『日輪』以外全てのスキルをクールタイムに突入させる。
その上、既にクールタイムに入っているスキルは全てリセットされ、再びクールタイムに入る。
今回アルマの放った攻撃は強制的にクールタイムに入ったことの帳尻合わせが行われた結果、霧散して消えた。
今、アルマは全てのスキルが使えないが、ソレイユには一つだけ使えるスキルがある。
「ソレイユ、『日輪』!」
ソレイユの前に太陽のような灼熱の球体が現れ、アルマに向かって突き進む。
躱そうと動き回るが、『日輪峠』の効果により『日輪』は必中攻撃となっている。
どんなに頑張ったところで回避は不可能。
【アルマ DOWN】




