第120話 ベスト4が出揃う!
「葵美夏萌とオリヴィア・ブラウンの準々決勝第四試合、勝者はオリヴィア・ブラウン!!」
本日最後の試合が終了した。
最終戦に相応しい激闘。
観客席で試合を見ていた人たちは興奮が収まらない。
「最後の最後で思い切った決断が勝利をたぐり寄せた! これで白黒学園学年別個人トーナメント1年生の部、準決勝を戦う四人が出揃いました」
「予想通り、鬼姫のメンバーが勝ち上がって来たけど、莉菜さんが負けたのはちょっと意外」
「勝負は時の運という言葉もあります。そして、運も実力の内。今回の特別ルールでは青天目さんの方が強かった」
ステラと輝夜が送る辛辣な言葉。
観客席の興奮がどこかへと吹っ飛んだ。
ただ、この場にいない莉菜に二人の言葉が届くことはなかった。
「それでは早速、今日の試合結果を振り返りましょう!」
白黒スタジアムの電光掲示板に一回戦第一試合のバトル映像が映し出される。
優勝候補に名が上がる二人の激突。
バトルは最高に盛り上がった。
蓮の1体目はリーフィア。
蜆はソードワイバーンのブレイド。
序盤は互角のバトルを繰り広げていたが、ブレイドが真化して形勢は一気に傾いた。
だが、直後ここまで隠していたのか、『ダークスラッシュ・テンペスト』と『闇閃撃』の合技を繰り出した。
これにより、形勢は一気に逆転。
最後は、『天剣解放』と『天空斬り』の組み合わせでブレイドを撃破するも、召喚されたばかりのカイゼルがリーフィアを倒す。
両者、一進一退の攻防を繰り返す。
そうして満を持して登場したのがエース、ブルー。
バトルはカイゼル優勢で進んでいた。
だが、まだブルーは全力を出していなかったのか。
最後は、昇華スキルの『八雷神』でカイゼルを撃破。
こうして、一回戦第一試合は蓮の勝利で終わった。
その後に行われた一回戦に目ぼしい試合はなく、さらっと準々決勝に映像は切り替わった。
準々決勝第一試合。
蓮と海夕のバトル。
蓮の1体目は一回戦とは違って、ラグニア。
対する海夕は一回戦と同じニュクス。
この2体の勝敗を分けたのは、『コピー』。
ラグニアがリーフィアの『影走り』を『コピー』していた。
それをギリギリまで温存し、使わなかった。
その状態でニュクスの『黒杖解放』と『黒杖覚醒』すらも凌ぎ、逆転の一手に繋がった。
海夕の2体目はエース、アナスタシア。
このバトルの敗因はアナスタシアでラグニアを早々に倒せなかったこと。
そう言っても過言ではない。
ラグニア戦でデバフ・状態異常を付与されたことで、リーフィアは召喚直後に『魂葬・断』を決めることができた。
『閃剣解放』を使うタイミングの遅れ。
それが勝敗に直結した。
準々決勝第2試合は郁斗と星宮のバトル。
郁斗の1体目はネメア、星宮は人類種、ダークエルフのアイリス。
情報を制する者がバトルを制する。
必ずしもそうではないが、知っているから警戒する。
知っているから対処できるは、存在する。
バトル開始から二人の凄まじい読み合いが終始続いていた。
ネメアVSアイリスのバトルは郁斗が押していた。
このままネメアが勝つと思われたが、最後はアイリスが『闇の膨張』による自爆による相討ち。
これにより、2体目の英雄系の人類種であるグラディオは召喚と同時に全ステータス1.5倍となった。
両者、互角の攻防を繰り広げているように見えた。
だが、実際はグラディオがかなり有利だった。
それを郁斗の戦術、立ち回りなどが上回った。
それと星宮は少し警戒しすぎた。
様子を見ることなく、速攻で勝負を決めに行っていたら勝敗は逆転していたかもしれない。
解説席に座る輝夜は映像を見ながら、淡々と告げた。
準々決勝第三試合は莉菜と青天目のバトル。
莉菜の1体目はマリン、青天目はソレイユ。
バトル開始と同時に莉菜にとって予想外の出来事が立て続けに起きた。
今まで一度も破られたことのない『覆海」をソレイユがあっさりと破った。
誰もが人魚であるマリンはまともに戦えなくなった。
そう思ったが、実際は宙に浮いて戦っていた。
人魚の新たな可能性を示せたが、『日輪の舞』と『神秘の輝き』の前に苦戦を強いられた。
時間が経てば経つほどに強力となるソレイユのスキル。
このままマリン戦を長引かせ、エルナ戦で優位を取る。
そう思われた矢先、マリンの『蒼海解放』が炸裂する。
映像を見て、輝夜はここで断言した。
ブルーの『八雷神』にも匹敵する威力があると。
続く2体目のシグレがダメージを負っていたマリンを早々に撃破。
その後、召喚されたエルナとは、一進一退の攻防を繰り返す。
エルナが攻撃し、シグレが受け流し、防御する。
この防御を力技で突破を試みるも、失敗し、シグレ最強の攻撃スキル、『天叢雲』の前に散った。
結果、青天目の勝利。
新入生代表トーナメントの優勝者、莉菜が準々決勝にて敗北するという大番狂わせが起きた。
準々決勝最後の第四試合はオリヴィアと葵のバトル。
ここでは一風変わったバトルが繰り広げられた。
オリヴィアの1体目はアルマ、葵の1体目はクレア。
機械VS雪だるまのバトル。
滅多に見られるものじゃない。
このバトルは準々決勝の中で最も生配信での視聴率が高かった。
序盤はオリヴィアが劣勢で、第三試合のように鬼姫メンバーが敗北する。
見ている者の頭をそれが過った。
だが、オリヴィアは、途中から上手く対応したかに見えた。
しかし、アルマの攻撃はクレアの防御スキルに阻まれて、HPを削り切れなかった。
それをカーラが『悪魔の祝福』『悪魔の囁き』『ナイトメア』の必殺コンボで取り返した
だが、葵の2体目のモンスター、ティアとの相性が最悪だった。
音を使った攻撃と防御。
オリヴィアは、今まで戦ってきたモンスターとは全く違うタイプのモンスターに苦戦を強いられる。
『逆鱗のレイクエム』でHPを削り切られ、敗北するかと思われた。
その瞬間、『ダークボール』で隠すように槍を投擲し、ティアが持つハープを弾き飛ばす。
そうして為す術が無くなったティアは敗北。
この結果を持って、白黒学園学年別個人トーナメント1年生の部におけるベスト4が出揃った。




