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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第8章 学年別個人トーナメント

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第119話 音を奏でしモンスター

 オリヴィアが限られた情報の中、うまく対応したように見えた。

 だが、実際は葵がそれすら見据えて、作戦を講じていた。


「君臨せよ、カーラ!」


「クレア、『アイスレイン』!」


「カーラ、『悪魔の祝福』『悪魔の囁き』『ナイトメア』!」


 カーラが召喚されると同時に自身の頭上から氷の礫が無数に降り注ぐ。

 それがカーラに直撃する前に『ナイトメア』がクレアに炸裂。

 クレアのHPがゼロになると、氷の礫は塵となって消えた。


【クレア DOWN】


 決してクレアの魔法防御力は低くない。

 アルマの攻撃でHPが削れていたとはいえ、カーラの『ナイトメア』を一回くらいなら耐えられる。

 そう考えて、『アイスレイン』で速攻仕掛けた。

 だが、葵の読みとは違い、カーラがここで『悪魔の囁き』を使った。

 それが葵の想定を上回るダメージをクレアに与えた。


「音楽を奏でて、ティア!」


 葵の2体目のモンスターは人類種のモンスター。

 弦楽器のハープのようなものを手に持っている。

 楽器を使って音を奏でることで攻撃から防御、支援まで万能にできるモンスター。

 オリヴィアは今までティアのようなモンスターと戦ったことない。

『悪魔の囁き』と『ナイトメア』がクールタイムから明けるのを待っている。

 それもあり、自分から動かず、葵の出方を窺っている。


「ティア、『清流のメロディ』!」


 ティアが手に持つハープから穏やかで心が落ち着くような音が奏でられる。

 すると猛吹雪のフィールドは一転。

 太陽の光が差し込み、雪が溶け始める。

 猛吹雪のフィールドで戦うのはティアにとっても不利。

 だから、それをティアのスキルで解除した。

 だが、これをオリヴィアとカーラは黙って見ていない。


「カーラ、『ダークウェーブ』!」


 ティアに『ダークウェーブ』が迫るが、回避する素振りを見せない。

 それどころか余裕そうな雰囲気で受け止めようとしている。

 少なくとも、オリヴィアにはそう見えた。


「えっ!?」


 オリヴィアは目の前で起きた出来事に驚きを隠せない。

 カーラの放った『ダークウェーブ』がティアの目前で急激に失速、減衰し、消えた。

 オリヴィアは、目の前で起きた出来事を理解できても、どうやってそれを成し遂げたのかが理解できなかった。

 それも無理もない。


 通常のスキルは効果を発揮すると、発動を終える。

 だが、ティアのように音を使ったスキルは、音を奏でている間、常にスキルは発動状態。


「ティア、『激流のメロディ』!」


 今度は清流のメロディとは打って変わって激しい音を奏でる。

 フィールドの至る所から水が吹き荒れる。

 それが意思を持っているかのようにカーラへと襲いかかる。


「カーラ、『ダークランス』『ダークボール』!」


 この時、オリヴィアは勘違いをしていた。

 ティアの『激流のメロディ』は魔法攻撃ではない。

 音を使った水属性の物理攻撃。

 広範囲で圧倒的質量を持っている。

 カーラの放った『ダークランス』と『ダークボール』では、相殺できず、容易く打ち消された。


「『霞連槍』!」


 咄嗟に『霞連槍』で『激流のメロディ』を迎え撃つ。

 だけど、 あまりの物量の前にカーラの槍が弾き飛ばされた。

『霞連槍』の連撃が途絶え、激流によって地面に叩きつけられる。


 カーラの 弾き飛ばされた槍が偶然、近くに落ちていた。

 すぐに拾って体勢を立て直そうとするが、ティアがそれを黙って許さない。


「ティア、『灼熱のメロディ』『轟雷のメロディ』!」


『激流のメロディ』による激流が残る中、フィールド全体が灼熱の炎に包まれる。

 それだけにとどまらず、上空では暗雲が立ち込め、雷が落ちる。


 カーラは羽をバサっと広げ、空へ飛び上がる。

 だが、飛び上がったカーラを狙い澄ましたかのように雷が落ちた。


「カーラ、『ダークトルネード』!」


 闇の竜巻がフィールド上に発生する。

 だが、これも徐々に小さくなり、ティアに当たる前に消滅した。


「カーラ、『闇刺突』『深淵への誘い』!」


 使える魔法は全て使ったから、カーラは近接戦を仕掛ける。

 だが、全てはまたも無に帰すことになった。

 物理攻撃も『闇刺突』が消え、クールタイムに入る。

『深淵への誘い』だけは発動前だったからクールタイムには入っていない。

 だが、魔法だけじゃなく物理攻撃すらも届かない現実を目の当たりにした。

 それでも、カーラは『深淵への誘い』を発動せず、そのまま槍を構えてティアに突っ込む。

 

「!!」


「!?」


 ただの通常攻撃でしかない。

 それでもカーラの攻撃はティアに当たった。

 特大の衝撃を受けたティアと攻撃が当たったことが意外で驚いているカーラ。


「カーラ、『悪魔の囁き』『ナイトメア』!」


「あっ……」


『悪魔の囁き』によってティアは、防御力が半減した状態で『ナイトメア』を受けた。

 これにより、ティアのHPは一気に半分を下回った。

 ここで初めてティアにまともなダメージが入る。


「ティア、『激震のレクイエム』!」


 今までとは一味違った荒々しさを感じさせる激しい音を奏でる。

 それに呼応するかのように大地は崩れたり、隆起したりとフィールドはデコボコになる。

 それだけでなく、激しい揺れにも襲われる為、地上で立つことがカーラにはできず、早々に空中へと避難した。


「ティア、『烈風のレクイエム』!」


 今度は大地だけでなく、空も荒れ始める。

 空中にいると暴風によって大地に叩きつけられる。

 そのまま暴風によって大地に押し付けられる。

 すると、カーラの周辺の大地が隆起して、生き物のように意思があるかのようにカーラ目掛けて途中で歪曲して落ちてくる。

 その間もティアは涼しい顔をしながら音を奏でている。

 これだけの暴風と揺れに動じていない。

 いや、そもそもティアの髪や衣服が揺れていない。

 激しい大地の揺れや暴風を感じているのはカーラだけとなる。


「ティア、『逆鱗のレクイエム』!」


「うっ!」


 オリヴィアは、あまりにも酷い音に思わず耳を塞いだ。

 葵もこの音だけは聞きたくないのか指示を出す前から耳を塞いでいた。


 身動きが取れないカーラのHPがじわじわと削れていく。


 オリヴィアは耳を塞ぎながら、ティアを観察し続けた。

 そして、一つの可能性に気づく。

 常に弦楽器のハープのようなものを使って音を奏でている。

 その奏でた音がスキルと密接に関係している。

 なら、さっきカーラが持つ槍を弾き飛ばさた時みたいにあれを弾き飛ばせば、或いは。


 可能性があるなら実践するだけ。

 オリヴィアは迷わず、カーラに指示を出した。


「カーラ、楽器を狙って『ダークボール』!」


「っ!?」


「ティア、避けて!」


 ティアは、『ダークボール』をギリギリまで引きつけて、横に跳ぶ。

 直後、カーラの投げた槍がティアの持つハープを弾き飛ばした。

『ダークボール』をギリギリまで引きつけたことで、ティアからカーラの動きが見えていなかった。


 その瞬間、『激震のレクイエム』『烈風のレクイエム』『逆鱗のレクイエム』は解除された。

 カーラは自由の身になり、HPの減少も止まる。


 ティアは一時的とはいえ、スキルを使う上で必要となる媒体を失った。

 弾き飛ばされたハープを拾うまでまともにスキルが使えない。

 もちろん、カーラも槍を手放しているから物理攻撃スキルが使えない。

 だが、こうなることに賭けて槍を投じているので、カーラの動き出しが早い。


 先に武器を拾ったのはカーラだった。


「カーラ、『深淵への誘い』!」


「ヤバッ!」


 葵はティアの育成を遠距離特化だと割り切っていた。

 そのため、物理防御や素早さといったステータスに振っていないのがここで響いた。

 ティアの素早さがあまりにも低く、弾き飛ばされたハープを拾う前にカーラの攻撃が決まった。


【ティア DOWN】

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