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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第8章 学年別個人トーナメント

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第114話 影

「準々決勝第一試合、激闘の末に勝ったのは鬼灯蓮!」


 ステラが声を高らかに宣言する。

 観客席は大いに湧きあがる。


「一回戦で大活躍のブルーを選出しない。大胆な選択だけど、綿密に練られた作戦があってこそ。考えて考え抜いた蓮くんの作戦勝ちね」


「今回、ラグニアの『コピー』が猛威を奮いました!ブルー、リーフィアと強力なスキルを多数持っている。『コピー』先の選択肢の多さ。それは相手としては脅威でしょう」


 今まで不遇スキルとして扱われていた。

 その最大の理由が『コピー』したスキルのLvが1になる。

『コピー』しても威力が伴わない。

 だけど、ギルドバトル、この試合とその評価は覆った。

『コピー』は使い方次第。

 心理戦におけるアドバンテージの大きさ。

 世界が不遇スキルの扱いを見直す瞬間だった。


 観客席がざわめきに包まれる。

 そんな中、第二試合を戦う二人が入場する。


「続いて準々決勝第二試合!星宮聡龍と二階堂郁斗がそれぞれバトルステージに入場です!」


「星宮くんはダークホースの一人。大番狂せがあるかも」


 実況席に肘をついて、頬杖をつく輝夜。

 その顔は面白い展開を期待する無邪気な子供のよう。


【星宮聡龍VS二階堂郁斗 バトルSTART】


「征服せよ、アイリス!」


「来たれ、ネメア!」


 星宮の1体目は人類種、ダークエルフのアイリス。

 腰まで伸びている銀髪を風に靡かせ、先端に紫色の宝珠がついている木の杖を持っている。

 マントで隠れて見えづらいが、腰には弓を引っ提げていた。


 アイリスは、人類種だから解放スキルを使う可能性がある。

 先ほどの一回戦では、使っていなかった。

 二回戦以降を見据えて温存していただけか。

 それとも、使えないのか。

 郁斗は楽観視せず、温存している前提で考えていた。


「ネメア、『ゴーストタウン』『武装召喚・グリムリーパー』!」


 フィールドに四方に墓地が点在する廃墟が現れ、火の玉や幽霊が飛び交っている。

 ネメアは空中に出現した魔法陣から鎌を取り出す。


「アイリス、『ダークランス』『ダークボール』!」


『ゴーストタウン』が展開されているにも関わらず、アイリスは闇属性の魔法を放った。


 あまりにも短絡的な攻撃。

 悪魔が使う『ナイトメア』のような攻撃を可能とする解放スキルが使えるかもしれない。

 郁斗の頭にそれが過った。


「ネメア、躱して、『魔装融合』!」


 ギルドバトルの時と違って、ネメアが『魔装融合』を使えることは知られている。

 出し惜しむ必要はない。


 ネメアは鎌を空中で手放す。

 同時に魔法陣から出現した本と吸い寄せられるように一つになる。

『魔装融合』によって作り出された二振りの鎌。

 柄を挟んで刃の反対側には髑髏があり、不気味なオーラを漂わせている。


「アイリス、『ダークフォース』!」


「ネメア、『影潜伏』『影斬り』!」


 アイリスを中心にフィールド全体へ闇が広がる。

 闇属性の全体攻撃魔法。

 それをネメアは『影潜伏』で影に潜ることで回避する。

 そのまま影の中からアイリス目掛けて斬撃を飛ばす。

 だが、それはアイリスに当たることはなかった。


『ダークフォース』が消失し、フィールド全体がクリアになる。

 そこにアイリスの姿はなく、ネメアだけがいた。

 これに郁斗は目を大きく見開き、僅かながら驚きを隠せない。


 フィールド上のどこにもアイリスの姿は見えない。

 ならば、上。

 なにかしらのスキルで空を飛んでいる。

 即座にその可能性に至り、郁斗は空を見上げた。

 だが、郁斗の視界にアイリスはいなかった。

 郁斗は慌てた様子でフィールドに再び目を向ける。


「アイリス、『ダークスナイプ』!」


「なっ!?」


 突如として、ネメアの背後に現れたアイリス。

 その手には杖ではなく、弓が握られており、いつでも矢が引ける状態だった。


 闇に覆われた矢がネメアを貫く。

 それと同時にアイリスにデバフ・状態異常が反射され、付与される。


「ネメア、『デスサイズ』!」


 ネメアは後ろを振り向きざまに鎌をクロスさせるように振る。

 鎌がアイリスの首を捉えた。

 そう思われた瞬間、アイリスは地面に吸い寄せられるように消えた。


 ネメアの『影潜伏』や『影渡り』とは違う。

 アイリスのそれは、自分の意思でいつでも影の中に潜って移動できる。

 影が動くので、それを辿ればアイリスの居場所はわかる。

 それに攻撃の瞬間は必ず姿を現す。

 スキルの効果さえ理解すれば、容易に対処できる。

 だが、『ゴーストタウン』でフィールド上に障害物が多い。

 今は影の動きを追いづらい。


「くっそ」


 郁斗は姿勢が前のめりで、フィールド上を血眼になって見る。

 至る所に目をやり、不自然に動く影を見つけた。

 そこから郁斗は、アイリスの使っているスキルの効果を大まかに理解した。


「ネメア、『影渡り』『ブラックホール』!」


「え!?」


 ネメアは『影渡り』でアイリスの元まで移動する。

 それだけだと、すぐに地上へ出ないといけないネメアだと、アイリスに攻撃ができない。

 だが、影の中で『ブラックホール』を使った。

 影からネメアと一緒に『ブラックホール』も外に出る。

 それにアイリスも影の外に引き寄せられた。


「『チェーンリストレイント』!」


「しまっ……」


 地上に引きずり出したアイリスが再び影へ潜る前にネメアは鎖で拘束する。

 これにより、アイリスは影へ潜れなくなる。


「アイリス、『常夜の束縛』!」


 拘束できている間に攻撃を試みるネメア。

 だけど、『常夜の束縛』により、影がまとわりつき動きを封じられる。


「それなら、『ダークランス』『ダークアロー』『ダークボム』!」


 アイリスの『常夜の束縛』は一定時間、動きを封じるだけ。

 決して攻撃を封じるわけじゃない。

 このままでは、アイリスのHPが先に尽きる。

 それを察した星宮は次に繋ぐ一手を打つ。


「アイリス、『闇の膨張』!」


 アイリスの顔に亀裂が走る。

 それが全身に広がっていく。


「おいおい、それって……」


 郁斗はアイリスが使おうとしているスキルがなにか気づいた。

 だけど、打てる手は一つもなかった。


 アイリスを中心にフィールドは闇に覆われた。

 直後、巨大な爆発音と爆風がフィールドに走る。


【アイリス DOWN】


【ネメア DOWN】


 オリヴィアのアルマのように自爆スキルを取得しているモンスターは少ない。

 それ故にこの結末を郁斗は予期していなかった。

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