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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第8章 学年別個人トーナメント

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第110話 昇華

「来い、カイゼル!」


 見た目は白い子猫のようなモンスター。

 とにかく素早い動きで相手を翻弄する。

 額には赤く輝く小さな宝石をつけている。


 ブレイドを倒してもまだカイゼルがいる。

 正直なとこ、本番はここからと言っても過言じゃない。

 ウィリアムくんがオレを白猫に誘ってくれた理由。

 蜆くんとのカイゼル戦を見据えてのことに思える。

 それくらい強い。


「カイゼル、『大地の怒り』『大地の鉄槌』!」


 カイゼルの『大地の怒り』によって飛ぶことが封じられる。

 リーフィアは『空駆』で空中を動き回っていたが、突如としてそれができなくなった。

 そのまま無防備な状態で地面へと落ちる。


 地面のいたる所が隆起し、四方八方からリーフィアを押し潰そうと襲いかかる。


「リーフィア!」


『大地の怒り』で『空駆』が使えなくなったリーフィアじゃ、さすがにあれは防げない。


【リーフィア DOWN】


 欲を言えば、リーフィアでカイゼルにダメージを与えたかった。

 ここでどれだけデバフ・状態異常を付与できるか。

 徹底したデバフによる弱体化。

 それがオレが思い描いた勝ち筋だった。


 今からでも、ブルーからラグニアに選出を変えられる。

 いや、ラグニアだと攻撃力が厳しい。

 ブルーの『霹靂神はたたがみ』がこっちの切り札。

 ギルドバトルでも出してないから手の内を晒してない。

 そのアドバンテージを捨てるわけにはいかない。


 あとはブルーに任せる。


「出でよ、ブルー!」


 プルプル!


 なんか張り切ってるな。

 久しぶりのバトルだからか。

 空回りしないといいけど。


「来たな。カイゼル、『カイザーインパクト』!」


「ブルー、『電光迅雷』!」


「っ!!」


 カイゼルは、その素早さが最大の特徴。

 それを上回る速さでブルーがカイゼルと正面からぶつかる。


 蜆くんもブルーの『電光迅雷』は知っていたと思う。

 あの反応的にここまで速いと思ってなかった。

 そんな感じかな。

 驚きを隠せてない。


 ブルーは『電光迅雷』で素早さは上回っても他のステータスが低い。

 カイゼルの攻撃が最大威力を発揮する前の衝突にも関わらず、あっさりと弾き返された。


 プルンプルンと地面を転がるブルー。

 すかさず、追撃を仕掛けるカイゼル。


「カイゼル、『激震轟爪(げきしんごうそう)』!」


「ブルー、『ディバインシールド』!」


 カイゼルの右手が激しく震える。

 あまりにも激しく、カイゼルの右手が二つ、三つと複数あるように見える。

 それがブルーの『ディバインシールド』を紙でも引き裂くかのように貫き、更なる攻撃がブルーを襲う。


「ブルー、『プチヒール』!」


 ヤバいな。

 想像よりも遥かに強い。

 ウィリアムくん、よく勝てたな。


 こうなると、『天御雷(あまみかづち)』と『霹靂神』の使いどころが大事になる。

 蜆くんはブルーが『プチヒール』を使ったし、ここから一気に来ると思う。

 だからその前にこっちから仕掛ける。


「ブルー、『雷霆』『スカーレットアロー』!」


「カイゼル、『アースシールド』『ランドスター』!」


「くっ……」


『雷霆』が防がれたのは痛いな。

 防御スキルの存在を警戒して、他のスキルから入るべきだった。

 攻め急ぎすぎた。

 シグマさんにもらったバトル映像でカイゼルのことを全て知った気になっていた。


 カイゼルは、『アースシールド』の影から姿を現した。

 直後、大地が割れた。

 ブルーも足場が急に崩れてバランスを崩す。

 たぶん、『ランドスター』ってスキルの効果だと思うけど。

 ……これだけじゃないよね。


 すると、割れた大地の欠片が宙に浮き始めた。

 もちろんブルーも割れた大地の欠片と共に宙に浮く。

 そして宙に浮いた大地の欠片がブルー目掛けて一斉掃射された。


 そういうスキルか!

 全方位から大地の礫がブルーに襲いかかる。

 躱すのは無理。

 相殺するしかない。


「ブルー、『フレイムフォース』!」


『フレイムフォース』だけだと防ぎきれないか。

 一撃一撃のダメージはそこまでだが、塵も積もれば山となる。

 このまま受け続けるのは不味い。

 出し惜しみしている余裕はない。

 でも、これを相殺目的で使うわけにはいかない。

 相打ち覚悟でカイゼルを狙う。


「ブルー、『天御雷』!」


「まだそんな強力なスキルを隠してたのかよ」


 超電磁砲(レールガン)のような攻撃。

『フレイムフォース』では相殺しきれなかった『ランドスター』を飲み込み、カイゼルに迫った。

 だが、カイゼルにはギリギリのところで横に跳んで回避した。


「くっ!」


 躱された。

『霹靂神』ほどではないけど、そこそこクールタイムの長いスキル。

 このバトル中に使えてもあと一回が限界。

 それも、カイゼルの猛攻を凌げたらの話。


「すげえな。こっちも出し惜しみ無しだ!カイゼル、『フォールメテオライト』!」


 え、さすがにこれは嘘でしょ……。

 フィールド全体を覆う大きさの隕石が上空から落下してくるとか。

 こんなの躱すのは不可能。

 相殺するしかない。

 これを相殺できるスキルは『霹靂神』だけ。

 ここで使えば、切り札を失う。

 これでカイゼルを倒せなければ、使えば勝ちが遠のく。

 でも、使わないとこの一撃で負ける。

 蜆くんは確実に勝ちを確信している。

 そんな感じがする。

 防がれるとは微塵も考えていない気がする。

 その慢心が付け入る隙。


「ブルー、『霹靂神』!」


『霹靂神』は『フレイムフォース』の超強化版の魔法。

 それでいて、属性が雷。

 全方位逃げ場のない全体攻撃スキル。

『フォールメテオライト』だけでなく、地上で余裕をかましているカイゼルも攻撃対象。


 ブルーを中心にフィールド全体に雷の嵐が巻き起こる。

 それが収まると『フォールメテオライト』は相殺された上にカイゼルもダメージを負う。

 それも全体的に高ステータスのカイゼルのHPがたった一撃で5割近く削れている。


 蜆くんもこれには驚きを隠せていない。

 だけど、倒しきれなかった。

 正直、この状況はかなりヤバい。

 カイゼルのステータスがオレの想定よりも遥かに高い。


「はは、はははは!すげえな、やっぱ!こっちも出し惜しみなしだ。カイゼル、『激震轟々《げきしんごうごう》』!」


「ブルー、『電光迅雷』『鳴神』『雷霆』!」


 カイゼル相手に後手に回るとやられる。常に先手先手を取り続けることが大事。


 カイゼルは空中で一回転すると、そのままの流れで尻尾を地面に叩きつける。

 再び大地が割れて、ブルーの『電光迅雷』による高速移動が阻止された。

『鳴神』は砕けた大地の欠片がついでとばかりに阻止する。

『雷霆』は隙間を縫うようにカイゼルへと直撃する。

 だが、ダメージがほとんど入ってない。


「ブルー、『プチヒール』!」


 今、『プチヒール』が間に合ったけど、次は間に合わないかもしれない。

 あまりバトルを長引かせたくない。

 でも、まだ『天御雷』のクールタイムが明けていない。

 きっと、『天御雷』を次に使う時は対応してくる。

 まだこのバトルで見せていないスキルはある。

 でも、その全てが過去に使ったことがあるスキル。

 この状況を打開するには弱い。


 どうする、どうしたら……。


「カイゼル、『激震・爆雷(ばくらい)轟天(ごうてん)』!」


 カイゼルの前方から大地に亀裂が走り、徐々にフィールド全体に侵食していく。

 亀裂の入った大地は亀裂部分が光り輝いている。


 明らかにこれまでで一番の攻撃。

 見ただけでわかる。

 これはヤバい。

 こんなスキルをまだ隠していたなんて。


 負けたくない。勝ちたい!

 鬼姫のギルマスとか、シード枠とかどうでもいい。

 今は純粋に蜆くんに勝ちたい。


 プルプル、プルプル!


【ブルーが条件を満たしました。昇華スキル『 八雷神(やくさいかづちのかみ)』を取得しました】


 なにこれ?昇華スキル?

 ブルーのステータスを確認すると『 』が消えて昇華スキル 『八雷神』が増えてる。


 プルプル!


 よくわからないけど、これしかない気がする。


「ブルー、『八雷神』!!」


 まるで『天御雷』のようなスキル。

 だけど、その威力が比べ物にならない。

『激震・爆雷轟天』ごと雷がカイゼルを貫く。






【カイゼル DOWN】

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