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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第8章 学年別個人トーナメント

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第105話 白猫のお遊戯場

「はい、今日はここまで。学年別個人トーナメントの本戦に出場する子たちは出場できない子たちの分も精一杯頑張って下さい!」


 授業も終わってホームルームの時間。

 市川先生からエールをもらう。

 このクラスから本戦に出場するのは、オレ、郁斗、莉菜の三人だけ。

 しかも、予選免除のシード枠だから他の子たちに申し訳ない。


「逆に出場できない子たちはしっかりと本戦を見るといいですよ。自分とランクが近く強いプレイヤー同士のバトルは勉強になります。もっと強くなりたい、来年こそは本戦に出場したいという思いがあるのなら是非!見て下さい」


 オレたちは予選免除されている以上、無様なバトルはできない。

 せめて一回戦は突破しないと予選免除の面目が保てない。

 無駄にプレッシャーだけど、やるしかない。


 今日は2年生の予選が行われる。

 だけど、薫先輩は免除されているから特別見る必要はない。

 まあオレはウィリアムくんたちと『白猫』に挑戦する予定だから見られないけど。

『白猫』に挑戦する為の手続きは朝のうちに済ませておいた。

 そういうわけでオレは早速、ウィリアムくんたちとの待ち合わせ場所の校門に向かう。


「あ、蓮!いろいろと手続きありがと。おかげで念願叶って『白猫』に挑戦できるよ」


「いいよこれくらい。オレにもメリットはあることだし」


 待ち合わせ場所に行くと、既にウィリアムくん、メリダさん、ユリアさんと揃っていた。

 ウィリアムくんが嬉しそうに飛び跳ねていたのは、意外だった。

 もっと冷静で落ち着いた雰囲気の人だと思ってた。


「そういえば、気になってたんだけど、白黒学園って毎日のようにバトルが行われてるの?」


「え?ああ、違うよ。今日は2年生の予選が行われるから。普段は、学園内でもバトルはできないよ」


「へえ、そうなんだ」


 ユリアさんとメリダさんは珍しいものを見るような目で周りをキョロキョロ見回す。

 なんか、こういうの見ると白黒学園ってすごい場所なんだなって実感が湧く。


 それにしても、さっきから違和感があるな。

 なんかいつもと違う感じがしてる。

 至る所でバトルが行われてるわけだし、いつもと違って当然だけど、そうじゃない。

 もっと根本的なとこというか……。


 それからオレを先頭に学園内を進んで、『白猫』に向かう。

 5分ほど歩くと、ダンジョンの入り口が見えた。

 地下への入り口。

 この階段を下った先に『白猫』はある。


 白黒学園内のダンジョンは全て地下に存在する。

 地上部分だと、無関係の生徒が近くを通って迷惑を被ったり、いろいろ不便だから。

 その点、地下なら壁とかで物理的に他のダンジョンと空間を遮れる。

 自分の意思で階段を下らないとダンジョンには入れない。

 そういう寸法になってる。


 ダンジョンに入ると早速、モンスターを召喚する。

 ウィリアムくんはタロス。

 ユリアさんはユニ。

 メリダさんはワタツミ。


 オレもモンスターを召喚しようと思ったところで違和感の正体に気づいた。

 いつまで経ってもブルーが姿を見せない。

 いつもなら勝手に出てきて、オレの腕の中にスポって収まるのに。

 ピナが生まれる前は、よく卵を放置してリーフィアに連れ戻されていたけど。


 プル、プル、プル


 呼んでもないのに出てきた。

 今日はたまたま出て来なかっただけかな。

 いや、いつもなら我先にと甘えるブルーが大人しい。

 やっぱり、これはどう考えても異常事態。


 ピヨ、ピヨ、ピヨ


 ブルーに隠れて見えないけど、この声は間違いない。

 なるほど、そういうことか。

 可愛い妹であるピナを可愛がっていた。

 それでいつもと違うのか。

 ただ、なんでこのタイミングで一緒に出てくるかな。

 さすがにピナはお留守番だよ。


 ブルーと一緒にピナが現れたからウィリアムくんたちの目が点になってる。

 目を何回もこすってはピナを見てを繰り返してる。


「蓮、このモンスターどうしたの?」


「えっと、打ち上げの時に話してた卵が孵った」


「ああ、なるほど」


 いち早く冷静になったメリダさんがピナについて聞いてきた。

 嘘をつく理由もないし、どうせすぐにバレる。

 だから、正直に話した。


 三人ともリアクションに困ってる。

 雰囲気でそれが伝わってくる。


 この状況、誰かに助けを求めたい。切実に。


「ピナはまだ生まれたばかりなので仕方ないとしてもブルー!しっかり面倒を見て下さい!主に迷惑を掛けるとは――――」


 プル!プルプルプルプル


 ピヨ?ピヨピヨ?ピヨ!


 プル、プルプル


 どうやら、リーフィアに無断でピナを連れて来たみたい。

 無事にリーフィアの逆鱗に触れ、ブルーは怒られた。

 その隣でブルーが怒られていることを理解できてないピナは颯爽と現れたラグニアによって連れ戻された。

 こうして、無事にピナはリーフィアたちとお留守番をすることになった。


「はは、噂には聞いてたけど、蓮って結構苦労してるみたいだね」


「いや、リーフィアがいるから毎回なんとかなってるよ」


 リーフィアがいなかったら。

 そう思うと背筋がゾッとするよ。


「でも、ヒヨコだよね?名前を与えてるんだ。どういう成長を遂げるのか今から楽しみ」


 メリダさんが不敵な笑みを浮かべる。

 ピナが育って強くなったら、バトルしよ。

 そう言われそうで怖い。

 正直、勝てる気がしません。


 オレたちはこれ以上は時間が惜しいので、雑談はほどほどにして『白猫』に挑戦する。

『白猫』は全部で二つのエリアが存在する。

 たった二つ?と思うかもしれないけど、とにかく一つのエリアが広い。


 それに加えて『遊楽園』と同じランク変動型ダンジョンなのにランク詐欺ダンジョンと呼ばれている。

 それでも『遊楽園』よりマシだけど、『白猫』に出現するモンスターのステータスが高すぎるのだ。


 挑戦するならしっかりとバフ・デバフを付与できるモンスターを揃える。

 もしくは、『ドラゴンフォース』のように全ステータス2倍にするスキルとかでステータスを上回るしかない。

 今回はメリダさんのワタツミがいるし、なんとかなりそう。


 ここは『遊楽園』と違って、数の暴力がない。

 常に必ず1体しか出現しない。

 だから、かなり戦いやすい。


 ダンジョンの中は、モンスターじゃない普通の白猫がたくさん。

 全部ARで見せられている偽物だけど、動物アレルギーとか。

 実際に本物に触れることができない人たちから大人気。

 正直、見てるだけで心が和む。


 気を取り直して、オレたちは第一エリア『白猫のお遊戯場』を進む。

 すると、四足歩行の白猫型モンスター、ファングキャットと遭遇した。

 普通の白猫とは違い、牙らしき物が口に見える。


「タロス、『挑発』『重戦車』『鉄壁』『装甲復活』!」


「ユニ、『サンダーアロー』『サンダーランス』!」


「ワタツミ、『ドラゴンフォース』『タイダルウェーブ』!」


「ブルー、『雷霆(らいてい)』『鳴神』!」


 一見すると、前衛と後衛のバランスが悪く見える。

 タロスの圧倒的防御力があるからこそ、この偏りでも成り立つ。


 攻撃を受ければ受けるほど攻撃力が上昇する『重戦車』。

 物理と魔法、両方の防御力が大幅に上昇する『鉄壁』。

 継続回復を自身に付与する『装甲復活』。


 攻防一体の完全無欠なタンクが『挑発』でファングキャットを引き寄せる。

 そこを上空からユニが『サンダーアロー』と『サンダーランス』を。

 ワタツミが大きな津波を巻き起こし、タロスを巻き込む形でファングキャットを押し流す。

 そこにブルーの『雷霆』と『鳴神』がファングキャットの上から落ちる。


 ファングキャットはタロスの防御を突破できず、ダメージはワタツミが与える。

 ユニとブルーも攻撃はするけど、どちらかというと回復などのサポートがメイン。

 気づいたら、ワタツミの攻撃でファングキャットのHPを削り切っていた。


 これ、オレいるの?

 そう思いたくなるくらいウィリアムくんたちが強い。

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